世代間連鎖を断つ
断たなければならない連鎖であるから、いいことではない。その家族風土のどこかに無理があることである。
どこかに無理があれば、必ずどこかに無理があるよ、ということを教えるサインが現れる。それは、人や出来事を通して現れる。
その連鎖が数世代に渡って受け継がれることもある。
受け継がれるということは、変えなければならないことが変わっていないということである。当然、無理があるよということを教えるサインは出続ける。
しかも、この程度で分からないのであれば、もっとわかるようにと、段々サインは大きくなっていく。つまり、悲劇は連続するだけでなく拡大していく。
と書くとナンだと思われる方は、統計学的に「1:29:300の法則」(ハインリッヒの法則)を思い出してもらってもよい。
システム(その人が所属する関係の総体)のどこかに無理があるのに、それを変えようとせず放置していれば、軽災害がヒヤリハットになり、いずれ必ず大事故が起きる。
あるいは、「食物連鎖」を思い浮かべてもらってもよい。
汚染された海で水銀を含んだ餌を食べた小魚が、中型魚に食べられ、その中型魚を大型魚が食べる。こうして食べる量の多い大型魚の中に水銀は蓄積されていく。最後にその大型魚を食べる人間が、最も多くの水銀を摂取することになる。
「不幸の連鎖」も同様。
親よりも子、子よりも孫へと“病理”は濃縮して受け継がれていく。気づいた人が、つらいことだが自分と闘い、その世代で連鎖をストップさせるしかない。しかし、その時、その人は大きく成長する。
同時に、その人の所属する系全体が大きく変化していき大団円を迎える。
私の役割は、
連鎖に気づいてもらうこと、
そして連鎖を断つ闘いに踏み出してもらうこと、
そして、闘い抜けるようエンパワーし、その闘いを見守ることだ。
子どもと同じ。
気持ちを正面から受け止め、
行動を後ろから見守ってあげれば、
驚くほどパワーを発揮し変化していく。
人は受け止められ、見守られることで最大の力を発揮する。
(尚、上記のことは会社という組織についても言えることです)