パワハラ解雇との闘い-2)判決と勝因
2009/04/11(Sat) Category : パワハラ(パワーハラスメント)
*以下、本田さんより資料提供。
●<一審 大分地方裁判所>
「女性をパワハラ解雇の弁護士敗訴…大分地裁」---------------
大分県弁護士会所属の河野聡弁護士が取締役を務める不動産管理会社(大分市)を2006年9月に解雇された事務員の女性(45)(同)が、同社を相手取り、解雇の無効と慰謝料200万円などの支払いを求めた訴訟の判決が25日、大分地裁であった。
神野泰一裁判官は、解雇通知に至る過程で河野弁護士が女性をどなりつけるなどしたのはパワーハラスメントにあたるとして、解雇を無効とし、慰謝料50万円と、07年2月から判決が確定するまでの給与(月額23万5000円)の支払いを命じた。
判決によると、女性は03年7月入社。受け付け業務などを担当したが、06年9月、業務への不満を再三述べたことなどを理由に解雇された。その際、河野弁護士は女性を執務室に呼んでどなりつけたほか、「人間的にも人格的にも問題がある」「明日から出勤しなくても結構。就職活動をしてください」などと述べ、一方的に話を打ち切って女性を退席させた。女性は不眠に苦しむようになり、医療機関を受診した。
判決について女性は「法律の専門家による暴挙が認められた」とコメント。河野弁護士は「常識外れな判決。当然控訴する」としている。 河野弁護士は消費者金融大手「アイフル」が不適切な営業をしているとして、全国の弁護士や司法書士らが05年4月に結成した「アイフル被害対策全国会議」の代表を務めた。
【2008年1月25日13時52分 読売新聞】
「パワハラ:弁護士の不当解雇を認定-大分地裁判決」-----------

【金秀蓮 2008年1月30日 毎日新聞】
1年後、二審も勝訴する。
●<二審 福岡高等裁判所>
「パワハラ不当解雇訴訟:勝訴の本田さんが報告会/大分」---------
「パワハラを受け不当に解雇された」として弁護士(大分弁護士会所属)が代表を務める会社を相手取り、地位確認などを求めた訴訟の控訴審(福岡高裁)判決で勝訴した本田聡栄さん(47)=大分市=が24日の判決後、大分市荷揚町のアートプラザで報告会を開いた。
支援者ら約30人が参加。本田さんの弁護団は「うつになった原因も解雇にあったことも認めた内容」として判決を評価し、裁判の経過などを説明。この後、本田さんが会見し、「ようやく、プライドを持って生活することができるようになった」と涙を浮かべ、「会社などでパワーを持つ人は自分を律することを学んでほしい」と訴えた。
【中島京 2009年2月25日毎日新聞地方版】
「二審も「解雇無効」 賃金など支払い弁護士側に命令」

【2009年2月25日大分合同新聞】
<勝因>-----------------------------------------------
勝因は『確かな証拠』
1,被告が原告を繰り返しなじっている声が録音されたボイスレコーダー
「(有)市民の権利」のもうひとりの上司が録音するようにと貸してくれた。
2,ボイスレコーダーを貸してくれた上司の証人尋問での証言
「証人尋問」で本田の解雇理由はないと思ったと証言。
3,本田解雇に異を唱え職場を去った若手弁護士による“陳述書”
被告による違法解雇がどのようにして行われたかを事件前、事件後に渡り陳述。
4,職場の法律事務所同僚から本田さんの解雇相当理由が一件も出されなかったこと
5,市民による署名活動、傍聴支援の広がり
<原告弁護士は語る>-------------------------------------
本田さんの弁護を勤めた中村和雄弁護士は二審での口頭陳述で次のように語っているそうだ。
『被控訴人(本田さん)は、本件解雇通告を受けた精神的ダメージの中で、裁判をするために必死に代理人を探しました。大分、熊本、福岡と法律事務所を訪ね歩きましたが、断られました。相手が弁護士であること、しかも九州では人権を守る弁護士として名前が売れた弁護士であることから、受任してもらえる弁護士が見つからなかったのです。控訴人代表者(河野聡弁護士)とまったく利害関係のない私の元にたどり着くまでに被控訴人(本田さん)は大変な思いをして来たのです。今では、地元大分の強力な弁護士たちが立ち上がり、多くの支援のみなさんが彼女を支えていますが、彼女がひとりぼっちで控訴人代表者(河野聡弁護士)に対峙した精神的負担は計りしれないものであったと思います』
また、ブログの中でこのようにも語っている。
『本田さんは、不当な解雇によって、精神的に大きなダメージを受けうつ状態になりました。そんな中でも、自分を取り戻すために自分が間違っていないことを明らかにしたいと考え、裁判を担当する弁護士を探して九州中を回りました。ところが引き受けてくれる弁護士が見つかりませんでした。そして、遠い京都の私のところまでやってきたというわけです。
本田さんのように強い人は希です。強力な力を持っている相手に対し、間違っていることは間違っていると立ち上がることは勇気のいることです。でも、そのことによって社会が変わっていくのですね。本田さんの勇気に応えて多くの支援の方が裁判を支えました。地元の弁護士さんたちも勇気を持って参加してくれました。私は、この裁判に携わる中で、大分のみなさんの大きな連帯の力を感じました。この裁判勝利を契機として、大分の人権分野の運動がさらに大きく発展することを確信しています。』
http://neo-city.sblo.jp/article/27241794.html
●<一審 大分地方裁判所>
「女性をパワハラ解雇の弁護士敗訴…大分地裁」---------------
大分県弁護士会所属の河野聡弁護士が取締役を務める不動産管理会社(大分市)を2006年9月に解雇された事務員の女性(45)(同)が、同社を相手取り、解雇の無効と慰謝料200万円などの支払いを求めた訴訟の判決が25日、大分地裁であった。
神野泰一裁判官は、解雇通知に至る過程で河野弁護士が女性をどなりつけるなどしたのはパワーハラスメントにあたるとして、解雇を無効とし、慰謝料50万円と、07年2月から判決が確定するまでの給与(月額23万5000円)の支払いを命じた。
判決によると、女性は03年7月入社。受け付け業務などを担当したが、06年9月、業務への不満を再三述べたことなどを理由に解雇された。その際、河野弁護士は女性を執務室に呼んでどなりつけたほか、「人間的にも人格的にも問題がある」「明日から出勤しなくても結構。就職活動をしてください」などと述べ、一方的に話を打ち切って女性を退席させた。女性は不眠に苦しむようになり、医療機関を受診した。
判決について女性は「法律の専門家による暴挙が認められた」とコメント。河野弁護士は「常識外れな判決。当然控訴する」としている。 河野弁護士は消費者金融大手「アイフル」が不適切な営業をしているとして、全国の弁護士や司法書士らが05年4月に結成した「アイフル被害対策全国会議」の代表を務めた。
【2008年1月25日13時52分 読売新聞】
「パワハラ:弁護士の不当解雇を認定-大分地裁判決」-----------

【金秀蓮 2008年1月30日 毎日新聞】
1年後、二審も勝訴する。
●<二審 福岡高等裁判所>
「パワハラ不当解雇訴訟:勝訴の本田さんが報告会/大分」---------
「パワハラを受け不当に解雇された」として弁護士(大分弁護士会所属)が代表を務める会社を相手取り、地位確認などを求めた訴訟の控訴審(福岡高裁)判決で勝訴した本田聡栄さん(47)=大分市=が24日の判決後、大分市荷揚町のアートプラザで報告会を開いた。
支援者ら約30人が参加。本田さんの弁護団は「うつになった原因も解雇にあったことも認めた内容」として判決を評価し、裁判の経過などを説明。この後、本田さんが会見し、「ようやく、プライドを持って生活することができるようになった」と涙を浮かべ、「会社などでパワーを持つ人は自分を律することを学んでほしい」と訴えた。
【中島京 2009年2月25日毎日新聞地方版】
「二審も「解雇無効」 賃金など支払い弁護士側に命令」

【2009年2月25日大分合同新聞】
<勝因>-----------------------------------------------
勝因は『確かな証拠』
1,被告が原告を繰り返しなじっている声が録音されたボイスレコーダー
「(有)市民の権利」のもうひとりの上司が録音するようにと貸してくれた。
2,ボイスレコーダーを貸してくれた上司の証人尋問での証言
「証人尋問」で本田の解雇理由はないと思ったと証言。
3,本田解雇に異を唱え職場を去った若手弁護士による“陳述書”
被告による違法解雇がどのようにして行われたかを事件前、事件後に渡り陳述。
4,職場の法律事務所同僚から本田さんの解雇相当理由が一件も出されなかったこと
5,市民による署名活動、傍聴支援の広がり
<原告弁護士は語る>-------------------------------------
本田さんの弁護を勤めた中村和雄弁護士は二審での口頭陳述で次のように語っているそうだ。
『被控訴人(本田さん)は、本件解雇通告を受けた精神的ダメージの中で、裁判をするために必死に代理人を探しました。大分、熊本、福岡と法律事務所を訪ね歩きましたが、断られました。相手が弁護士であること、しかも九州では人権を守る弁護士として名前が売れた弁護士であることから、受任してもらえる弁護士が見つからなかったのです。控訴人代表者(河野聡弁護士)とまったく利害関係のない私の元にたどり着くまでに被控訴人(本田さん)は大変な思いをして来たのです。今では、地元大分の強力な弁護士たちが立ち上がり、多くの支援のみなさんが彼女を支えていますが、彼女がひとりぼっちで控訴人代表者(河野聡弁護士)に対峙した精神的負担は計りしれないものであったと思います』
また、ブログの中でこのようにも語っている。
『本田さんは、不当な解雇によって、精神的に大きなダメージを受けうつ状態になりました。そんな中でも、自分を取り戻すために自分が間違っていないことを明らかにしたいと考え、裁判を担当する弁護士を探して九州中を回りました。ところが引き受けてくれる弁護士が見つかりませんでした。そして、遠い京都の私のところまでやってきたというわけです。
本田さんのように強い人は希です。強力な力を持っている相手に対し、間違っていることは間違っていると立ち上がることは勇気のいることです。でも、そのことによって社会が変わっていくのですね。本田さんの勇気に応えて多くの支援の方が裁判を支えました。地元の弁護士さんたちも勇気を持って参加してくれました。私は、この裁判に携わる中で、大分のみなさんの大きな連帯の力を感じました。この裁判勝利を契機として、大分の人権分野の運動がさらに大きく発展することを確信しています。』
http://neo-city.sblo.jp/article/27241794.html