日本の精神医療の貧困(1)-あなたも他人事ではない
2009/01/25(Sun) Category : 知ってほしい病
「精神病院に入れてください」
自らそう訴える人は、瀕死の人だ。
夫、親、親族という二重、三重の監獄の中で「心のコップ」は爆発せんばかりにパンパンになって苦しく、何かをしでかすかわからない衝動を抑える生命エネルギーまでも吸い取られ、心身共にクタクタになってついに叫びを上げる。
「入院させてください」
他に行き場がないから、自分を救う最後の道として精神病院を選ぶのだ。自分が逃れる場として刑務所を選び、そのために犯罪を犯すほどに追い詰められている者もいることを思えば、精神病院を選ぶということが、どれほど追い詰められた状態かがわかるだろう。
もうこれ以上、「心のコップ」に何かを注ぎ込みたくない。
ほんの一滴でも落ちてくれば、かろうじて保っている表面張力がキレて爆発して真っ白になって、どうなってしまうのかわからない。だから、まず自分を隔離したい。次に、心おきなく自分を解放し、心の回復をしたい。
そうやって藁をもつかむ思いで入院する。
しかし、そこが優しい顔をした監獄だったとしたらどうだろう。
もしそれがあなたならば、絶望しませんか?
----------------------------------------------------
いや、自分はそのように追い詰められることはない。と考えている人。
『「いい子」は万病の元』です。
今は無意識にレールに乗って走っていても、『やる気がない人』に書いたように、どこかの時点でバテます。
そして、『「心のコップ」のメカニズム』に書いたような心身症状が出て、自分と闘うために一人になれる場が必要になってくるのです(『自分との闘い方、背骨の作り方』)。
今の日本では、誰でも心を病む可能性があるのです。
しかもそれは、一見豊かに見え、「絶望、不幸、苦痛」という言葉とは無縁の何不自由ない社会に見えるからこそ、自分を責めてしまうのです。(『日本という「完全統制区域」』)
現代の社会システムは、第一世代(祖父母の世代)の存在不安が作り上げたものです。(『時代が世代間連鎖に与える影響-日本全国版』)
(『昭和一桁世代への鎮魂歌(1)-70代の背景』)
ご参考までに『存在不安がある人の時間の構造化の仕方』
その存在不安が世代間連鎖して次の世代へと受け継がれています。
(『存在不安の世代間連鎖』)
そして、社会システムは異常の域に達しています。
(例 『教育大国ジパンでの生涯』)
ですから、若年になるほど、ただ生きるだけで苦しい世界が現出しているのです。(『20代の心の病~戦争後遺症という視点』)
つまり、誰もが心を病む「環境」が整ってしまったのが、現代日本なのです。
私のようにわがまま勝手に生きているように見える人間でも、中学時代に軽い神経症、宅浪時代に軽いノイローゼ、そして会社員時代に軽いパニック障害を経験しました。(『パニック障害克服記』)
『人間は環境の動物である』のです。
あなたが明日の朝突然起きられなくなってもおかしくはありません。
ですから、全ての人が、我がこととして精神医療について考えてほしいと思います。
<続く>
自らそう訴える人は、瀕死の人だ。
夫、親、親族という二重、三重の監獄の中で「心のコップ」は爆発せんばかりにパンパンになって苦しく、何かをしでかすかわからない衝動を抑える生命エネルギーまでも吸い取られ、心身共にクタクタになってついに叫びを上げる。
「入院させてください」
他に行き場がないから、自分を救う最後の道として精神病院を選ぶのだ。自分が逃れる場として刑務所を選び、そのために犯罪を犯すほどに追い詰められている者もいることを思えば、精神病院を選ぶということが、どれほど追い詰められた状態かがわかるだろう。
もうこれ以上、「心のコップ」に何かを注ぎ込みたくない。
ほんの一滴でも落ちてくれば、かろうじて保っている表面張力がキレて爆発して真っ白になって、どうなってしまうのかわからない。だから、まず自分を隔離したい。次に、心おきなく自分を解放し、心の回復をしたい。
そうやって藁をもつかむ思いで入院する。
しかし、そこが優しい顔をした監獄だったとしたらどうだろう。
もしそれがあなたならば、絶望しませんか?
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いや、自分はそのように追い詰められることはない。と考えている人。
『「いい子」は万病の元』です。
今は無意識にレールに乗って走っていても、『やる気がない人』に書いたように、どこかの時点でバテます。
そして、『「心のコップ」のメカニズム』に書いたような心身症状が出て、自分と闘うために一人になれる場が必要になってくるのです(『自分との闘い方、背骨の作り方』)。
今の日本では、誰でも心を病む可能性があるのです。
しかもそれは、一見豊かに見え、「絶望、不幸、苦痛」という言葉とは無縁の何不自由ない社会に見えるからこそ、自分を責めてしまうのです。(『日本という「完全統制区域」』)
現代の社会システムは、第一世代(祖父母の世代)の存在不安が作り上げたものです。(『時代が世代間連鎖に与える影響-日本全国版』)
(『昭和一桁世代への鎮魂歌(1)-70代の背景』)
ご参考までに『存在不安がある人の時間の構造化の仕方』
その存在不安が世代間連鎖して次の世代へと受け継がれています。
(『存在不安の世代間連鎖』)
そして、社会システムは異常の域に達しています。
(例 『教育大国ジパンでの生涯』)
ですから、若年になるほど、ただ生きるだけで苦しい世界が現出しているのです。(『20代の心の病~戦争後遺症という視点』)
つまり、誰もが心を病む「環境」が整ってしまったのが、現代日本なのです。
私のようにわがまま勝手に生きているように見える人間でも、中学時代に軽い神経症、宅浪時代に軽いノイローゼ、そして会社員時代に軽いパニック障害を経験しました。(『パニック障害克服記』)
『人間は環境の動物である』のです。
あなたが明日の朝突然起きられなくなってもおかしくはありません。
ですから、全ての人が、我がこととして精神医療について考えてほしいと思います。
<続く>