秋葉原無差別殺傷・加藤智大容疑者の心の闇(1)-1日中繰り返される「一人」のつぶやき
相談者の方からお電話を頂き、私の心にも火がついた。この書き込みの異常性の部分にのみ焦点を当てる報道の仕方に違和感を感じたので、カウンセリングの後、読んでみた。
見ると朝5時前後に起き、眠れない夜に至るまでほぼ1日中自分との対話を続けている。私がこれまで家族カウンセリングを通してみてきた症状が、その全編に現れている。この心の叫びを無駄にしてはいけないと感じた。
そこで、この書き込みを基に加藤智大容疑者の心理状況を見てみたい。尚、以下に書くことが加藤容疑者の真実というわけではもちろんない。あくまで私個人の解釈であることをお断りしておきたい。物事にはいろいろな側面がある。いろいろな方が、それぞれの側面から見られればよいと思う。
尚、「秋葉原通り魔事件のニュースを見て」で書いたとおり、親を心底恨む者も親を心底愛している。インナーチャイルドが親への怒りを吐き出し終わったときに残るのは、親への愛だ。
自分をさんざんな目に遭わせた親を殺したいと思っていても、憎んでいるのは親ではない。親をも巻き込んだ世代間連鎖であり、また社会のあり方なのである。
加害者を責めることができるとすれば、被害者及びそのご遺族の方だけだと思う。くれぐれも、バッシングなど起こらないように切にお願いしたい。
書く理由はただ一つ。犠牲者を増やしたくないからである。
★加藤智大容疑者の心の闇
( 1)1日中繰り返される「一人」のつぶやき
( 2)絶対零度の孤独
( 3)操り人形な毎日
( 4)「I,m not OK.」の人生
( 5)自己概念の循環効果
( 6)憎む対象が世間になる理由
( 7)「彼女」と「不細工」-2つのキーワード
( 8)「時間の構造化」の方法
( 9)転がりはじめた殺意
(10)ストローク飢餓の殺人ゲーム
■1日中繰り返される「一人」のつぶやき
3日
どうせ一人だしネットですら無視されるし いつまでたっても一人 今日はこのまま出かけてみる一人で リコピンにはストレスを抑える効果がどうのこうの トマト、食べようかな一人で 歩くの辛い俺だけ一人 ただいま、と、誰もいない部屋に向かって言ってみる 虚しいだけ 一人の食事ほど虚しいものはない ていうか、一人は虚しい 部屋が広すぎるんだよ一人なら3畳でいいよ 部屋の中に携帯のカチカチ音が虚しく響いてる 一人で寝る寂しさはお前らにはわからないだろうな 現実でも一人ネットでも一人
4日
「無事故で帰ろう。あなたを待ってる人がいる」 安全標語だそうでバカにされてる気分です 待ってる人なんか居ない 俺が死ぬのを待ってる人はたくさんいるけど
一人でランチ 仕事おわり帰ろう一人で バスを待ってられないから電車で帰ろう一人で 相変わらず一人 ひとりぼっち 味方は一人もいない いつまでたってもひとりぼっち 電車きた乗る一人で 一駅だけ降りる一人で 今日も一人寂しく飲もう どうして俺だけ一人なんだろ みんな裏切る結局一人にされる なんで一人なんだろ 一人は嫌 どうせどこにいっても一人だろうけど どうせ一人でやることないんだから、別にいいけど
5日
どうせ一人だよ悪いかよ 一人の虚しさは異常 買い物に行ってこようかな一人で 死ぬまで一人死んでも一人
6日
孤独に楽しく生きれるなんてあり得ない 一人で回転寿司おいしいよ
(5日18:59に「一歩踏み出したら、あとはいくだけ」と書いて以降、行動に移っているため少ない)
…このように、加藤智大容疑者は一日中、自分が一人であることを確認し続けていた。一挙一動、何かをする度にベッタリと張り付いている孤独。経験する全ての出来事が、自分が孤独であることを思い知らせている。
そして、このように書くことで自分を一人の場所に追い込んでいく。書いたり言ったりすることは、自分の目が見、耳が聞いている。自己洗脳していることになる。
なぜ、こんなにも「一人」が突きつけられているのか、その背景には親との関係がある。それは次項。
万人の万人に対する闘争
6月8日の日曜日白昼に起こった東京・秋葉原の通り魔連続殺人事件ですが、以前の私なら、一応政治系と目される自分のブログで、こんな刑事事件をわざわざ話題に取り上げる事はありませんでした。しかし、例の森との一件があってからというもの、今回の事件についても、... ...