隙間をかかえた普通の人々
2008/07/21(Mon) Category : 世相・社会
【広島市PTA協議会主催役員研修会(3)】
懇親会の席上、「昭和39年(1964)生まれ以降の親がちょっと変」という話が出た。昭和39年と言えば、東京オリンピックがあって時代が飛躍的に変化した年である。現在44歳以下―バブル世代のちょい前から、30代氷河期世代へと続く世代だ。
一方で、秋葉原事件をきっかけにマスコミで酒鬼薔薇世代などと呼ばれ、その家族の問題が注目された結果、50代の親がおかしいとも言われている。
では、60代団塊の世代などは? ご存じの通り(? ^^;)、やはりおかしい。
では、どこからどこまでおかしいの?……
世代間連鎖を見ていると、まぁ様々なご家族があるのだが、ごくごく大括りにすると次のようになる。(Wikipediaの「世代」に記載されていることとほぼ合致する)
祖父母 親 子
①80代―50代―20代
②70代―40代―10代
③60代―30代― 0代
このうち、60代前半の団塊世代より上は昭和一桁及び戦中生まれ世代であり、戦争の影響を受けている世代である。
警察庁「犯罪統計書」によれば、10代による殺人事件が少年人口(10~19歳)10万人当りの比率にして2.0を超えて突出するのは昭和23年~36年の間―つまり、昭和4年~26年に生まれた昭和一桁~団塊にいたる世代である。
世相は満州事変(S6)~太平洋戦争(S16)~池田通産相の「中小企業の倒産、自殺もやむをえない」発言(S27)~安保闘争(S35)にいたるまで、一貫して殺伐とした時代に生まれ育ったと言えるだろう。
人は生まれてから10年の体験の中で自分の人生脚本を創り上げ、その後世相が変わっても自らの創り上げた脚本に沿って生きていくため、生後10年までの家庭や地域の環境、それらを取り巻く時代環境の影響はとても大きい。
たとえば、国策(S16)として「産めよ増やせよ」で生まれた人達は、国の道具となるべく死に向かって生まれてきた人々である。生まれながらに苛酷な運命を背負ってきている。
人を道具として扱うことをディスカウントと言い、ディスカウントされると人は怒りを溜め込んでいくが、人をディスカウントする時代に育った世代に殺人事件が多いのは頷けることである。
さて、自分の親を第一世代、自分を第二世代、自分の子どもを第三世代と見ると、第一世代は何らかの形でディスカウントされてきた世代であるから、第二、第三世代に影響がない方がおかしい。つまりは、今日本に住んでいる家族は全て戦争の影響を何らかの形で受けていることになる(ごく大括りで言えばね)。
たとえば、50代がどのような連鎖と時代環境の中で育ち、どのように価値を模索し、それが20代にどう影響しているのかを書いたものが、「リベラルタイム」9月号(8/3発売)に掲載される。是非、読んでみてほしい。20代と50代がともにネットカフェ難民の双璧であることのヒントが分かると思う。
実際、その三世代にわたる連鎖の問題を個々別々に解決しているのが私の仕事と言うことになる。
懇親会で聴いた40代の親たちご自身の身の上が、既に厳しい。
私の相談者の方々からお伺いする30代、40代の親たちの身の上もまた厳しい。
二次会で行った店の30代、20代の身の上もまた厳しい。
そして追い詰められているのは小学生や10代の子供たちだ…
いろいろなところで身の上話を聞く度に、全ての世代が追い詰められていることを感じる。
皆、心に隙間を抱えつつ、それを見ないようにしつつ、懸命に生きている。
いつの間に、
日本は、
こんなにも心が空洞化した
抜け殻のような社会になってしまったのか……
<続く>
20代の心の病~戦争後遺症という視点
縮こまらないで20代
懇親会の席上、「昭和39年(1964)生まれ以降の親がちょっと変」という話が出た。昭和39年と言えば、東京オリンピックがあって時代が飛躍的に変化した年である。現在44歳以下―バブル世代のちょい前から、30代氷河期世代へと続く世代だ。
一方で、秋葉原事件をきっかけにマスコミで酒鬼薔薇世代などと呼ばれ、その家族の問題が注目された結果、50代の親がおかしいとも言われている。
では、60代団塊の世代などは? ご存じの通り(? ^^;)、やはりおかしい。
では、どこからどこまでおかしいの?……
世代間連鎖を見ていると、まぁ様々なご家族があるのだが、ごくごく大括りにすると次のようになる。(Wikipediaの「世代」に記載されていることとほぼ合致する)
祖父母 親 子
①80代―50代―20代
②70代―40代―10代
③60代―30代― 0代
このうち、60代前半の団塊世代より上は昭和一桁及び戦中生まれ世代であり、戦争の影響を受けている世代である。
警察庁「犯罪統計書」によれば、10代による殺人事件が少年人口(10~19歳)10万人当りの比率にして2.0を超えて突出するのは昭和23年~36年の間―つまり、昭和4年~26年に生まれた昭和一桁~団塊にいたる世代である。
世相は満州事変(S6)~太平洋戦争(S16)~池田通産相の「中小企業の倒産、自殺もやむをえない」発言(S27)~安保闘争(S35)にいたるまで、一貫して殺伐とした時代に生まれ育ったと言えるだろう。
人は生まれてから10年の体験の中で自分の人生脚本を創り上げ、その後世相が変わっても自らの創り上げた脚本に沿って生きていくため、生後10年までの家庭や地域の環境、それらを取り巻く時代環境の影響はとても大きい。
たとえば、国策(S16)として「産めよ増やせよ」で生まれた人達は、国の道具となるべく死に向かって生まれてきた人々である。生まれながらに苛酷な運命を背負ってきている。
人を道具として扱うことをディスカウントと言い、ディスカウントされると人は怒りを溜め込んでいくが、人をディスカウントする時代に育った世代に殺人事件が多いのは頷けることである。
さて、自分の親を第一世代、自分を第二世代、自分の子どもを第三世代と見ると、第一世代は何らかの形でディスカウントされてきた世代であるから、第二、第三世代に影響がない方がおかしい。つまりは、今日本に住んでいる家族は全て戦争の影響を何らかの形で受けていることになる(ごく大括りで言えばね)。
たとえば、50代がどのような連鎖と時代環境の中で育ち、どのように価値を模索し、それが20代にどう影響しているのかを書いたものが、「リベラルタイム」9月号(8/3発売)に掲載される。是非、読んでみてほしい。20代と50代がともにネットカフェ難民の双璧であることのヒントが分かると思う。
実際、その三世代にわたる連鎖の問題を個々別々に解決しているのが私の仕事と言うことになる。
懇親会で聴いた40代の親たちご自身の身の上が、既に厳しい。
私の相談者の方々からお伺いする30代、40代の親たちの身の上もまた厳しい。
二次会で行った店の30代、20代の身の上もまた厳しい。
そして追い詰められているのは小学生や10代の子供たちだ…
いろいろなところで身の上話を聞く度に、全ての世代が追い詰められていることを感じる。
皆、心に隙間を抱えつつ、それを見ないようにしつつ、懸命に生きている。
いつの間に、
日本は、
こんなにも心が空洞化した
抜け殻のような社会になってしまったのか……
<続く>
20代の心の病~戦争後遺症という視点
縮こまらないで20代