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京都小6女児刺殺事件-(3)追いつめられた子供

2005/12/26(Mon) Category : 少年犯罪・家族事件簿
京都小6女児刺殺事件

■追いつめられた子供

 つまり、荻野容疑者は、生まれた時から母親の支配下に置かれ、その監獄の中、自分の気持ちを無視された“しつけ”というコントロール下に置かれたのである。想像するだけで息苦しく、感情が爆発しそうな状況で生きてきたことがわかる。

 しかし、強大な親という権力の前にひれ伏していた子供も、中学になって力がつき始めると、それまで溜めに溜め込んでいたものが堰を切ってあふれ出し始める。それが彼の場合、家庭内暴力という形で爆発した。「俺という人間を認めろ!」と魂が悲鳴を上げたのである。この時が、親が自らの姿勢を変えるチャンスだった。

 しかし、親の姿勢は変わらなかった。だからこそ、大学に入っても家庭内暴力が続き、窃盗を繰り返し強盗致傷まで犯しているのだ。相手に理解してもらいたいことがあり、それが受け入れられない時、言動が激しくなる。これを心理学用語でエスカレーションという。彼の行動はエスカレートした。


 ところが、そうまでなってもなお、父親の心配したことは『停学になっても就職できるのか』であった。父親が社会規範として機能していなかっただろうことは、この言葉一つとっても想像される。子供と向き合っていない。萩野容疑者は親から徹底的にディスカウント(無視)されていた。

 彼にとって、針のむしろである親から隔離された留置場が、初めて一息つける場所だったかもしれない。そして、親の目から見ていた自分ではなく、ありのままの自分自身と向き合うことができたのではないだろうか。そのため、本当に反省することができ心からの謝罪があった。だからこそ被害にあった女性も受け入れることができたのだと思う。

 だが、彼はまたプレッシャーの場に戻された。私は、宅浪していたからよくわかるのだが、大学へ入りますようにという親の圧力は、たとえそれが無言であっても日々ビンビンと痛いほどに感じたものである。

 大学で彼を見かけた教授が感じたように、彼も周回遅れの私同様、追い立てられていたのだと思う。親がのんびり構えていれば、あるいは他の道もあるよ、と広い世の中を教えていれば、また違う道もあっただろう。しかし、恐らく親のプレッシャーは『同級生に追いつきたい』という本人の思いに拍車をかけた。



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 そこへ現れた障害―それが、堀本さんだった。

 後ろからは、ディスカウントし続け“一人前”にさせなかった両親が、早く一人前になれと強烈なプレッシャーを有形無形でかけてくる。が、自信を与えられて育っていないため、虚勢が空回りする塾での言動。そして、ほころびが見え始める。女児の指導がうまくいかない…。

 なぜ、うまくいかなかったか―それは、『きつい言葉で厳しく指導』する親の方法論を受け継いだから。虐待されて育った親がわが子を虐待してしまうように、抱きしめられたことのない親がわが子を抱きしめられないように、人は学んだことを人にし、学んでないことはできない。自分が親にされたように女児を指導しようとしてもうまく行くはずはなかった。


 彼は、よくあることだが、自分が巻き込まれた親子の関係を外の世界に作ってしまったのである。

 女児は、いつしか自分が一人前でないことを証明するシンボルとなった。そして自分の前に立ちふさがった。彼は、2つの壁の間で苦しんだ。しかし、とりつくしますらない親という強大な後ろの壁には、立ち向かうことも徒労だ。跳ね返されて自分が苦しむだけであることは、これまでの空しい抵抗の過去が教えてくれている。

 彼は前に進むしかなかった。が、やればやるほどアリ地獄に落ちた。後戻りできない彼は、『(紗也乃さんが)いなくなれば楽になると思った』―その選択しか残されていなかったのである。

 この萩野容疑者の姿は、息子が就職して目の前からいなくなるとラクになると思っている父親の生き写しではなかったか。母親だけではなく、選択肢のない生き方をしてきた父親もまた、息子の心を殺してまでもプレッシャーをかけ続けてきたのではないか。

 強盗をしても親に救われなかった彼は、いわば一度精神的に殺されているのである。そして、自分を殺してまでもプレッシャーをかけ続けるロボットのような両親がそこにいる。ここで進まなければ、後ろから両親が迫ってくることがわかる。二度殺されたら“精神的に立ち直れない”だろう。

 『殺さないと精神的に立ち直れないと思った』
 彼のこの言葉は、自分が(両親から)殺されるか相手を殺すかというところまで追いつめられた彼の状況を切実に語っている。


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