加藤智大容疑者の心の闇(6)-憎む対象が世間になる理由
2008/06/12(Thu) Category : 少年犯罪・家族事件簿
【加藤智大容疑者の心の闇】
■憎む対象が世間になる理由
さて、ここで自己概念ができあがる過程を思い出してほしい。
そう、親子の関係性だった。
つまり、前項で文句を言っている相手は本質的には自分の親ということだ。ハラッサーの言葉をよく聞くと、それは親から自分が言われた言葉か、自分が親に言いたい言葉である。
ハラッサーが自分の親への怒りを妻子にぶつけるように、加藤智大容疑者は親に言いたいことを周囲に投影して言っているのである。本当は親なのに、その代償としての対象であるから、対象が特定できないのだ。
『みんな俺を避けてる』-“みんな”と言っているが、自分を嫌って捨てた張本人は親だ。親に捨てられた虚無をみんなにぶつけているのであろう。
『お前らの中で俺の順番がずっと来ないだけなんだよね』-“お前ら”とは両親であろう。そして、兄を捨て弟を選んだ“お前ら”の前で、“俺の順番”がくるはずもない。
『他の人がどんどん割り込むから一生俺の順番が来ないだけなんだよね』-“他の人”とは弟であろう。
『みんな俺を敵視してる 味方は一人もいない』-家族の中に味方がいなかったことを示していると思われる。
『この先も現れない 一生無視される』-両親の価値観が変わらないことを知っているから、“一生無視される”と感じているのである。
『どうせ何をしても「努力不足」って言われる それなら何もしないほうがいい』-誰が「努力不足」と言うのか? 親であろう。その言葉がグルグルと頭の中を回っているのである。そして、なにをやっても厳しい親からは評価されない。やっても最後は親の作品となって自分の身にならない。ならば、『何もしないほうがいい』のだ。
そのことを明確に書いてあるのが、次の言葉だ。
『最初からなにもしない奴なんていない 結果が出ないからなにもしなくなる 結果がでないのに続ける奴はバカ』-親が介入すると言うことは、彼が自分でやった結果についてのフィードバックを得ることができないと言うことである。これでは成長できない。
『いつも悪いのは俺だけ 俺を無視するお前らは一切悪くない』-これも、“お前ら”=親に言いたいことだと思う。親の言うことが「正」なのだ。そもそも生きることに正しいも正しくないもないのだが、親が自分のレールを強烈に押しつけた場合、子はそのレールが「正」だと感じてしまう。
相談者の中にも、親の思い描く人生のシナリオを「神のシナリオ」と呼んだ人がいた。それに反攻すること=悪なのである。こうなると自分の思いで人生を歩くことができなくなってしまう。
『みんなすぐに裏切るもの 裏切ってるんじゃないのか 俺が勝手に勘違いしてるだけか 悪いのは全部俺だもんね』-頑張りに頑張ったのに簡単に捨てられた。
裏切ったのは親である。最も信頼できるはずの人間関係で裏切られた。これでは、人間自体を信用できなくなってしまう。しかし、人間を信用できなくなれば生きてはいけない。だから、『俺が勝手に勘違いしてるだけか』になるのである。
そして、加藤智大容疑者は5日に次のように書き込むのである。
『「誰でもよかった」 なんかわかる気がする』
・誰でもいいから殺したいは親への殺意の裏返し
・「死ね」「殺す」と子に言われる親御さんへ
■憎む対象が世間になる理由
さて、ここで自己概念ができあがる過程を思い出してほしい。
そう、親子の関係性だった。
つまり、前項で文句を言っている相手は本質的には自分の親ということだ。ハラッサーの言葉をよく聞くと、それは親から自分が言われた言葉か、自分が親に言いたい言葉である。
ハラッサーが自分の親への怒りを妻子にぶつけるように、加藤智大容疑者は親に言いたいことを周囲に投影して言っているのである。本当は親なのに、その代償としての対象であるから、対象が特定できないのだ。
『みんな俺を避けてる』-“みんな”と言っているが、自分を嫌って捨てた張本人は親だ。親に捨てられた虚無をみんなにぶつけているのであろう。
『お前らの中で俺の順番がずっと来ないだけなんだよね』-“お前ら”とは両親であろう。そして、兄を捨て弟を選んだ“お前ら”の前で、“俺の順番”がくるはずもない。
『他の人がどんどん割り込むから一生俺の順番が来ないだけなんだよね』-“他の人”とは弟であろう。
『みんな俺を敵視してる 味方は一人もいない』-家族の中に味方がいなかったことを示していると思われる。
『この先も現れない 一生無視される』-両親の価値観が変わらないことを知っているから、“一生無視される”と感じているのである。
『どうせ何をしても「努力不足」って言われる それなら何もしないほうがいい』-誰が「努力不足」と言うのか? 親であろう。その言葉がグルグルと頭の中を回っているのである。そして、なにをやっても厳しい親からは評価されない。やっても最後は親の作品となって自分の身にならない。ならば、『何もしないほうがいい』のだ。
そのことを明確に書いてあるのが、次の言葉だ。
『最初からなにもしない奴なんていない 結果が出ないからなにもしなくなる 結果がでないのに続ける奴はバカ』-親が介入すると言うことは、彼が自分でやった結果についてのフィードバックを得ることができないと言うことである。これでは成長できない。
『いつも悪いのは俺だけ 俺を無視するお前らは一切悪くない』-これも、“お前ら”=親に言いたいことだと思う。親の言うことが「正」なのだ。そもそも生きることに正しいも正しくないもないのだが、親が自分のレールを強烈に押しつけた場合、子はそのレールが「正」だと感じてしまう。
相談者の中にも、親の思い描く人生のシナリオを「神のシナリオ」と呼んだ人がいた。それに反攻すること=悪なのである。こうなると自分の思いで人生を歩くことができなくなってしまう。
『みんなすぐに裏切るもの 裏切ってるんじゃないのか 俺が勝手に勘違いしてるだけか 悪いのは全部俺だもんね』-頑張りに頑張ったのに簡単に捨てられた。
裏切ったのは親である。最も信頼できるはずの人間関係で裏切られた。これでは、人間自体を信用できなくなってしまう。しかし、人間を信用できなくなれば生きてはいけない。だから、『俺が勝手に勘違いしてるだけか』になるのである。
そして、加藤智大容疑者は5日に次のように書き込むのである。
『「誰でもよかった」 なんかわかる気がする』
・誰でもいいから殺したいは親への殺意の裏返し
・「死ね」「殺す」と子に言われる親御さんへ