カウンセリング申し込み要領(中尾相談室)
2001/01/01(Mon) Category : 相談依頼
当相談室にご相談を依頼される方は、次の各項をよくお読みいただいた上でご依頼下さい。
1,中尾相談室受付対象者
2,カウンセリングの進め方
3,カウンセリング料金
4,時間とお金について
5,相談申し込み記載事項
6,補足事項
★中尾相談室受付対象者---------------------------------------------
自分のことを自分で救う、もう自分から逃げ続けない、と決意された方を誠意を持ってお手伝いさせていただきます。
なお、次の方は当相談室は不向きです。
1、自分以外の誰か(親、兄弟、親族など)を変えたいと思われている方
-「人は自分の鏡」です。
その鏡はいろいろな個性を持っています。遊園地の鏡のように、本人よりも太って見せたりやせて見せたり、小さく見せたり大きく見せたり、凸に見せたり凹に見せたり、歪んで見せたり逆さまにして見せたり・・・。
歪んで見える=自分の行動に対して歪んだ反射(反応)が返ってくるということですが、それがイヤだからといって鏡のゆがみを直すことはできません。遊園地の鏡はそこにありますが、その前に立ち続ける人はいないように、自分の姿を歪んで映し続ける鏡の前からは、人は立ち去るだけです。
その歪んだ鏡が親であれば立ち去りがたいので、鏡(親)を変えたい思いになるのもわかります。けれどそれは、鏡(親)のある遊園地(ハラスメント界)に居続けることを選択していることになりますので自律には向かいません。(なお、どの地平で生きるのかという選択はその人の自由意志ですので、そこにカウンセラーが関わることもありません)
人を変えることはできません。変えられるのは自分だけです。
その変わった自分(鏡)を見て、変わる人も出てくるでしょう。けれど、変わるか変わらないかはその人の選択に任されているのです。
2、自分以外の誰か(親、兄弟、親族など)を救いたいと思われている方
-「救いたいと思っている人自身が最も救われたいんだなぁ」ということを実感して参りました。救われていない人を見て、その人を救いたいという衝動(IC)に突き動かされるのは、救われていない自分(IC:インナーチャイルド)がいるからです。
ですから、人を救いたいと思っている間は救われたいと思っている人を引き寄せますが、そこにできるのは共依存関係であり、自律には向かいません。また、このように自己投影による代償行為(ゲーム)を繰り返しても自分は救われず、ハラスメント界をさまようことになります。
上記2点とも、自分以外の人に意識が向いていますね。ということは、自分に意識が向いていないということですので、自分に意識を向け、自分(IC)を救おうとするカウンセリングがイヤになったり、見込み違いと途中で頓挫することになります。
3、自分が誰かに救われたい、どうしていいかわからないから助けてほしいと“強く”思われている方
-「助けてほしい」と言っていいのです。ただ、「自分で自分を救う」という決意と覚悟がなければ、相手に依存してしまいます。相手に依存すると、救われたいがために相手を盲信して信者のようになるか、自分の思うようにいかなければ相手を非難します。盲信や非難は、いずれも相手を道具にする結果出てくる感情です。依存とは相手を道具にすることなのです。
特に、「相手は○○のプロなのだから」「こちらはお金を払っているのだから」という意識が常日頃ある人は、「自分で自分を救う」意志を放棄しています。そのように自分から逃げ続けている自分に対してICは怒っているのですが、その怒りや不満を相手や他者にぶつけます。このようなゲームに迷い込んでいくだけですので、人対人としての基本的信頼関係が形成されません。
4、とにかく苦しいので早く楽になりたいと思っている方
-カウンセリングを受ければラクになれると思われていると、カウンセラーを恨みたくなります。というのも、もっと苦しくなるからです。
ICが「心のコップ」にパンパンに張り詰めて爆発寸前になっているのをIPと人生脚本が強力に押さえつけているので、その爆発と抑圧のせめぎ合いで苦しいのですが、そこでカウンセリングに入るとICが力を得て出てこようとします。それに対してIPが反撃を加えるだけではなく、人生脚本が猛烈に反発します。自分の中で二人のチャイルドが真っ二つに分かれて闘うことになり、自分が二つに裂かれたような苦しみを味わうことになります。
このとき、“自分”がどの位置に立つのかが重要になるのですが、“自分”は存在不安を感じることが怖いので、無意識に不安(感情)に蓋をしようとします。それは感情全体に蓋をすると言うことですから、ICの力は弱まって人生脚本が盛り返すということになります。盛り返した人生脚本は、“自分”が深く気づく前に“自分”を殺そうとするか(自殺衝動)、カウンセラー自体を排除するか攻撃しようとします。これに記憶をすり替えたりするIPが荷担しますので混乱に陥ります。
自分の内部でもこれだけの闘いが巻き起こる上に、周囲の方が猛ブレーキをかけるでしょう。場合によっては、周囲の方がカウンセラーに攻撃を仕掛けてくることもあるわけです。
その危機をどう乗り切るかは、一に相談者の方自身の「意志」にかかっています。あなたの中には、上記のように個性豊かなクルーが乗っています。それぞれが力を持っていますので、船長であるあなた自身が行く先をハッキリと示さなければ、あなたという船はどれかのクルーに乗っ取られて人生という大海原をさまようことになります。
自分がどうなりたいのか、どのゴールを目指すのか、はっきりとした意志を持たなければ長丁場で苦しいマラソンのスタートを切ることはできません。(気持ちの変化、習慣の変化は年単位です。“早く”と思われても、3年-5年-7年-9年とかかります)
カウンセラーは、自律というゴールに向かってともに走る伴走者に過ぎません。走る苦しみは本人が感じ続けるしかありません。途中で本人がコースを外れて迷走したら、カウンセラーはただその迷走を見守るのみです。迷走に一緒について行くことはできないのです。
そのような方にまずお勧めしたいのは、楽しいことをやり、嫌なことはイヤと言う生活です。そのように「気持ちを言動に表す」ことで“自分”とICとの信頼関係ができてきます。心の内にわいてきた気持ちを独り言でもいいので、どんどん口に出してください。カラオケボックスなどを利用されると遠慮無く大声も出せるのでいいかもしれません。自分を誰かに丸投げする前に、自分(IC)との信頼を作る努力をしてみてください。
5、自分の構築した世界観を何としてもわかってほしいと思われている方
-自分のことをわかってほしい・・・誰しもそう思っています。その根底には親にわかってほしいという思いがあります。親が分からず屋であれば、この世の誰かに自分のことを理解してもらいたい。あるいは、親から身を守るために構築した世界観を誰かに知ってほしい-そういう飢えが出てきます。
が、その世界観は鎧であり、その話をすることは代償行為です。代償行為はいくら繰り返しても終わりはきませんし、鎧の話をしても心には入っていけません。
カウンセリングは、自分が構築した世界を壊し、鎧を脱ぎ捨てていくプロセスですから、このような方は、自分の世界が崩壊する恐怖に耐えることができません。
6、親のことはもういい、次に進みたいと思われている方
―これは、小さい頃から自覚的に親と闘ってこられた方に共通してみられる傾向です。その方々は苦しまれてもおり、それをバネとした向上心も強く、学ばれる過程で自分とも向き合っており、その生きてきたプロセスにプライドを持っています。そして、もう母親に振り回されるのはいいから“次”に行きたいと思っています。
その方々は、自分なりに納得できるストーリーを苦労して創り上げていますので、そのストーリーを壊してしまうような新たな“感情”に気づくことを避けようとします。それが、封印されている自分の感情であれ親の感情であれ、気づかなかった感情を知ることがストーリーの崩壊に直結するからです。これまでさんざん苦労して築き上げてきたストーリーが崩壊するなんて耐えられません。これまで自分と向き合い続けてきたプライドが許しません。だから、もう振り返りたくありません。
中には、親に言いたいことは言い尽くしてきたからもうない、と思われている方もいらっしゃいます。けれど、そのほとんどはハラッサーに餌を与えているだけで、本当のIC(小さいちゃん)は置き去りにされていました。けれど、親とのバトルをさんざん繰り返した挙げ句、今更、もう一度そのドロドロした感情と向き合うことが嫌なのです。
結局、いずれの場合も、親を避けることによって親を温存することになります。なぜそうするかといえば、お母さんという地盤の上に自分のすべてが構築されているからです。それが例えどのような地盤であっても、その地盤が揺らぐのは困ることなのです。
そのため、不思議に思われるかもしれませんが、冷酷で鉄面皮な母親には徹底的に冷血であってほしいし、弱々しく頼りない母親には最後までダメな母親であってほしいのです。その“前提”が崩れることは、自分が苦労して創り上げてきたこれまでの半生のストーリーが崩壊すると言うこと―それに耐えられないんですね。
脳内親はすべて“思い込み”で作られています。その上に自分の人生が構築されていくわけですから、脳内親(地盤)は絶対的でなければなりません。この地盤の上に立ち続けると言うことは、母親という胎内に居続けることを示しています。意識は母親から卒業したと自分をごまかし続けながら、やがて母親に同化していくことになります。
この母親という基盤(胎内)から出るためには、母親を絶対的存在(神)から相対的存在(人)として認識し直すこと。それは同時に、母親を絶対的基盤としたストーリーから自分を解放すること(=これまでのストーリーが崩壊すること)―それこそが“自律”なのです。
7、問題を解決するための「手順」や「ノウハウ」を教えてほしい、「やるべきこと」や「指示」がほしいと思う方
-カウンセリングはコンサルテーションではありません(「How to Be」にフォーカスするのがカウンセリングで、「How to Do」にフォーカスするのがコンサルテーションといってもよいでしょうか)。効率やコストパフォーマンス(対費用効果)、成果や結果という言葉を重視される方はコンサルタントをお訪ねください。
また、その問題は本人の発達課題としてそこにあります。それを奪うことはその人の成長のチャンスを奪うことになりますので、できません。その人が自らその問題に立ち向かえるようにサポートするのがカウンセラーの役割です。
【重要】
このような方針を設けている理由が『「第二の誕生」の仕方』を読めばお分かりになると思いますので、是非お読み下さい。そこには、自律に向かう道筋も記されています。
また、私たちには私たちの力量(分)というものがあります。どこかに無理があれば必ず歪みが生じ、それは自律には向かいませんので、私たちの分を超えた相談は承ることができません。
★カウンセリングの進め方-------------------------------------------
1、メールにてご依頼いただいた際、上記のことを確認させていただいておりますので、カウンセリング契約(=合意)に至らないケースもあります。また、私たち二人はそれぞれがカウンセリング業務を行っておりますので、ご依頼に対して打ち合わせをしてご返事するまでに2週間ほどかかる場合もあります。それだけスタートを大事にしているということをご理解ください。
2、基本的には初回面談→次回以降電話カウンセリングやスカイプカウンセリングの形で進めていきます。
面談はご自宅に伺っておりますが、諸事情によりカラオケボックスなどを利用することもあります(自分に集中できる環境、気持ちが出やすい方を選びます)。
なお、海外の方含めてご遠方の方は、初回から電話やスカイプによるカウンセリングを行い、来日されたときなどのタイミングで面談を行うなどしております。
3、メールカウンセリングはしておりません
★詳しくは下記にありますので、必ずお読み下さい。
・訪問カウンセリング
・電話カウンセリング
・スカイプカウンセリング
・メールカウンセリング
・集団カウンセリング
・カウンセリング対象者―依存症関連など
★カウンセリングにより、どのようなプロセスで自律に向かって進んでいくのかについて、下記にまとめてありますので、必ずお読み下さい。(自分の意図に合ったカウンセラーを選ぶことが最も大切です。意図に合わない選択はよい結果につながりませんので、必ずお読み下さい)
・中尾相談室のカウンセリング概要
★カウンセリング料金-----------------------------------------------
1、面談、電話とも1時間×8000円(15分=2000円)です。面談後の電話&スカイプカウンセリングは15分から受け付けています。なお、電話とスカイプが重なることを避けるため、通常スカイプは立ち上げておりません。電話をお受けした際にスカイプに切り替えております。
2、カウンセリング料金以外にかかる費用
・交通宿泊費:面談場所までの往復交通費、宿泊が必要な場合の宿泊費
・ルーム料金:カラオケボックスなどを利用した場合の室料
3、料金のお支払い
カウンセリング後、各担当者の方から料金をメールにてご連絡しますので、その後1週間の間に下記宛にお振込み下さい。(上記2の費用は当日いただきます)
<銀行から振り込む場合>
■銀行名 ゆうちょ銀行
■支店名 〇五八支店(ゼロゴハチ)
■口座 普 1849406
■名義 ナカオヒデシ
<郵貯からの場合>
■ゆうちょ銀行
■記号10510 番号18494061
■名義 ナカオヒデシ
<海外からの場合>
■銀行名 Japan Post Bank
■銀行住所 3-2, Kasumigaseki 1-chome, Chiyoda-Ku, Tokyo 100-8798, Japan
■スイフトコード JPPSJPJ1
■金融機関コード 9900
■店番 058
■口座 10510-18494061
■名義 HIDESHI NAKAO
★時間とお金について
<時間>
一般に、カウンセリングにおいて時間と料金は、自分を大切にする、相手を尊重する、対等な立場となる、依存しない姿勢を保つ、自分に責任を持つ―それらの枠組みとして大事なものです。
当相談室では時間の制限を設けていません。制約のない中で自分と向き合うことで気づきが深まっていきます。
しかし、自分から逃げ続けている場合は、その拡大した時間で自分の内面と向き合うことをせずに、自分以外の誰かに意識を向け続けます。カウンセラーに対する依存や転移も起きやすくなるわけです。そのリスクを避けるために、多くの相談室では時間や回数の制限を設けているわけですね。
当相談室が受付対象のガイドラインを設けたのは、自分と深く向き合っていただくための時間は確保しつつ、カウンセラーに対する強い依存を避けるためです。それを避けられるのは、唯一本人の「意志」しかありませんので、本人の意志を確認させていただき、合意(契約)に至らなければカウンセリングには入らないことにしました(契約とは、自分に対する約束と言えます)。実際、カウンセリングに入らないケースをまとめたのが上記の受け付け対象者の項目です。
これは、私が未熟であった時代の痛い体験からきています。
かつての私は、ご本人の意志をきちんと確認することを怠っていたことに気がつきました。また、相手の方が楽になるのであればという思いで夜も休日も電話を受けたり、毎日のように一方的に送ってくるメールも受け続けたりしたこともありました。が、それが間違いだとわかりました。それらのケースは自律に向かわなかったからです。
また、多くの相談依頼の方を順番待ちさせているという「負い目」を抱えていた時代に、深い傷を負ったことがありました。自分はカウンセラーであるという「立場」に縛られて自らが傷ついていることにさえ気づかず、あるとき「殺意」さえ芽生えていることに気づいたときに立ち去るしかありませんでした。
深い傷を負った体験でしたが、私の未熟さが招いたものであったことを痛感し、殺意は去りました。そして、使命、役割、立場などに縛られず、背負わず、ただの人間として人と向き合うこと。常に自分の気持ちに気づいていること-その大切さを学びました。
<お金>
カウンセリングの時間は、第一に相談者の方が自分と向き合う貴重な時間です。第二に、カウンセラーおよび相談者が共有しあう大切な人生の時間(命)です。第三に、その時間に伴う料金でカウンセラーは生活しております。それは、ごまかしようのない時間であり料金です。いずれかに不誠実があれば、その時点で関係性は失われる真摯な時間なのです。
カウンセリング料金は、その共有した時間に対して支払われるものです。つまり、それはカウンセラーに対する支払いというだけではなく、その時間を過ごした自分に対する誠意でもあるわけです。
また、時間という制約を取り払った当相談室においては、カウンセリング料金を支払うという行為は、自律に向かう大切な枠組みなのです。
これまでの体験でいえば、お金をきちんと払っていない方は自律に向かっていません(中には全く支払っていない人もいます)。
お金がなければカウンセリングも受けられないのか、という方もいらっしゃると思いますが、そういう方はその収入でこちらの生活が成り立っているということを無視されています。また、1回のカウンセリング料金を長期の分割で完済された方もいらっしゃいます。その間、コミュニケーションはなくても、こちらもじっと見守っています。
今は、原則として分割は受け付けておりません。これも、未熟な時代の体験からです。かつては徹底して「気持ち」にフォーカスしましたので、「気持ち」が電話をかけたいと思ったときにはいつでもどうぞ、という姿勢であり、月末にまとめてご請求するという形でした。すると、依存が強まる事例が出てきたのです。
何事にもバランスというものがありますが、料金がかさんでくるとそのバランスが崩れてきます。話を聴いてほしいけれど、お金を払いたくないという気持ちが出てくるのです。それは、カウンセラーの時間を自分のために確保したいけれど、カウンセラーの生活がどうなろうと知ったことではないということですね。
そのような経験から、その都度ご請求するという形に変えました。これは、1回ごとに対等な立場で完結するということです。その後、継続するかしないかは常に相談者自身の選択にかかっていますので、この方式自体が相談者の方の自律を促す枠組みになると感じています。
★相談申し込み記載事項---------------------------------------------
ご依頼される方は、下記によってお申し込みをお願いいたします。
1,お名前
2,ご年齢
3,ご住所
4,電話番号
5,家族構成
6,ご相談内容
7、ご希望のカウンセラー(中尾英司、中尾真智子)
8、参加した中尾の講演や講座がありましたらお書き下さい
送付先 sodan@@jiritusien.com
(↑@を一つとって下さい)
すべてのご相談に応じられるわけではありません。
私どもの力量に応じて判断させていただきます。
*2018年以降、中尾英司の方は新規受付を再開しておりませんので、眞智子の方へお申し込み願います。
★補足事項---------------------------------------------------------
【中尾相談室の姿勢】
・加害者も被害者も特別な人もいない(2011/04/05)
・すべての人は、自分の意志で人生を決めている(2011/04/06)
【ブログを書かれている方へ】(重要)
・カウンセリング内容の記載はお控えください
1,中尾相談室受付対象者
2,カウンセリングの進め方
3,カウンセリング料金
4,時間とお金について
5,相談申し込み記載事項
6,補足事項
★中尾相談室受付対象者---------------------------------------------
自分のことを自分で救う、もう自分から逃げ続けない、と決意された方を誠意を持ってお手伝いさせていただきます。
なお、次の方は当相談室は不向きです。
1、自分以外の誰か(親、兄弟、親族など)を変えたいと思われている方
-「人は自分の鏡」です。
その鏡はいろいろな個性を持っています。遊園地の鏡のように、本人よりも太って見せたりやせて見せたり、小さく見せたり大きく見せたり、凸に見せたり凹に見せたり、歪んで見せたり逆さまにして見せたり・・・。
歪んで見える=自分の行動に対して歪んだ反射(反応)が返ってくるということですが、それがイヤだからといって鏡のゆがみを直すことはできません。遊園地の鏡はそこにありますが、その前に立ち続ける人はいないように、自分の姿を歪んで映し続ける鏡の前からは、人は立ち去るだけです。
その歪んだ鏡が親であれば立ち去りがたいので、鏡(親)を変えたい思いになるのもわかります。けれどそれは、鏡(親)のある遊園地(ハラスメント界)に居続けることを選択していることになりますので自律には向かいません。(なお、どの地平で生きるのかという選択はその人の自由意志ですので、そこにカウンセラーが関わることもありません)
人を変えることはできません。変えられるのは自分だけです。
その変わった自分(鏡)を見て、変わる人も出てくるでしょう。けれど、変わるか変わらないかはその人の選択に任されているのです。
2、自分以外の誰か(親、兄弟、親族など)を救いたいと思われている方
-「救いたいと思っている人自身が最も救われたいんだなぁ」ということを実感して参りました。救われていない人を見て、その人を救いたいという衝動(IC)に突き動かされるのは、救われていない自分(IC:インナーチャイルド)がいるからです。
ですから、人を救いたいと思っている間は救われたいと思っている人を引き寄せますが、そこにできるのは共依存関係であり、自律には向かいません。また、このように自己投影による代償行為(ゲーム)を繰り返しても自分は救われず、ハラスメント界をさまようことになります。
上記2点とも、自分以外の人に意識が向いていますね。ということは、自分に意識が向いていないということですので、自分に意識を向け、自分(IC)を救おうとするカウンセリングがイヤになったり、見込み違いと途中で頓挫することになります。
3、自分が誰かに救われたい、どうしていいかわからないから助けてほしいと“強く”思われている方
-「助けてほしい」と言っていいのです。ただ、「自分で自分を救う」という決意と覚悟がなければ、相手に依存してしまいます。相手に依存すると、救われたいがために相手を盲信して信者のようになるか、自分の思うようにいかなければ相手を非難します。盲信や非難は、いずれも相手を道具にする結果出てくる感情です。依存とは相手を道具にすることなのです。
特に、「相手は○○のプロなのだから」「こちらはお金を払っているのだから」という意識が常日頃ある人は、「自分で自分を救う」意志を放棄しています。そのように自分から逃げ続けている自分に対してICは怒っているのですが、その怒りや不満を相手や他者にぶつけます。このようなゲームに迷い込んでいくだけですので、人対人としての基本的信頼関係が形成されません。
4、とにかく苦しいので早く楽になりたいと思っている方
-カウンセリングを受ければラクになれると思われていると、カウンセラーを恨みたくなります。というのも、もっと苦しくなるからです。
ICが「心のコップ」にパンパンに張り詰めて爆発寸前になっているのをIPと人生脚本が強力に押さえつけているので、その爆発と抑圧のせめぎ合いで苦しいのですが、そこでカウンセリングに入るとICが力を得て出てこようとします。それに対してIPが反撃を加えるだけではなく、人生脚本が猛烈に反発します。自分の中で二人のチャイルドが真っ二つに分かれて闘うことになり、自分が二つに裂かれたような苦しみを味わうことになります。
このとき、“自分”がどの位置に立つのかが重要になるのですが、“自分”は存在不安を感じることが怖いので、無意識に不安(感情)に蓋をしようとします。それは感情全体に蓋をすると言うことですから、ICの力は弱まって人生脚本が盛り返すということになります。盛り返した人生脚本は、“自分”が深く気づく前に“自分”を殺そうとするか(自殺衝動)、カウンセラー自体を排除するか攻撃しようとします。これに記憶をすり替えたりするIPが荷担しますので混乱に陥ります。
自分の内部でもこれだけの闘いが巻き起こる上に、周囲の方が猛ブレーキをかけるでしょう。場合によっては、周囲の方がカウンセラーに攻撃を仕掛けてくることもあるわけです。
その危機をどう乗り切るかは、一に相談者の方自身の「意志」にかかっています。あなたの中には、上記のように個性豊かなクルーが乗っています。それぞれが力を持っていますので、船長であるあなた自身が行く先をハッキリと示さなければ、あなたという船はどれかのクルーに乗っ取られて人生という大海原をさまようことになります。
自分がどうなりたいのか、どのゴールを目指すのか、はっきりとした意志を持たなければ長丁場で苦しいマラソンのスタートを切ることはできません。(気持ちの変化、習慣の変化は年単位です。“早く”と思われても、3年-5年-7年-9年とかかります)
カウンセラーは、自律というゴールに向かってともに走る伴走者に過ぎません。走る苦しみは本人が感じ続けるしかありません。途中で本人がコースを外れて迷走したら、カウンセラーはただその迷走を見守るのみです。迷走に一緒について行くことはできないのです。
そのような方にまずお勧めしたいのは、楽しいことをやり、嫌なことはイヤと言う生活です。そのように「気持ちを言動に表す」ことで“自分”とICとの信頼関係ができてきます。心の内にわいてきた気持ちを独り言でもいいので、どんどん口に出してください。カラオケボックスなどを利用されると遠慮無く大声も出せるのでいいかもしれません。自分を誰かに丸投げする前に、自分(IC)との信頼を作る努力をしてみてください。
5、自分の構築した世界観を何としてもわかってほしいと思われている方
-自分のことをわかってほしい・・・誰しもそう思っています。その根底には親にわかってほしいという思いがあります。親が分からず屋であれば、この世の誰かに自分のことを理解してもらいたい。あるいは、親から身を守るために構築した世界観を誰かに知ってほしい-そういう飢えが出てきます。
が、その世界観は鎧であり、その話をすることは代償行為です。代償行為はいくら繰り返しても終わりはきませんし、鎧の話をしても心には入っていけません。
カウンセリングは、自分が構築した世界を壊し、鎧を脱ぎ捨てていくプロセスですから、このような方は、自分の世界が崩壊する恐怖に耐えることができません。
6、親のことはもういい、次に進みたいと思われている方
―これは、小さい頃から自覚的に親と闘ってこられた方に共通してみられる傾向です。その方々は苦しまれてもおり、それをバネとした向上心も強く、学ばれる過程で自分とも向き合っており、その生きてきたプロセスにプライドを持っています。そして、もう母親に振り回されるのはいいから“次”に行きたいと思っています。
その方々は、自分なりに納得できるストーリーを苦労して創り上げていますので、そのストーリーを壊してしまうような新たな“感情”に気づくことを避けようとします。それが、封印されている自分の感情であれ親の感情であれ、気づかなかった感情を知ることがストーリーの崩壊に直結するからです。これまでさんざん苦労して築き上げてきたストーリーが崩壊するなんて耐えられません。これまで自分と向き合い続けてきたプライドが許しません。だから、もう振り返りたくありません。
中には、親に言いたいことは言い尽くしてきたからもうない、と思われている方もいらっしゃいます。けれど、そのほとんどはハラッサーに餌を与えているだけで、本当のIC(小さいちゃん)は置き去りにされていました。けれど、親とのバトルをさんざん繰り返した挙げ句、今更、もう一度そのドロドロした感情と向き合うことが嫌なのです。
結局、いずれの場合も、親を避けることによって親を温存することになります。なぜそうするかといえば、お母さんという地盤の上に自分のすべてが構築されているからです。それが例えどのような地盤であっても、その地盤が揺らぐのは困ることなのです。
そのため、不思議に思われるかもしれませんが、冷酷で鉄面皮な母親には徹底的に冷血であってほしいし、弱々しく頼りない母親には最後までダメな母親であってほしいのです。その“前提”が崩れることは、自分が苦労して創り上げてきたこれまでの半生のストーリーが崩壊すると言うこと―それに耐えられないんですね。
脳内親はすべて“思い込み”で作られています。その上に自分の人生が構築されていくわけですから、脳内親(地盤)は絶対的でなければなりません。この地盤の上に立ち続けると言うことは、母親という胎内に居続けることを示しています。意識は母親から卒業したと自分をごまかし続けながら、やがて母親に同化していくことになります。
この母親という基盤(胎内)から出るためには、母親を絶対的存在(神)から相対的存在(人)として認識し直すこと。それは同時に、母親を絶対的基盤としたストーリーから自分を解放すること(=これまでのストーリーが崩壊すること)―それこそが“自律”なのです。
7、問題を解決するための「手順」や「ノウハウ」を教えてほしい、「やるべきこと」や「指示」がほしいと思う方
-カウンセリングはコンサルテーションではありません(「How to Be」にフォーカスするのがカウンセリングで、「How to Do」にフォーカスするのがコンサルテーションといってもよいでしょうか)。効率やコストパフォーマンス(対費用効果)、成果や結果という言葉を重視される方はコンサルタントをお訪ねください。
また、その問題は本人の発達課題としてそこにあります。それを奪うことはその人の成長のチャンスを奪うことになりますので、できません。その人が自らその問題に立ち向かえるようにサポートするのがカウンセラーの役割です。
【重要】
このような方針を設けている理由が『「第二の誕生」の仕方』を読めばお分かりになると思いますので、是非お読み下さい。そこには、自律に向かう道筋も記されています。
また、私たちには私たちの力量(分)というものがあります。どこかに無理があれば必ず歪みが生じ、それは自律には向かいませんので、私たちの分を超えた相談は承ることができません。
★カウンセリングの進め方-------------------------------------------
1、メールにてご依頼いただいた際、上記のことを確認させていただいておりますので、カウンセリング契約(=合意)に至らないケースもあります。また、私たち二人はそれぞれがカウンセリング業務を行っておりますので、ご依頼に対して打ち合わせをしてご返事するまでに2週間ほどかかる場合もあります。それだけスタートを大事にしているということをご理解ください。
2、基本的には初回面談→次回以降電話カウンセリングやスカイプカウンセリングの形で進めていきます。
面談はご自宅に伺っておりますが、諸事情によりカラオケボックスなどを利用することもあります(自分に集中できる環境、気持ちが出やすい方を選びます)。
なお、海外の方含めてご遠方の方は、初回から電話やスカイプによるカウンセリングを行い、来日されたときなどのタイミングで面談を行うなどしております。
3、メールカウンセリングはしておりません
★詳しくは下記にありますので、必ずお読み下さい。
・訪問カウンセリング
・電話カウンセリング
・スカイプカウンセリング
・メールカウンセリング
・集団カウンセリング
・カウンセリング対象者―依存症関連など
★カウンセリングにより、どのようなプロセスで自律に向かって進んでいくのかについて、下記にまとめてありますので、必ずお読み下さい。(自分の意図に合ったカウンセラーを選ぶことが最も大切です。意図に合わない選択はよい結果につながりませんので、必ずお読み下さい)
・中尾相談室のカウンセリング概要
★カウンセリング料金-----------------------------------------------
1、面談、電話とも1時間×8000円(15分=2000円)です。面談後の電話&スカイプカウンセリングは15分から受け付けています。なお、電話とスカイプが重なることを避けるため、通常スカイプは立ち上げておりません。電話をお受けした際にスカイプに切り替えております。
2、カウンセリング料金以外にかかる費用
・交通宿泊費:面談場所までの往復交通費、宿泊が必要な場合の宿泊費
・ルーム料金:カラオケボックスなどを利用した場合の室料
3、料金のお支払い
カウンセリング後、各担当者の方から料金をメールにてご連絡しますので、その後1週間の間に下記宛にお振込み下さい。(上記2の費用は当日いただきます)
<銀行から振り込む場合>
■銀行名 ゆうちょ銀行
■支店名 〇五八支店(ゼロゴハチ)
■口座 普 1849406
■名義 ナカオヒデシ
<郵貯からの場合>
■ゆうちょ銀行
■記号10510 番号18494061
■名義 ナカオヒデシ
<海外からの場合>
■銀行名 Japan Post Bank
■銀行住所 3-2, Kasumigaseki 1-chome, Chiyoda-Ku, Tokyo 100-8798, Japan
■スイフトコード JPPSJPJ1
■金融機関コード 9900
■店番 058
■口座 10510-18494061
■名義 HIDESHI NAKAO
★時間とお金について
<時間>
一般に、カウンセリングにおいて時間と料金は、自分を大切にする、相手を尊重する、対等な立場となる、依存しない姿勢を保つ、自分に責任を持つ―それらの枠組みとして大事なものです。
当相談室では時間の制限を設けていません。制約のない中で自分と向き合うことで気づきが深まっていきます。
しかし、自分から逃げ続けている場合は、その拡大した時間で自分の内面と向き合うことをせずに、自分以外の誰かに意識を向け続けます。カウンセラーに対する依存や転移も起きやすくなるわけです。そのリスクを避けるために、多くの相談室では時間や回数の制限を設けているわけですね。
当相談室が受付対象のガイドラインを設けたのは、自分と深く向き合っていただくための時間は確保しつつ、カウンセラーに対する強い依存を避けるためです。それを避けられるのは、唯一本人の「意志」しかありませんので、本人の意志を確認させていただき、合意(契約)に至らなければカウンセリングには入らないことにしました(契約とは、自分に対する約束と言えます)。実際、カウンセリングに入らないケースをまとめたのが上記の受け付け対象者の項目です。
これは、私が未熟であった時代の痛い体験からきています。
かつての私は、ご本人の意志をきちんと確認することを怠っていたことに気がつきました。また、相手の方が楽になるのであればという思いで夜も休日も電話を受けたり、毎日のように一方的に送ってくるメールも受け続けたりしたこともありました。が、それが間違いだとわかりました。それらのケースは自律に向かわなかったからです。
また、多くの相談依頼の方を順番待ちさせているという「負い目」を抱えていた時代に、深い傷を負ったことがありました。自分はカウンセラーであるという「立場」に縛られて自らが傷ついていることにさえ気づかず、あるとき「殺意」さえ芽生えていることに気づいたときに立ち去るしかありませんでした。
深い傷を負った体験でしたが、私の未熟さが招いたものであったことを痛感し、殺意は去りました。そして、使命、役割、立場などに縛られず、背負わず、ただの人間として人と向き合うこと。常に自分の気持ちに気づいていること-その大切さを学びました。
<お金>
カウンセリングの時間は、第一に相談者の方が自分と向き合う貴重な時間です。第二に、カウンセラーおよび相談者が共有しあう大切な人生の時間(命)です。第三に、その時間に伴う料金でカウンセラーは生活しております。それは、ごまかしようのない時間であり料金です。いずれかに不誠実があれば、その時点で関係性は失われる真摯な時間なのです。
カウンセリング料金は、その共有した時間に対して支払われるものです。つまり、それはカウンセラーに対する支払いというだけではなく、その時間を過ごした自分に対する誠意でもあるわけです。
また、時間という制約を取り払った当相談室においては、カウンセリング料金を支払うという行為は、自律に向かう大切な枠組みなのです。
これまでの体験でいえば、お金をきちんと払っていない方は自律に向かっていません(中には全く支払っていない人もいます)。
お金がなければカウンセリングも受けられないのか、という方もいらっしゃると思いますが、そういう方はその収入でこちらの生活が成り立っているということを無視されています。また、1回のカウンセリング料金を長期の分割で完済された方もいらっしゃいます。その間、コミュニケーションはなくても、こちらもじっと見守っています。
今は、原則として分割は受け付けておりません。これも、未熟な時代の体験からです。かつては徹底して「気持ち」にフォーカスしましたので、「気持ち」が電話をかけたいと思ったときにはいつでもどうぞ、という姿勢であり、月末にまとめてご請求するという形でした。すると、依存が強まる事例が出てきたのです。
何事にもバランスというものがありますが、料金がかさんでくるとそのバランスが崩れてきます。話を聴いてほしいけれど、お金を払いたくないという気持ちが出てくるのです。それは、カウンセラーの時間を自分のために確保したいけれど、カウンセラーの生活がどうなろうと知ったことではないということですね。
そのような経験から、その都度ご請求するという形に変えました。これは、1回ごとに対等な立場で完結するということです。その後、継続するかしないかは常に相談者自身の選択にかかっていますので、この方式自体が相談者の方の自律を促す枠組みになると感じています。
★相談申し込み記載事項---------------------------------------------
ご依頼される方は、下記によってお申し込みをお願いいたします。
1,お名前
2,ご年齢
3,ご住所
4,電話番号
5,家族構成
6,ご相談内容
7、ご希望のカウンセラー(中尾英司、中尾真智子)
8、参加した中尾の講演や講座がありましたらお書き下さい
送付先 sodan@@jiritusien.com
(↑@を一つとって下さい)
すべてのご相談に応じられるわけではありません。
私どもの力量に応じて判断させていただきます。
*2018年以降、中尾英司の方は新規受付を再開しておりませんので、眞智子の方へお申し込み願います。
★補足事項---------------------------------------------------------
【中尾相談室の姿勢】
・加害者も被害者も特別な人もいない(2011/04/05)
・すべての人は、自分の意志で人生を決めている(2011/04/06)
【ブログを書かれている方へ】(重要)
・カウンセリング内容の記載はお控えください
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