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見えないからブラックホール

2009/01/11(Sun) Category : 親の諸相
父が敵。
母は好き。

父は身勝手。
母はかわいそうな人。

父は専制君主。独裁者。
母はかしづく人。

父は家では何もしない人。
母は働き者。

父は無骨。
母は社交家でいい人。


…どれほど見てきただろうか…。
ブラックホールは、見えないからこそブラックホールという。



夫婦となるからには、必ず共通土俵がある。
これらの夫婦の場合、「存在不安」という土俵だ。

男性が社会に出、女性が内を守るという現代社会の構造上、
男性は仕事の面で存在不安を解消し、
女性は内側を支配することで解消しようとすることが多い。

男性は自己完結するが、
女性は支配の手を家庭内で伸ばし続ける

もとより親の愛に飢えた二人であるから親にはなれないのだが、家庭内であれこれ動いている母親は、自己完結している父親に比べると親らしく見えてしまうのだ。

さらに、その実ディスカウントされていることの「怒り」がはけ口を求めて、ことさらに父への憎しみをかき立てたりする。その裏でブラックホールが口を開けて笑っていることも知らずに。



自分は愛されて育ったと思いたい
自分は幸せな子ども時代を送ったと思いたい
母親はそんな人ではないと思いたい

母親から本当の愛をもらっていないことを感じている無意識は、母親から愛を得るチャンスを失うことを恐れて、自分を誤魔化し自分を母親につなぎ止め続けようとする。

辻褄が合わないことには目をつぶる。
いつか感じた違和感は気のせいにする。
本性に直面化してしまった事実は記憶から消す。

やがて子どもは心身の病を得るが、その背景に母親がいるとは露も思わない。その内、エネルギーが吸い取られて衰弱していくか、心が乗っ取られていく。

(参考)心の乗っ取られ方 5タイプ




自分一人ならば、どのような道を歩もうといいだろう。
しかし、わが子が苦しんでいるならば、あなたは母親と対決しなければならない。

それは、母親の本性を目をそらさずに見るという、とても辛い対決だ。
未練を断ち切る自分自身との対決だ。

しかし、その対決を乗り越えた暁には、あなたはブラックホールをも包み込む光の存在となるだろう。






…ということを思いつつ、夜中カウンセリングから帰ったら、寝る前の娘が言った。

「パパ、昨日『デスノート』見て泣いてたでしょ」

グッ…いきなり、切り込んで来やがって…。
妻と娘は映画館で見ていたので、後ろでペチャクチャやりながら見ていたが、私はエルの言葉と死に様に密かに泣いていた。

「僕は両親を知らないけど、あなたは父親でした」

泣けた。
親があっても親はブラックホール。
与えるどころか奪っていくばかり。
エルがかぶるのだ…。


もしかして、使命に(自己完結で)生きた父に認めてもらわんがために、父の求めた正義を暴走させてしまったライト。そのライトとの対決のために、ライト以上に「父」と深いストロークの交換をしたエル。

ライトはエルに嫉妬したのではないか。
そして、キラ特捜チームに入り、エルを打ち負かすことによって父に認めてもらおうとしたのではないか。

さらには、エルを信頼する父をも殺して、全世界の人間から認めてもらうことで、得られなかった父からの愛をも乗り越えようとしたのではないか…
もしかすると、ストローク飢餓のライトが仕掛けたゲーム―。


…ともあれ、
「父」に最敬礼して認められて満足して旅立ったエル。
父に認めてもらおうともがき父の腕の中で死んだライト。
この皮肉にもいろいろと思いが湧いていた…。



私が固まっていたのを、娘は後ろから見ていたのね~。


…ともあれ、親から得られなくとも、親への頸木から自己を解放すれば、愛ある人たちと出逢うことはできるのです。















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『デスノート』

続きをもう少し投稿させて下さい。

『デスノート』のLとライトの対極は、人の理性と感情、理想と現実のメタファーにも(私には)感じられて、Lが民主主義ならライトは戦国武将、Lがキング牧師ならとライトはマルコムX、人間も社会もそんな相対する対極の矛盾でできていて、その葛藤や矛盾を生きる生き物が人間で、この世は残酷な事実と同時に愛や信頼も混沌と存在していて、それはまさに自然の姿でもあって、『デスノート』を見終った後の、悲しみと同時になぜか癒される心の安定は、私が中尾さんのブログを拝見した時と同じ気持ちである事にも気づきました。

子は親を肯定する為に、脳を委縮、分裂までさせ、感情を殺してでも親を庇う(守る)。自分は親に愛されているのだと、自分の親は自分を虐待するような人間ではないと、そんな訳絶対ないと、心の奥深く封印してしまう。それは悲しく切ない残酷な現実であり、理不尽であり不条理であり、同時に世界には愛も信頼も存在する。

私は特定の思想は持ちませんが『デスノート』が太極図に感じられた理由は、ミサの存在もあります。

一家惨殺されたミサは犯人が精神疾患だった為無罪、犯人の人権は尊重されましたが、ミサにとっての法は自分を守る善ではなく悪となり、だからミサはライトに希望と救いを感じ命まで差出し崇拝する。それは太極図の中の白の中の黒、つまり正義の中にも悪があり、悪の中にも正義はある、黒の中の白も表していて、正邪善悪を超えた自然の姿のようにも感じられました。

Lとライトを失った父親が夜空の月を見上げ、人間は歩んだ歴史の叡智(法)を大切にしなければならない、とライトに話しかけるラストシーンで、それは父親が自分自身にそう言い聞かせているようでもあり、そのまま私の姿でもありました。『デスノート』の登場人物達はすべて自分の分身でした。そして私はそんな話を本当は両親としたかったのだと改めて気づきました。

昨日今日に続き長文の投稿を読んで頂きありがとうございました。中尾さんの自然(お庭)の写真にいつも癒されています。

ありがとうございました。

 

『デスノート』

『デスノート』私も好きです。色々考えさせられる内容ですね。

Lとライト、二人の名前は同じライト(光)、私には対極図の陰陽のように二人は一人なのではないかと感じられました。太陽の光がLなら、月の光(陰)がライト、そして私の心の中にもLとライトは両方います。

ライトの生き方は、父親が無意識に封印しているもう一人の父親の姿のように私には感じられました。幼いライトは子供心に父親の警察官として抱えている苦悩と限界を敏感に察し、あえて自ら父親が決してできないダークな生き方を請け負ったのではないか、ライトがリンゴをかじった時、父の為に魂を悪魔に売り渡したようにも感じられました。Lもライトも父親の愛を心から欲していたのですね。

ライトの生き方は社会では許されない生き方ですが、私はLもライトもどちらも愛おしかったです。

 

親はブラックホール人間なのでしょうか。
毎日死にたいです。

親は生きていてくれてありがとうとは言ってくれますが、列車飛び込みや殺人などを犯さないでくれてありがとうとも言われます……。私も死にたい、心中したいなども言われます。

迷惑をかけないやり方でなら、死なれても仕方ないという考えのようです。私に死んで欲しくないという強い思いを感じたことがないのです。

私は自分がかけがえのない存在とは感じられません。生きたくないのに生きさせられる醜い雑草のようです。親にもダメな人間だと認められていますし、自分でもそう思います。

 

だいぶ前のエントリにすみません。
http://d.hatena.ne.jp/yuhka-uno/20110915/1316080256
ここから来ました。

こういう微妙な心理的問題の家庭もあるのかもしれません。
こういう指摘をして、それを、職業としてやってらっしゃるわけですよね?
それは、何かの吸い上げにはあたらないんですか?
素朴な疑問です。

 

ごめんなさい。

こういう場所に書くことが初めてでしたので勘違いをしてしまいました。
大変失礼しました。

色々とアドバイスを頂きありがとうございます。

また立ち寄る事があると思います。
そのときはよろしくお願い致します。

 

すみません、追記です(^_^;)

先生の記事を読んだのでしょうか?『親』の意味を理解しましたか?今までずっと親を背負っているのですよ?親が子供の背中から降りて、自律すればいいのです。『親なんていない』は、まさにその通りなのです。言葉ではなく、親が自律して下さい。

『話しを』と書いてありますが、話す必要はありません。聴くだけです。『聴いているつもり』に、なっていると思いますよ。。私には、説得しているようにしか感じません。。『脅迫』とすら感じます。。『傍』と書きましたが、物理的な傍ではありません。。『出て行け』『死にたい』も当然です。。心に『侵入』している証です。。

なかなか理解するのは、難しいかと思いますが。。まずは、あなたの心のコップを空にして下さい。親が自分自身と向き合って、コップに余裕が出来て初めて、子供が救われるのです。だからこそ、自分を救って下さい。気持ちを聴いてもらって下さい。受け止めてもらって下さい。あなたが救うべき対象は、お子さんではなく、あなた自身ですよ!旦那さんも旦那さん自身を!それこそが『愛』ですよ!!

失礼承知で、危機を感じたので、コメントさせていただきました。

 

先生ではありませんよ(^_^)

お子さんが、引きこもりってことですか?コメントから推測すると、旦那さんも気付かないと、危険ですね。。経験からお伝えしたくて、コメントしているのですが。。旦那さんは、支配したいのでしょうね。。壁に穴くらい、皆やっていると思いますよ。物は壊れても大丈夫です。心を優先して下さいね。それから部屋はシェルターですので、勝手に入らないほうがいいかと思います。私は、シェルターにしていたので、他人が入ったり、何かに触れたり、ただ見られるだけでも、ピリピリしていました。シェルター化してしまったのなら、もう部屋は本人自身です。勝手に開けないで下さい。自分の心と同化しています。私はそうでしたよ。友達ですら、入るのに査定と言うか、自分の基準がありました。しかも、歩く位置すらピリピリ。。その友達も、怖かったでしょうね。。実際、シェルター化してから、二人しか許可しませんでした。他の人間が入ったら、キレるか、我慢し過ぎて、一人で荒れていました。だから、入らないで下さい。『親のせい』と言うのも、その通りです。。侵入している事実に、気付かないと危険です。あなたもきっと、侵入していますよ。部屋に鍵は無いのですか?私は襖だったので、つっかい棒になる棒を見つけ、鍵代わりにしていました。それでも、覗くのですがね。。夫婦でカウンセリングを受けるか、このサイトで学ぶことですね。。旦那さんも、存在不安なのですから。。やるしかないですよ。。楽になりましょうよ。。旦那さんも、かわいそうです。。悪いのは誰か、ではないので、責めているわけではないのですが、気付くまでは、責めるしかないのですよね。。自分を守る為に。。たくさんの人が、通った道です。経験者に学んで下さい。正解なんて、道のりなんて、たくさんあるのです。ひとつじゃないですよ。誰もがただ、聴いてほしい、受け止めてほしい、無条件で愛されたい、それだけです。年齢も関係ありません。

 

早々にコメント頂きましてありがとうございます。

確かに基本は先生のおっしゃるとおりのことだと理解してます。
ですが
今までの経緯があり
こうなったのは親のせい
親は信用できない
そんな薄っぺらい言葉信用できない
自分には親はいない
今すぐ死にたい
と その繰り返しです。

部屋に入って話しを・・と思っても
出て行け と・・
下手に興奮させてもいけない と思い 
何か必要があれば声をかけて と
伝えて退室します。

そう言われても
うるさがらても続けていく という事なのでしょうか?

将来の不安も重くのしかかっているようで
今をキチンと生きていけば決して悪い事にはならない と伝えても

他人事だからそう言えると
若いだけに 先が見えないことが
余計不安を煽るようです。

やはりこれは根気強く重ねていくしかない という事なのでしょうか?

親が変わらなければならないという事ですよね。

壁を殴る事を止めようとする主人ですが 
確かに常識ではそうなのでしょう。
でも今はそういう常識で考えないで欲しい 今のあの状態を受け入れて欲しいと話しましたら
オマエとは考えが違うと・・

こういう温度差にも悩まされます。

 

何も言わず、提案せず、ただ寄り添って下さい。ずっと存在している安心感がほしいのです。安心しないと、気持ちは出せません。身近な人間に、心を開けなくなっている状態で、他人からの提案通りに、専門家だとしても、話すことは出来ません。心からの『傍にいるよ』『大丈夫だよ』という気持ちが、凍らせた心を、少しずつ溶かしていきます。今必要なのは、『温かさ』です。暖かくなったらコートを脱ぐように、心には温かさが必要なのです。ゆったりと、愛の言葉だけは伝え、ただ傍に居て下さい。そして、あなたは、カウンセリングで受け止めてもらって下さい。あなたの気持ちを、聴いてもらって下さい。ただ受け止めてもらって下さい。聴く能力のある人を、身近で確保して下さい。あなたの気持ちが、いっぱいいっぱいなのが、伝わってきます。まずは、あなたの気持ちを救ってあげて下さい。

 

正解はあるのでしょうね・・・。

死にたい・・・
死にたいと毎日のように訴えられ
ストレスの発散で壁に穴をあけて
それでも何かを訴えたくて
メールを送ってくる
その内容は 
死にたい だったり
生まれなきゃよかった だったり
何も書いてない空メールだったり・・・

本人が どうにかしなくては と
思っていないようで
カウンセリングを進めても
心療内科に通っても
自分の事を話そうとはしない

どう対処していいのか
どうすることが正解なのか
わからないままに進んでいる毎日です。

そんな時に先生の本やブログに出会いました。

いつか先生と縁があればと思います。

 

私が育った家庭では

両親共に問題がありすぎました。
各々の事情を理解することでしのいできましたが、限界はありますよね。

『デスノート』って、映画でしょうか? 観てみたいと思いました。

>…ともあれ、親から得られなくとも、親への頸木から自己を解放すれば、愛ある人たちと出逢うことはできるのです。

親の非道の代償は、ささやかな心遣いにも敏感に反応してしまうことです。すごく嬉しいのに、固まってしまったり...

先は長そうです(^-^)v

時節柄、どうぞご自愛ください。

 

ああ。

本当に・・・
母親を「支配者」と認めるには
時間がかかりました。
「恐れていた時期がやってきた」という感覚です。
しかし、腹をくくらなくてはいけませんね。
子供は健気ですね。
「母を好き」と思って信じて疑っていなかったので、私は母親の完全コピーで子供達に接していました。
元夫を道具に使っていました。
「とんでもない間違いだった」と気づきました。

第二、第三の私を作るところでした。

モラハラ夫と離別したがっていた時期に犬を飼い始め
名前を「エル」と決めました。
そこにも絶対に意味がありますね。

毎日が闘いです。

昨日の夕日はきれいでした。

 
    
 
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