5つの自分を見分けよう-自分を動かしているのは誰?
マジンガーZ、ガンダム、エヴァンゲリオン…世代によって想像するロボットは違うと思うけれど、自分を操縦席のあるロボットと見なしてみよう。
普通は、自分(ロボット)の操縦席に座っているのは「自分の感情」なのだが、親に介入されている人の操縦桿を握っているのは「親の欲望」だ。
「自分の感情」がこうしたいのに、親がそれはダメと操縦(コントロール)し続け、自分がそれに合わせて行動するということは、「自分の体」を「親の欲望(意図)」で動かしていることになる。
これが長く続けば、やがて「自分の感情」は自分(マスター)を信用しなくなる。感情がどう言っても、言うことを聞いてくれないからだ。言ってもしょうがない、と出てくることさえあきらめ、やがて分厚い岩盤の下に押し込められていく。
一方で、常に親がどう言うだろうかと親の感情を先読みし、怒られないようにと親の様子に敏感なアンテナを立て、親の感情にとらわれて生きるようになると、いつのまにか「親の感情」が自分の中にできてしまう。これを私は、「親が自分の中に棲む」と言っている。
すると、いつの間にか、自分が判断して行動しているつもりが、全て親の意向に基づいた行動になっているようになる。親に自分が乗っ取られてしまうわけだ。自分の感情を岩盤の下に押し込め、自分がないままに動いているため、簡単に乗っ取られてしまうのだ。
このように「自分の感情」と「親の感情(我欲)」が自分の中で闘っているわけだ
が、無防備に生まれてくる赤ちゃんと、生まれたときから無意識のうちにコントロールしようとしている親との間の絶対的な権力格差は、そう簡単に乗り越えられるものではない。
その上、全ての子供は、自分の親に愛されたいと願っている。だから、自ら親の願いを叶えるべく行動する。
こうして、「支配する親」と「愛されたい子供」の組み合わせで、いつしか自分の中に親が棲むようになるのである。
そして、一端親が棲んでしまうと、今度は目の前の「現実の親」と「自分の中に棲む親」との板挟みにあって勝ち目がなくなっていくわけだ。そのうち、自分で決断して行動しているつもりが、全て親の意向に沿った行動をとるようになっている。…怖いね。
ところが、人間は誰しも自分の人生を歩みたいという欲求がある。
私はそれを「健全なる魂」と呼んでいる。
その健全なる魂は、「自分の感情」と「親の感情」との闘いのさらに水面下で、人生を自分の手に取り戻そうと画策している(←つまり、本人は無意識です)。
大ざっぱに言えば、自分の中には次の5つがあって自分を翻弄している。
1,自分の中に棲む親(インナーペアレンツ)→「思考」最上層
2,今の自分の感情 →「感情」
3,抑圧感情の蓄積(インナーチャイルド) →「衝動」
4,存在不安から逃げるための画策 →「無意識」
5,健全なる魂 →「無意識」最下層
1と4で体を動かせ(行動すれ)ば、自分の人生をただの一歩も歩いたことにはならない。
3で行動すれば破壊や破滅に向かう。
1と4がタッグを組んで強烈に自分を支配するから、2が3を受け止めて一体となることが大切。3の負の感情を2が受け止めたくないと仲間割れしていては勝ち目がない。
そして、感情が一つになったら、その感情で行動すること。
これを、「自己一致」という。
されば、気持ちのままに生きることのできる楽な人生が待っている。
*健全なる魂が我が手に人生を取り戻そうとする場合、1~4まで苦しむこともあるが、まぁ、おいおい)
*尚、ここで言っている「5つの自分」とは、いわゆる交流分析で言っているものとは異なります。私の勝手なカテゴリーです。悪しからず。
【2012.09.25追記】
現在は、下記記事にあるとおり、自分を支配し、突き動かすものを7つ挙げています。
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