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「第二の誕生」の意味

2009/03/05(Thu) Category : 自律(自由と責任)への道
「第二の誕生」とは、どういう意味でしょうか。【2012.1.24修正】

まず、人がどように心の成長を遂げていくのかについて、下記で概要をお読み下さい。
・「人はどのように育つのか

上記を踏まえて、人の心の発達課題の主だったものを抑えておきましょう。




■1,「人生脚本」の完成―10歳前後
生まれてから10年間の体験を通して、自分は大体こういう人間でこのように生きていくんだろうなという人生のシナリオを無意識のうちに作り上げる。そして、その後はその脚本にあった事実を拾い上げて生きていくことになる。このように無意識に自分を縛っている人生のシナリオを「人生脚本」と呼ぶ。

脚本形成に当たって、親子の関係は人及び社会への信頼と愛着の基礎となる。「I,m OK. You,re OK.」などの「人生の基本的立場」も親が子を人として尊重するところから形成される。

また、「親と自分」の関係が「人と自分」の関係にスライドする。例えば、親の受け皿となって生きている子どもは、人との関係でも受け皿になるなど。そのため、対人関係、社会における自分の扱われ方やポジションを考えるとき、親子関係を振り返ると自分を良く理解できる。
(*詳しくは「子育ての心理学」をどうぞ)


■2,「背骨」の形成―思春期(13~15歳前後)
シナリオができれば、今度はそのシナリオに沿って人生を歩いていくことになる。歩くためには背骨が必要だ。その背骨を作るのが思春期である。
詳しくは→「中学生はサナギの時期

■3,「青年期の危機」(アイデンティティクライシス)―20歳前後
「自分は何者か?」がわからなくなる時期。自分という人間のアイデンティティを形成していく時期である。

■4,「中年期の危機」(ゴーギャンコンプレックス)―40歳前後
これまで輝いていた価値が色あせ、それまで見向きもしなかったことに価値を見出すという価値観のコペ転(コペルニクス的転回)が起こる時期。

*上記2つの危機については、「人生7年転機説」をご参照下さい。


さて、上記が古典的な心の発達の仕方ですが、これまでのカウンセリング体験から感じたことを元に以下に一つのモデルを記載してみます【2012.1.24】





★人生脚本が支配する不安からの逃走人生-----------------------------

人生脚本は生後の親との関わりの中で形成されていきます(親のあり方は誕生前後でそう変わりませんので“生後の”としておりますが、胎内記憶のある方もいらっしゃいますので、胎児のときから影響を受けていることは明白です)。

たとえば、両親共働きで忙しく、家では気持ちを伴う会話が無く、生まれた子には高学歴を望んでいたとしましょう。するとそこに生まれた赤ちゃん(Aちゃん)は、一例としては次のようになります。

1)親との人間的関わりが無いことから来る“存在不安”(自分に対する謎)
2)なぜこういう親なのだろうという“親に対する謎”
3)「気持ちを言うな→気持ちとつながるな→自律するな→人とつながるな」という“禁止令”
4)常に勉強へのプレッシャー→「努力せよ」という“ドライバー”
5)気持ちを聴いてほしい、自分を認めてほしいという“ストローク飢餓”
6)苦労している親に認めてもらうために→「苦労せよ」という“人生脚本”
7)その間も封印され溜め込まれていく感情達(インナーチャイルド)


この赤ちゃんは、どのような人生を歩むでしょうか。
一つのモデルとして示してみましょう。

【人生の基本姿勢】
朝から晩まで働く親の姿を見て育つAちゃんは、その親に認めてもらうためには「苦労しなければならない」と思い込んで(親との本音のコミュニケーションがないので“思い込む”のです)、苦労の道を選択する人生を歩み始めます。

【青春】
友人を作らず黙々と勉強する姿を見せ続けること=親に認めてもらうことですから、孤独な青春を過ごします。大学入学時点で親からストロークをもらって一時的に満足しますが、大学を卒業すると目標(親の望み)が失われます。

【就職仕事】
目標は失われても、「苦労せよ」という“人生脚本”は生き続けています。
また、“親に対する謎”と親から認めてほしいという“ストローク飢餓”はあり続けますから、親(ハラッサー)に似た人がいる場(ハラスメント界)を選び、その相手に対して「ストローク飢餓を満たす」ためと「謎解き」のための“代償行為”を仕掛けます(無意識のゲーム)。

【人間関係】
また、ドライバーにせっつかれて努力はし続けますので、自分を認める人が現れたりします。けれど、人とつながってはいけない禁止令があるので、何らかのミスやトラブルを起こしてその関係を壊します(無意識ですので、表層意識ではなぜそうなるのかわかっていません)。

【結婚家庭】
他方、同じような存在不安を持つ異性が現れると“自己投影”して惹かれあい、共依存で結婚しますが、安心できる相手に対して爆発するのは封印されてきた感情(IC)です。互いに自分の方が辛い、自分を認めろというストローク飢餓合戦が巻き起こり、時に感情爆発を繰り返し、家庭は壊れていきます。

【自動実行の脚本人生】
こうして職場でも家庭でも苦しい人生を歩んでいくわけですが、それは全て「人と繋がるな」「苦労せよ」という“人生脚本”のシナリオ通りなのです。このシナリオはたとえ親が亡くなっても自動実行し続けます。なぜなら、その脚本どおりの日々を脳内親(IP)に見せ続けるためです。

【不安からの逃走】
さらに、その自分の人生を操ってきた(親のための)人生脚本は、不安からの逃走の上に成り立っています。なぜなら、親から無条件に愛された人は、あるがままの自分を認めてもらっていますので存在不安を持つこともなく、生まれながらに自分のための人生脚本上を歩いていけるからです。

【ボケ逃げの晩年】
ですから、(親のための)人生脚本を歩いてきたゲーム人生の晩年は、ゲームを仕掛ける対象が減るため、及び「時間の構造化」ができなくなるため自分の時間ができ始め、封印してきた存在不安が出てこようとします。その不安を見たくないので、「ボケ逃げ」するということも出てきます。

かくして、誰ともつながれないまま、いえ、自分自身とさえつながれないままに虚構のゲーム人生は寂しく幕を閉じることになります。


<ご参考>
ゴミ屋敷になる4つの心理的要因と解決策
「嫌われ松子の一生」―存在不安と闘い続けた生涯






★世代間連鎖していく不安からの逃走人生-----------------------------

自分の人生を支配しているのは「人生脚本」でしたね。
それは、映画の脚本のようなもので、どこで撮影するのか(人生の舞台はどこか)、どのような登場人物をキャスティングし、その人物とどのように関わるのか、そして人生を通してどのような役割で歩んでいくのか―そのすべてが書かれており、そのシナリオに沿って自分の映画が出来上がっていくわけです。

しかし、その脚本は“親のため”のものでした。なぜか。
それは、親から無条件に愛されなかったために、自分の存在と親に対して謎と不安が芽生えたからです。そのため、「親に認めてもらうため(ストロークを得るため)」「親の謎を解くため(人への信頼を取り戻すため)」「親を救うため」に作ったものでした。つまり、意識は親に向いており自分自身に向いていないのです。

そして、この無意識に作り上げた脚本の上を突っ走っている間中、無意識は親だけを見続けていますから、配偶者もわが子も見ることはありません。つまり、夫(妻)にも父(母)にもなれないまま、死ぬまで「親の子」として生き続け、結果的に「存在不安」がわが子に世代間連鎖していくことになります。

様々な人生脚本がありますが、今やその全てが「存在不安」の上に形成されているといってもよいかもしれません。殆どの人が、無意識に不安から逃げ続ける人生を送っています。

その結果、このブログで言うところの「ハラッサー」「モンスター」「餓鬼」「ブラックホール」「闇」に落ちていく人々がどんどん出てきているわけです。そういう人々も親も、人類を劣化させる、この不安の連鎖の犠牲者だったのです。




★「第二の誕生」とは-----------------------------------------------

この連鎖から抜け出すためには次のことをしなければなりません。

1)“存在不安”
2)“親に対する謎”
3)“禁止令”+4)“ドライバー”=IP
5)“ストローク飢餓”
6)“人生脚本”
7)“インナーチャイルド”

“親に対する謎”と“人生脚本”に気づき、
自分を脳内から監視しているIP(脳内親)から自分を解放し、
許可とストロークを自らに与え、
封印していた“インナーチャイルド”を表現して救い出し、
その過程を通じて自らの背骨を作り上げ、
そして勇気を持って“存在不安”を直視して受け止め、
そのことによって背骨を完成させた自分が過去の“人生脚本”を手放して、生まれたときの状態=あるがままの自分に戻ること。

これを「第二の誕生」と、私は呼んでいます。



そこから先は、「今ここ」の気持ちだけでシンプルに生きていくことができます。道具になり得ない人なので、もはやハラッサーは近寄ってこず、出逢うのはお互い自律した人ばかりで、とてもラクで楽しいのです。

しかも、これまでの苛酷な苦労の中で身につけたものが、全て「ギフト」に転化します。それまで自分を苦しめてきたものが、自分の武器に変わるのです。

たとえれば、テレパシー能力が身についたけれど聴きたくもない声がわんさか頭に入ってきて苦しんでいたのが、自分が主体性を取り戻すことで能力をコントロールできるようになり、聴きたいものだけ選別することも、全てをシャットアウトすることも出来るようになる、という感じでしょうか。

そして、そういう人々が互いの個性を持ち寄って助け合って生活するようになる―そういう感じです。

自分の人生の1瞬1秒が全て自分の責任―これほどの自由があるでしょうか。他人(ひと)のせいにすることも、他人の責任にすることも、他人を背負うこともありません。

精神的に親の胎内から生まれ出ることは、
ドロドロしたハラスメント界から輝かしい自律界へと抜け出ることです。

素晴らしい人生が始まります。




★「第二の誕生」の意味---------------------------------------------

あなたが「第二の誕生」を迎えるということは、あなたが「あるがままの自分を取り戻す」ということにとどまりません。

あなたの一族にとって最も不幸なことは、「自律モデル」を見たことがないということです。あなたが最初の自律モデルになることによって、誰かが後に続くかもしれません(但しそれは、各人の問題です)。

また、あなたの一族は、各人がこの不安の連鎖と闘い、そして飲み込まれていきました。あなたがこの連鎖から抜け出すことは、無念の先達にとっての願いなのです。

このように、時系列的にも(ご先祖)、空間的にも(現存する親族)、あなたが自律することが、あなたに関わるすべての人にとって「福音」なのです。

そして、あなたが今家族をお持ちなら、家族は―少なくとも子どもは、必ず変わります。



あなたが、不安の連鎖の歴史にピリオドを打って下さい。

そして、


新たな源流になって下さい。













【ご参考】上記に関わるものを一つずつ挙げておきます。(たとえば、「人生脚本」などでキーワード検索すれば、他にもいろいろと出てくると思いますのでお試し下さい)

1)“存在不安”
【存在不安がある人の時間の構造化の仕方】

2)“親に対する謎”
【「親という謎」が解けたとき人生が始まる】

3)“禁止令”+4)“ドライバー”=IP
【心の乗っ取られ方 5タイプ】

5)“ストローク飢餓”
【餓鬼人間とは】

6)“人生脚本”
【子育て心理学:第2部 9)「人生脚本」の完成】

7)“インナーチャイルド”
【「心のコップ」のメカニズム】





「第二の誕生」の仕方
「第二の誕生」とは




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背骨ができたのに

先月「第二の誕生」を果たして、中尾先生に「おめでとう」と祝福されましたが、
それ以前に知り合ったブラックホールな人と
なかなか切れず、どうして?????の連続。
気づいたのは、その人が私の両親、兄、元夫、幼馴染のすべての要素を持っているということでした。
そして、今日、気づいたんです。
どうして私が望みもしないことを押しつけるのか。
彼らは、ストロークが欲しくて欲しくてしかたない。
だから、何をしてでも、自分が興味のないものでも興味があるような顔をして相手に構ってもらおうとする。
そして相手に対しても自分がしてもらいたいようにするだけなんだ。そうすることが、相手を喜ばせることだと固く信じているから。自分の世界以外の視点があるなんて思いもよらないから。
相手が何を望んでいるかなんて考えられない。
だって、彼らには、「自分の望み」なんてないんだもん。ないというか、彼らの望みは「構ってもらうこと・受け入れてもらうこと」しかないから。他人に「望み」があるなんて思いもよらないことだから。
自分勝手な解釈で他人を見て、「よかれ」とおもう行動をとり、結果、相手にうとまれる。
悲しいことだけど、そういう風にしか生きられないんだな。
私がどうにかしたい、なんておこがましいことをかんがえてしまっていた。
私ができることは、自律モデルを見せることと、自律の道を示すことだけ。
あとは、存在不安の中で生きるも、自律を目指すも、その人次第なのだ。

これでやっと、あのビッグな存在不安君ともお別れできるかも。
ストーカーされたり、身の安全を脅かされたりするかもしれないけど、それもまた自分がひきこんだこと。
なんだか、すべてを受け入れられるような気持ちになっています。
よちよち歩きが少したくましくなりました。

 

相手すんな

そもそも人間の心の健全さの基準が様々です。

純粋な気持ちを受け止められるなら社会は平和です。
相手がブラックホール。
だから自己嫌悪なのです。
つまり自分の母親があまりにも下らない人間で、わかってもらうどころか相手する価値もない、ということにまでは認識が足らなかったのでしょう。何か感じで相手にものを言うなら、相手がそれを理解する器が必要ですが、あまりにも薄っぺらな下らない親であり、従って悪い事をしたという自覚すら持てない。ヒトラーもそう、世間様にひれ伏すバカな母親もそう。自分のハートを保つ努力を放棄したばかな人間は、蔑む以外なにもありません。何をされようと何をいわれようと、ハラを立てる価値もない相手です。地獄に落ちる前に気付けますようにとせめて祈ってあげましょう。

 

改めて目次を見ました。まだまだ先が長いのですね。

私は中尾さんのブログに出会って9ヵ月ですが、つい先日、母に本当に言いたかったことが言えてから楽になり、これでやっと自分の人生を歩き出すことができたと感じました。

でも実はそう簡単ではないのを感じ始めている今日この頃…。自己嫌悪が日増しに大きくなっていく中(IPの逆襲でしょうか)、ヒマワリさんの物語が励みになっています。

私も変われるんだ、変化の途中にいるんだ、この苦しみは背骨ができていくときの成長痛なんだと、かすかにですが感じています。

 
    
 
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