職場のパワハラ上司8タイプ (事例を見て敵を知ろう!)
1)スケープゴートを作る「恐怖支配」 型上司
2)“形”を押し付ける「張り子のトラ」型上司
3)自分だけがかわいい「自己中」型上司
4)部下をロボットにする「ダブルバインド」型上司
5)ラインを潰す「かんちがい野郎」型上司
6)“指示待ち人間”を作る「お膳立て」型上司
7)無責任に押しつける「お公家さん」 型上司
8)甚大な被害を出す「不作為の罪」型上司
★スケープゴートを作る「恐怖支配」 型上司 -------------------
自分の立場を守るためにいじめっ子の首謀者になる上司です。最終的には「鵜飼いの鵜匠」を目指します。「パワハラ事例紙上再現&心理解説」で取り上げた上司がそれですね。
★“形”を押し付ける「張り子のトラ」型上司 --------------------
“管理職”という「虎の威を借る狐」というよりも、空しいほどに中身カラッポの「張り子の虎」です。
→「張り子のトラ」型上司のやり方
★自分だけがかわいい「自己中」型上司 ----------------------
部下や職場を無意識に自分の手足と考えている上司です。
母子カプセルの中にいる子どもは、母子分離ができていないため自他の区別もつきません。人は自分の手足の延長です。下記では、それになぞらえて「職場カプセル」型上司と書きましたが、わかりにくいので「自己中」型に変えました。
→「職場カプセル」型上司のやり方
★部下をロボットにする「ダブルバインド」型上司 ----------------
部下を強引に自分の手足に作り変える上司です。
「人」を洗脳し、人格改造して「右腕」に作りかえ、場合によっては左腕も作り、自らはサイボーグになろうとしますので、「サイボーグ」型上司と以前書きましたが、意図的にダブルバインドを行使しますので、「ダブルバインド」型に変えました。
→「サイボーグ」型上司のやり方
「パワハラ管理職の実態―こうして部下は潰される」に書いた上司がこのタイプです。その支配の構造は↓
・パワハラにおけるダブルバインド(二重拘束)の構造
★ラインを潰す「かんちがい野郎」型上司----------------------
自分のポジションの本質を分かっていない上司のことです。
例えば、あらゆる情報が入ってくる部門の部長がいたとします。そのポジションの本質は、マイナス情報をいかに早く察知し対策を打つかにあります。ところが、その部長が、各課長から情報を受ける際に事細かに情報の裏付けを訊き怒っていれば、課長は確認が取れるまでは情報をあげなくなります。それは、部長の行為が「確認できるまで情報を持ってくることを禁ずる」という禁止令だからですね。結果、情報が遅くなって手遅れになることだってあるわけです。
この部長のポジションであれば、各部門がパートパートの情報を持ってきても、その総体で全容をつかめる位置にあるわけですから、何より大切なことは「情報の鮮度」です。「曖昧なものは曖昧なままに伝えなさい」「なぜ、その情報を持ってきたのかその思いを言いなさい」と言っておけばいいことです。
このように自分のポジションの本質を理解すれば、自ずと対応が異なってきますが、それがわからないままにポジションに居座っている「かんちがい野郎」が多いような気がします。
結果、その肝心要のたった一人のために、全ラインが機能しなくなるわけですから組織の任命責任は大と言わざるを得ません。
★“指示待ち人間”を作る「お膳立て」型上司-------------------
教育という名を借りて自己保身している上司のことです。
部下の企画文書に必ず赤ペンチェックを入れる上司がいたとします。上司は部下の教育のためという大義名分で自他をごまかしますが、毎回必ずチェックが入り、修正させられるとどうなるでしょうか。
部下もバカではありませんから、次は修正点に気をつけます。が、やはり何か指摘され、それが続くうちに矛盾が出てきますので、「その時々で言うことが違う」事に気づきます。
結局、必ずチェックが入って修正されると言うことは、
「自分の判断で行動してはならない」
「私の指示通りに動かなければならない(でなければ罰する)」
という第1次禁止令であり、
その時々で言うことが違うことは、何を言っても無駄なわけですから
「異議申し立てをしてはいけない」
という第2次禁止令なのです。
こなると、どうせ上司のチェックが入ってその通りにせざるをえない操り人形となるしかないわけですから、自主性もやる気も失われるだけではなく、自らは何もしない「指示待ち人間」ができあがるわけです。
さらにチェックされる際に怒られれば、「ミスをしてはいけない」という強烈な禁止令が来ることになります。
結果、ミスを恐怖し、言われたことをただ言われたとおりにやるロボットができあがるわけです。
わが子に失敗させたくない、と教育熱心な「お膳立て」型の親が、子どもから生きる力を奪っていくのと同じです。
★無責任に押しつける「お公家さん」 型上司 -------------------
「自己裁量」と「経営判断」の区別がつかない上司です。
あれもこれもなんでもかんでも部下を使ってうまくやれ、と課長に迫ってきます。それがあんたの評価につながるよ、と脅しも交えます。それを唯々諾々と受けてしまえばオーバーワークで部下が苦しむだけ(昨今の30代の自殺が多いのは、課長が防波堤になり得ていないことにも一因があるでしょう)。
上に判断能力がなければないほど、個人の責任(レスポンシビリティ)ばかりを問い、組織の責任(アカウンタビリティ)を問いません。これでは、組織は鍛えられず「選択と集中」のできない会社になり、その先は衰亡の道です。中間管理職は、部下を育て、かつ経営を鍛えるために時に上に歯向かわなければいけません。
『管理職だから我侭を言うな』って? 馬鹿を言っちゃあいけない。
そういうことをいつまでも言って個人に甘えているから、経営が鍛えられないんだ。管理職は会社の奴隷になっちゃあダメだ。それは、会社を弱めることになるからだ。
言うべき言葉は、『管理職だからこそ、無責任に引き受けるな!』だ。
【「あきらめの壁をぶち破った人々」より】
http://www.jiritusien.com/sosikikaikaku/tyosaku1/study-09.htm
★甚大な被害を出す「不作為の罪」型上司 -------------------
部下や仕事にコミットしない上司です。
このような上司の下では、下記のような部下が現れます。
①過剰適応型
上司がダメならと背負ってしまう欝・過労死予備軍です。
②割れ鍋に綴じ蓋型
上司が見ていないのをいいことにスタンドプレーで市場を乱します。
③環境適応型
上司が責任持たないなら適当にという処世術的対応です。
④面従腹背型
上司を実質無視。自分のことに注力します。
⑤クーデター型
自分が実権を握るために画策します。
このように、上司がコミットしなければ部下は四分五裂するわけです。
それだけではなく、甚大な犠牲を出すことさえあるのです(↓)。
(例)
・薬害エイズ事件
・長岡京・3歳男児餓死事件~公的機関によるネグレクト
・JR福知山線脱線事故の深層-第1部 事故の構造的要因 (4)役所の不作為の罪
・三菱自欠陥隠し問題から学べ
いずれも、どんな組織でも家庭でも見られますね。
いずれも、自律できていない大きな子どもたちです。
大人になれない大人達がポジションを得ると言うことは、これだけの甚大な被害を個人にも組織にも与えるのです。特にそれがトップである場合、その影響力、破壊力ははかりしれません。トップを選ぶと言うことがどれほど大切かが分かると思います。
特に一国の総理の選択を間違えると、どれほど社会が破壊されるのかを、今日本人は身をもって体験していますね。
・破壊者には破壊しかできない
私たち一人ひとりが、人を見抜く目を持たなければなりません。
そして、いかに自律した人間を育てることが大切か、ということ。
知能偏重の今の偏差値教育は地に落ちています。
・教育大国ジパンでの生涯
子ども時代に、自然や人とノビノビと存分に接すること。心も身体も“思いっきり体験”をすること。それらが、人としてのしっかりした礎を作ります。
それらのことをさせずに、幼稚園時代から能力偏重集団主義に邁進する大人達―ゾッとします。自分たちがやっていることが、どんなに怖いことかを認識してほしいものです。頭だけよくて心なき人間達が何をしたのか…身近な例ではサリン事件を思い出せばすぐにわかることです。
人に大切なのは、「心」です。
十分に抱きしめ、気持ちを聴いて育ててください。
されば、上記のようなハラッサー達はこの世に現れません。
【参考1】 パワハラうつ地獄からの復活物語
パワハラ被害者がどうなるのかについて、是非お読み下さい。それが精神的殺人ともいうべき犯罪であることがわかると思います。
【参考2】 あきらめの壁をぶち破った人々(日本経済新聞社)
私の実体験を元にした小説「あきらめの壁をぶち破った人々」には、次のような人物が出てきます。
<上司>
①思いつき突進型 竹下部長(52歳)
アイディアマンだが熱しやすく冷めやすい
②お神輿型 柳田部長(53歳)
良きに計らえ。のらりくらりと行動せず
③軍隊型 岩山次長(57歳)
俺に従え。逸脱許さず一糸乱れぬ統率美学
④団塊型 江藤次長(49歳)
先輩後輩仲間の世界。よくも悪しくも分を知る
⑤プレイングマネージャ型 富樫課長(44歳)
自己中。部下は手足。成果を上げることが使命
⑥チェンジリーダー型 島津課長(39歳)
個人&組織に課題を気づかせるファシリテーター
<プロジェクトメンバー>
①課題設定型 神山課長(44歳:本質的問題に切り込む)
②与件遂行型 荒井課長(44歳:与えられた課題を効率的にこなす)
③現実調整型 浜崎課長(44歳:今ある現実からどう生み出すかをコーディネート)
<部下>
①クーデター型 関 (混乱につけ入る、部門最適で動く)
②日和見型 寺西(混乱に飲み込まれる)
③サイレントマジョリティ型 坂東(混乱を打開したい気持ちはあるが…)
<役割モデル>
①チェンジリーダー 島津(EQリーダー。行動するカウンセラー)
②コンサルタント 一橋(コミットするコンサル)
③ITコーディネータ 緒方(業務とITの言葉の両方を理解し最適解を提供)
上記上司の中の
①思いつき突進型は「自己中型」、
②お神輿型は「お公家さん型」+「不作為の罪型」、
③軍隊型は「恐怖支配型」+「ダブルバインド型」と言えるでしょう。
主人公は、組織改革を遂行していく中で、この強烈な個性を持つ3名に翻弄されるわけです。
中でも、「恐怖支配型」+「ダブルバインド型」の両方を併せ持つ最凶の軍隊型上司は、お神輿型上司を手玉に取り、思いつき突進型上司を蹴散らして、主人公に全力で迫ってきます。精神的にもギリギリの状態にまで追い詰められた主人公は、どのようにそこを切り抜けていくのでしょうか。実体験ですので参考になると思います。鬱病になる前に是非お読みください。
また、その他の登場人物も、どの会社にも見られる人々ばかりです。それらの人々との対応についても参考になると思います。是非「あきらめの壁をぶち破った人々」をお読みください。
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職場のパワハラ上司8タイプ (事例を見て敵を知ろう!) いやー、わかりやすいブログを見つけました。書かれたのはずいぶん前のようですが非常にわかりやすいです。私の上司はこの中で言うと4)部下をロボットにする「ダブルバインド」型上司6)"指示待ち人... ...