家庭の機能、家族の役割
2008/03/30(Sun) Category : 家族心理・子育て講座
【第1回拡大ワークライフバランス研究会講演録-3】
*自由競争という概念が個々人を追い立てて家族までもバラバラにし、夫婦・親子のつながりまで分断していきました。家庭の機能、家族の役割について古来培ってきた文化や知恵は失われてしまいました。機能不全家庭ばかりとなった現代、今改めて学び直さなければなりません。
■家庭は「復活するためのフェニックスの巣」
家庭に必要な機能は2つです。
一つは、子どもの気持ちを聴いて「心のコップ」を空にすること。
もう一つは「放っておく」ことです。
心の重荷を軽くしてあげることと、あるがままの自分を回復すること-家庭とは、「復活するためのフェニックスの巣」なのです。
しかし、現実には、親が一杯一杯で子供の気持ちを聴くどころではなく、むしろ子供を怒りのはけ口にしたり、外よりも厳しい躾が家の中であるためにリラックスできなかったり…今やそういう家庭ばかりです。
以前はアルコール依存症の家庭を機能不全家庭といっていましたが、今や日本全国どこに行っても、どの家族も機能不全なんだと感じます。日本は足元から壊れつつあります。
■「聴く」「抱きしめる」「おんぶ」の重要な意味
これをストロークという概念から見てみましょう。
ストロークとは、「その人の存在を認める働きかけ」のことです。
心理的、肉体的なストロークのそれぞれに肯定と否定のストロークがあります。
「聴く」というのは、最高のストロークです。
なぜなら感情とは自分自身であり、その自分を丸ごと受け止めてくれることが聴くことだからです。
「抱きしめる」というのは、自分の存在を確認してくれるストロークです。
人は抱きしめられて初めて「自分は大事な存在なんだ」と感じ「命の大切さ」を実感できます。命の大切さは、教育や道徳で教えられるものではありません。抱きしめられたことのない人に命の大切さを説いても理解でいなからです。唯一、抱きしめること-それだけが命の大切さを実感させてくれるものです。
「おんぶ」というのは、信頼を培うストロークです。
背中に目はないので、相手を信じなければおんぶできません。
一方、おぶさる方も自分を預けてしまうわけですから信頼できなければできません。
つまり、互いに全幅の信頼がなければできないのがおんぶです。
■「生きる力」や「やる気」はプラスのストロークから
相手の目を見なかったり、叩いたりするのは「マイナス(否定)のストローク」といって相手の存在を否定的に認めるものであり、相手は傷つきます。
さらに、「ディスカウント」というのがあります。
これは「人の数に入れない」ということ。
マイナスのストロークは相手の存在をまだ認めていますが、ディスカウントはもうモノ扱いです。無視したり、殴ったりけったりと言うのは、もはやディスカウントです。
「体罰」や「かわいがり」は、愛の鞭ですか、ディスカウントですか、よく考えましょう。
厳しく鍛えなければ堕落するという間違えた論調が見られることがありますが、「生きる力」や「やる気」はプラスのストロークからしか生まれません。
■自分を認める“存在”を創るほどに人は孤独で生きられない
ここでストロークを食べ物にたとえてみましょう。
プラスのストロークは「心にいい食べ物」、
マイナスのストロークは「心に悪い食べ物」です。
すると、「食べ物がない」状態=ストローク・ゼロという状態があることがわかります。心が飢えてひもじくてしょうがない人ですね。
そういう人は、飢えを満たすために手段を選びません。
倫理も道徳もありません。
生き延びることが全てです。
何でも食べようとします。
たとえば少年A-彼も「ストローク飢餓」でした。
彼は親からストロークを得られない自分を「透明人間」と表現しました。
そして、自分のことを誰も認知してくれない孤独に耐えきれずに自分を認知する存在を自分の中に創り出しました。それが「酒鬼薔薇」です。
■存在飢餓を満たすために「ゲーム」を仕掛ける
また、飢えを満たすためにこちらから仕掛けます。それを「ゲーム」と言います。たとえば、
少年Aは「殺人ゲーム」を、
ホリエモンは「マネーゲーム」を仕掛けました。
2人とも愛情に飢えた者達でした。
そして、自分に向き合わない親の代わりに
Aは「警察」を、
ホリエモンは「検察」を引っ張り出したのです。
【ご参考】
★子育て心理学
●心のコップ
気持ちを大事にする仕方
●抱きしめる
ハグされたい
●聴く
じっくり話を聴く
●ディスカウント
時津風部屋暴行致死事件(2)-モラルの崩壊したDV部屋
●ストローク飢餓
「18歳軟禁女性」と「スーザン」と「少年A」
*自由競争という概念が個々人を追い立てて家族までもバラバラにし、夫婦・親子のつながりまで分断していきました。家庭の機能、家族の役割について古来培ってきた文化や知恵は失われてしまいました。機能不全家庭ばかりとなった現代、今改めて学び直さなければなりません。
■家庭は「復活するためのフェニックスの巣」
家庭に必要な機能は2つです。
一つは、子どもの気持ちを聴いて「心のコップ」を空にすること。
もう一つは「放っておく」ことです。
心の重荷を軽くしてあげることと、あるがままの自分を回復すること-家庭とは、「復活するためのフェニックスの巣」なのです。
しかし、現実には、親が一杯一杯で子供の気持ちを聴くどころではなく、むしろ子供を怒りのはけ口にしたり、外よりも厳しい躾が家の中であるためにリラックスできなかったり…今やそういう家庭ばかりです。
以前はアルコール依存症の家庭を機能不全家庭といっていましたが、今や日本全国どこに行っても、どの家族も機能不全なんだと感じます。日本は足元から壊れつつあります。
■「聴く」「抱きしめる」「おんぶ」の重要な意味
これをストロークという概念から見てみましょう。
ストロークとは、「その人の存在を認める働きかけ」のことです。
心理的、肉体的なストロークのそれぞれに肯定と否定のストロークがあります。
「聴く」というのは、最高のストロークです。
なぜなら感情とは自分自身であり、その自分を丸ごと受け止めてくれることが聴くことだからです。
「抱きしめる」というのは、自分の存在を確認してくれるストロークです。
人は抱きしめられて初めて「自分は大事な存在なんだ」と感じ「命の大切さ」を実感できます。命の大切さは、教育や道徳で教えられるものではありません。抱きしめられたことのない人に命の大切さを説いても理解でいなからです。唯一、抱きしめること-それだけが命の大切さを実感させてくれるものです。
「おんぶ」というのは、信頼を培うストロークです。
背中に目はないので、相手を信じなければおんぶできません。
一方、おぶさる方も自分を預けてしまうわけですから信頼できなければできません。
つまり、互いに全幅の信頼がなければできないのがおんぶです。
■「生きる力」や「やる気」はプラスのストロークから
相手の目を見なかったり、叩いたりするのは「マイナス(否定)のストローク」といって相手の存在を否定的に認めるものであり、相手は傷つきます。
さらに、「ディスカウント」というのがあります。
これは「人の数に入れない」ということ。
マイナスのストロークは相手の存在をまだ認めていますが、ディスカウントはもうモノ扱いです。無視したり、殴ったりけったりと言うのは、もはやディスカウントです。
「体罰」や「かわいがり」は、愛の鞭ですか、ディスカウントですか、よく考えましょう。
厳しく鍛えなければ堕落するという間違えた論調が見られることがありますが、「生きる力」や「やる気」はプラスのストロークからしか生まれません。
■自分を認める“存在”を創るほどに人は孤独で生きられない
ここでストロークを食べ物にたとえてみましょう。
プラスのストロークは「心にいい食べ物」、
マイナスのストロークは「心に悪い食べ物」です。
すると、「食べ物がない」状態=ストローク・ゼロという状態があることがわかります。心が飢えてひもじくてしょうがない人ですね。
そういう人は、飢えを満たすために手段を選びません。
倫理も道徳もありません。
生き延びることが全てです。
何でも食べようとします。
たとえば少年A-彼も「ストローク飢餓」でした。
彼は親からストロークを得られない自分を「透明人間」と表現しました。
そして、自分のことを誰も認知してくれない孤独に耐えきれずに自分を認知する存在を自分の中に創り出しました。それが「酒鬼薔薇」です。
■存在飢餓を満たすために「ゲーム」を仕掛ける
また、飢えを満たすためにこちらから仕掛けます。それを「ゲーム」と言います。たとえば、
少年Aは「殺人ゲーム」を、
ホリエモンは「マネーゲーム」を仕掛けました。
2人とも愛情に飢えた者達でした。
そして、自分に向き合わない親の代わりに
Aは「警察」を、
ホリエモンは「検察」を引っ張り出したのです。
【ご参考】
★子育て心理学
●心のコップ
気持ちを大事にする仕方
●抱きしめる
ハグされたい
●聴く
じっくり話を聴く
●ディスカウント
時津風部屋暴行致死事件(2)-モラルの崩壊したDV部屋
●ストローク飢餓
「18歳軟禁女性」と「スーザン」と「少年A」