虚を突かれると心はもろい
2009/04/23(Thu) Category : パワハラ(パワーハラスメント)
【パワハラうつ地獄からの復活物語】<心理解説1>
■虚を突かれると心はもろい
佐藤さんは、ひどいパワハラを受けて、顔が無表情の能面になるような鬱を発症。最初の半年は寝たきりの重度うつとなります。何とか体を動かすことの出来る水準まで体のケアが進むと心のケアに移り、半年間カウンセリングに通われます。こうして1年が経ち、日常生活がなんとか送れるくらいに心が回復してきたとき、激しい怒りと気分の落ち込みに苛まされる鬱々とした抑うつ状態に引き戻されてしまいました。そして、それが1年半の長きにわたって続いたのです。
重度うつ後の、この1年半の状態は、「パワハラ退職:ダメージからどのように立ち直るか」で書いたように次の3つのダメージが複合していると思います。
1,パワハラ (無防備な心への暴力→怒り、恨み、憎しみ)
2,対象喪失 (生きる基盤の喪失→否認、怒り、悲嘆、絶望)
3,抑うつ神経症 (背骨を失った不安、絶望、執着、怒り)
まず最初に、なぜこれほど深刻なダメージを受けたのかというところから見てみましょう。
一つは、心が無防備であったということがあります。
佐藤さんは、上司とはそれなりの人間がなるものだと思っていました。実際22年間というもの、そうおかしな上司がいたわけではなく、まさか実力もなく自己顕示だけのパワハラ上司が存在するとは思ってもみなかったのです。無条件に上司を信じていただけに、無防備な心は深く傷つけられてしまったのでした。
少し毛色の異なるエピソードですが…
ある時、大空を眺めていて、ふと、雲を縦断して一本の淡い影のような線が大空を貫いているのに気づきました。
「なんだあれは?」
気流とは全く関係なく、その線は、丁度午後3時頃の太陽の真ん中辺りをよぎっていました。私は、何度も果てのない端から端まで、首をグルーッと巡らして大空を眺めました。
「白虹、陽を貫く」―関東大震災のときに現れたと言われる現象を私は思い、気になりつつ車の人となりました。
それから、数日後の 2005.02.16 朝5時前―
震度5の地震が起きました!
グラッと来た瞬間に目が覚めました。
その目覚めた瞬時に思ったのは、「あぁ、やっぱり来た」という思いでした。つまり、心が予期していたのです。ですから、すぐにそう思うことができ、そのため慌てることがなかったのです。
私は、阪神大震災後10年経っても、1月になると欝に襲われる方のことを思い出しました。深い深い心の傷となっています…。地震が起こるなど考えもしなかった土地で起こった大震災。大震災が起こったとき、人々は虚を突かれたことでしょう。
人間、不意を衝かれることほど“もろい”ことはありません。不意を衝かれるとは、裸の無防備な心を直接ショックが襲うということです。無防備な心を襲ったショックというものは、癒えるまでにとても時間がかかります。
自分を守るためには、「心に準備をさせる」ことがとても大切なのです。そのためには、自分の周囲の現象を注意深く観察することが大事です。そこには、必ず自分に対する何らかのメッセージがあるはずです。
私が大空に現れたサインを見逃さなかったこと、そして心の準備をしたことが私を救ったのでした。
このようなサインや予備知識は、人を守る鎧や盾の役割をします。それなしで、いきなり予期せぬ「事実」を突きつけられると、無防備な心はぐっさりと刺されてしまうのです。
私が、強烈なパワハラにかろうじて持ちこたえられたのも、ダブルバインドという人をロボットにする手法を知識として知っていたからでした。
【「あきらめの壁をぶち破った人々」参照】
佐藤さんは、人間に出逢ったことのない動物が無防備に近づいてくるように、これまでの人生で出逢ったことのない人間に遭遇して無防備なままに心をグッサリと刺されてしまったのでした。
■虚を突かれると心はもろい
佐藤さんは、ひどいパワハラを受けて、顔が無表情の能面になるような鬱を発症。最初の半年は寝たきりの重度うつとなります。何とか体を動かすことの出来る水準まで体のケアが進むと心のケアに移り、半年間カウンセリングに通われます。こうして1年が経ち、日常生活がなんとか送れるくらいに心が回復してきたとき、激しい怒りと気分の落ち込みに苛まされる鬱々とした抑うつ状態に引き戻されてしまいました。そして、それが1年半の長きにわたって続いたのです。
重度うつ後の、この1年半の状態は、「パワハラ退職:ダメージからどのように立ち直るか」で書いたように次の3つのダメージが複合していると思います。
1,パワハラ (無防備な心への暴力→怒り、恨み、憎しみ)
2,対象喪失 (生きる基盤の喪失→否認、怒り、悲嘆、絶望)
3,抑うつ神経症 (背骨を失った不安、絶望、執着、怒り)
まず最初に、なぜこれほど深刻なダメージを受けたのかというところから見てみましょう。
一つは、心が無防備であったということがあります。
佐藤さんは、上司とはそれなりの人間がなるものだと思っていました。実際22年間というもの、そうおかしな上司がいたわけではなく、まさか実力もなく自己顕示だけのパワハラ上司が存在するとは思ってもみなかったのです。無条件に上司を信じていただけに、無防備な心は深く傷つけられてしまったのでした。
少し毛色の異なるエピソードですが…
ある時、大空を眺めていて、ふと、雲を縦断して一本の淡い影のような線が大空を貫いているのに気づきました。
「なんだあれは?」
気流とは全く関係なく、その線は、丁度午後3時頃の太陽の真ん中辺りをよぎっていました。私は、何度も果てのない端から端まで、首をグルーッと巡らして大空を眺めました。
「白虹、陽を貫く」―関東大震災のときに現れたと言われる現象を私は思い、気になりつつ車の人となりました。
それから、数日後の 2005.02.16 朝5時前―
震度5の地震が起きました!
グラッと来た瞬間に目が覚めました。
その目覚めた瞬時に思ったのは、「あぁ、やっぱり来た」という思いでした。つまり、心が予期していたのです。ですから、すぐにそう思うことができ、そのため慌てることがなかったのです。
私は、阪神大震災後10年経っても、1月になると欝に襲われる方のことを思い出しました。深い深い心の傷となっています…。地震が起こるなど考えもしなかった土地で起こった大震災。大震災が起こったとき、人々は虚を突かれたことでしょう。
人間、不意を衝かれることほど“もろい”ことはありません。不意を衝かれるとは、裸の無防備な心を直接ショックが襲うということです。無防備な心を襲ったショックというものは、癒えるまでにとても時間がかかります。
自分を守るためには、「心に準備をさせる」ことがとても大切なのです。そのためには、自分の周囲の現象を注意深く観察することが大事です。そこには、必ず自分に対する何らかのメッセージがあるはずです。
私が大空に現れたサインを見逃さなかったこと、そして心の準備をしたことが私を救ったのでした。
このようなサインや予備知識は、人を守る鎧や盾の役割をします。それなしで、いきなり予期せぬ「事実」を突きつけられると、無防備な心はぐっさりと刺されてしまうのです。
私が、強烈なパワハラにかろうじて持ちこたえられたのも、ダブルバインドという人をロボットにする手法を知識として知っていたからでした。
【「あきらめの壁をぶち破った人々」参照】
佐藤さんは、人間に出逢ったことのない動物が無防備に近づいてくるように、これまでの人生で出逢ったことのない人間に遭遇して無防備なままに心をグッサリと刺されてしまったのでした。