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第1部 家庭内暴力息子刺殺事件―1、事件概要

2009/01/28(Wed) Category : 仮面の家
第1部 家庭内暴力息子刺殺事件

■1、事件概要------------------------------------------

『「何度も、ごめんねって……。あの子に謝りましたが……。でも……あんな方法しか、あれっきりなかったんだよ。許してくれと。いま考えても、じゃあ、ほかに何があったかって……」

性の問題を抱え、自立できずに苦しみ、家庭内暴力をくり返す二十三歳の息子を、妻と二人で刺殺した高校教師の父親は、法廷では心境をこう証言した。』

「仮面の家」(新潮OH!文庫)という本は、このような書き出しから始まっています。

1992年6月、埼玉県浦和市で教師夫妻による息子(23歳)殺人事件が起こりました。県立高校の国語教師である父親(54歳)が、妻(52歳)とともに、深夜のバイトから帰宅して睡眠中の長男を包丁で惨殺したのです。

真面目な先生と良妻賢母と評判の高い母親への同情は高く、減刑嘆願の署名が8万人も集まります。弁護側も、『「男の立ち直りのための策に尽きた被告らが、心身ともに極度に疲労した中での反抗」』と、執行猶予付きの判決を求め』ます。


-----------------------------------------------------
浦和地裁は家庭内暴力を繰り返す長男の責を挙げ、
『長男の立ち直りは極めて難しく、それまでの親の接し方にも間違いはなかった。長男の精神荒廃が極限の状態では、家庭が崩壊させられるか、長男を殺害するかしかの選択しかなかった』
と同情的に述べ、夫婦とも懲役3年執行猶予5年という温情判決を出します。

しかし二審の東京高裁では、
父親は『社会経験が豊富で物事を冷静に判断できる立場にあった』『家庭内暴力が始まってから事件まで1年もたっておらず家族への危害はなかった。社会への適応能力もあり、治癒可能性は十分にあった』
として、父親に懲役4年の実刑判決がくだり父親は服役しました。





裁判所の判断が真っ二つに分かれたわけです。

あなたが、この事件の裁判員に選ばれたとしましょう。裁判官でさえ割れた判断。裁判員であるあなたの意見が、この判決に大きな影響を及ぼします。それは、人の運命を大きく変えるだけではなく、ひいては、その判決が先例となって、その後に起こる事件の判断材料にもなるのです。

あなたは、この事件をどのように洞察し、そしてどのような判断を下すでしょうか。



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裁けるだけの力量が自分にあるとは思えないですが

やはり、殺害したというのが
重罪であることに変わりは
ありません。

ですので、刑に服して罪を償う
ことは免れません。

ただ、思い余って殺害する前に、
自分たちから一度息子と距離を
とって彼を生かし、自分たちも
安穏に暮らしていける手立てを
たてることができなかったことが
気の毒に思えます。

もっと、本当に子供を生かし、
自分たちを救うことのできる
考え方が広く普及することを
願ってやみません。

 
    
 
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