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効率至上主義が生んだ背骨なき「怒りの国」

2008/05/22(Thu) Category : 世相・社会
【週間東洋経済「子ども格差」特集「家族を追い詰める国」日本】④

■効率至上主義が生んだ背骨なき「怒りの国」

そもそも「生きる」とは、どういうことだろうか。
充実した時間、哀しみに沈む時間…時間はその時の感情と共に長くなったり短くなったりする。その感情が満足するまで、その時間を費やすことが生きるということだ。

しかし工業化社会は気持ちに合わせて行動することではなく、システムに合わせて行動することを人に要求した。
さらなる効率の追究は、マニュアル通りに口を動かし無駄な動きを省かせ、人をロボットにしようとしている。
また、98年の規制緩和以降、働き方のたがが外れ、今や完全に90度後ろにずれ込んだ。以前の6時が今の9時。
ワークライフバランスという言葉の登場は、生活のためにあるはずの仕事がついに本末転倒したことを示している。


気持ちとは自分そのものである。
だから、親に気持ちを受け止めてもらえなければ存在不安を持つ。
また、自分の気持ちで行動しなければ自分の背骨ができない。
つまり、自律できず何かに依存しようとする。

存在不安を持つ人間は、成績や学歴、地位や人脈、家格や財産など世間的モノサシの中で、常に上下優劣を比較して自分の位置を確認し安心を得ようとする。

また、背骨の代わりに外骨格(世間体、思想、信条、主義、あるべき論、知識等)で自分を固め、それに沿った生き方しかできなくなるため、家族にもその価値観を押しつけていこうとする。

つまり、
効率至上主義の社会システムが背骨なき人間を生み、
その人間達が子を道具にすることでまた背骨のない人間を再生産し
…この連鎖の中で「怒り」が蓄積されていく。

怒りとは、尊厳を傷つけられたときに湧く感情だからだ。
「キレる」という言葉が登場して10年。
「キレる大人」が登場したことは、怒りが日本社会に蔓延したことを示している。




明治期に来日したモースは、貧しい人までも礼節や思いやりを持っていること、そして朝から晩まで子ども達がニコニコしていることに驚嘆した。

それからわずか130年後、
「袖すり合うも多生の縁」だった穏やかな国は、
「袖すり合うもキレるチャンス」とばかりに、
溜め込んだ怒りを所構わずキレて発散する「怒りの国」になってしまった。



「豊かさ」とはなにか?
「生活する」とはどういうことか? そして、
「生きる」とはなにか?

最後に

「幸せ」とはなにか?


…問題を起こす子ども達は、大人に生き方がどこかおかしいよと体を張って訴えている。




【なかお・ひでし●1958年生まれ。化学会社で人事全般を担当した後、独立。現在、「中尾相談室」を運営。主者に「あきらめの壁をぶち破った人々』】







「笑顔の国」から「怒りの国」へ

さらば!キレる大人(1)-定年退職後、突然キレだした理由

ワークライフバランス(1)-追いつめられた「life」

ワークライフバランス(5)-背骨のない国

強迫神経症的働きすぎ症候群

21世紀初頭-日本の世相

『週刊東洋経済』の、「先週号の販売店・5週分のバックナンバー販売店」


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ありがとうございます

私も今、両親の無知さに辟易しています。
我が子のために本当にやるべきことはなんなのか。今の時代それを遂行しようと思えば、相当の反骨心が無ければできないのかもしれませんが

「怒り」の増幅の論理にはとても共感しました。他の要素もあるのかとは思いますが、「社会の維持」のために犠牲になるものがある。たくさんある。
でも、今の社会が壊れる時は、それ以上の人の「命」が。
私たちに選べるでしょうか。

 
    
 
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