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芸能人のうつ病体験~音無美紀子さん

2009/05/02(Sat) Category : 知ってほしい病
大阪滞在中にテレビで芸能人のうつ病体験を見た。
登場されていたのは、音無美紀子、小山明子、萩原流行、千葉麗子、生田悦子、岸部四郎。
音無美紀子さんの事例が詳細に取り上げられていた。


■起--------------------------------------------------

女優も母も“完璧”を目指していたという音無美紀子さん。
もう、この“完璧”という言葉を聞いた時点で、あぁIP(インナーペアレンツ)が強くて大変だな、そりゃいつか鬱にもなるよ…と内心思う。

何事にも頑張り、前向きで順風満帆に見える人生航路に乳がんというサインが訪れる。が、それでも立ち止まらない。人生の一大事であるのに、人に隠し世間にばれないようにして、何事もなかったかのように外には元気一杯の姿で走り続けようとする。

続くサインは、がん治療の注射の跡がはれ上がって腕が上がらなくなったこと。それでもなんとかフライパンを持ち、料理を作り続け家庭生活を保ち続けようとする。

そして、女優の仕事が舞い込む。監督の要望である体のラインが露わになるノースリーブに悩みつつ、それでも取り組み芸能生活を保ち続けようとする。



■承--------------------------------------------------

が、ついに台本の読み合わせの時に突然声が出なくなる(失声)。
失声によりドラマを降板せざるを得ず、このドタキャンしてしまったことが、音無美紀子さんをまっさかさまに突き落としていった。

「完璧な自分が壊れていく…」

それまで“完璧”であった自分は一挙に崩壊し、何もできなくなった自分に心配と不安だけが押し寄せてくる。そして、自分が家族に必要じゃない人間に思えてきて「死にたい」と思うようになる。



■転--------------------------------------------------

復活のきっかけは、夫の呼びかけだった。
「家族で一緒に寝よう」

間に眠る子どもたちを挟んで夫は言う。
「子どもたちの将来の姿を見たくないのか」

そうだ…。私は一人じゃない。
そうだ母親なんだ。私は、子どもの成長を見届けたい。

夫の繰り返しの呼びかけの中で、音無さんはそう思うようになっていく。



■結--------------------------------------------------

そしてある日、子どもが「目玉焼き作って」と頼む。
卵を割ることにさえ、腕が震えた音無さん。

割ることができた。
目玉焼きがちゃんとできた。

そして…
子どもが「ありがとう!」と言ってくれた。

やればできるんだ!
私は、必要とされているんだ!!

こうして、一歩一歩できることを増やしていき、笑顔を取り戻された。








■<思ったこと>---------------------------------------

音無さんのうつ病体験には、なぜなってしまったのか、どうやって立ち直ったのかのヒントが沢山あるように思います。

番組で、うつ病の原因を「喪失体験」というキーワードで提示していたように、直接のきっかけは喪失体験です。

がんになってしまった、乳房をとってしまった、という大きな大きな喪失体験のグリーフワークをしなかったこと。嘆きも悲しみも深いはずなのに、その気持ちをスルーして前向きに頑張ろうとしてしまったこと。
喪失体験をしたときに、十分にグリーフワークができなかったことが“うつ”に至る原因となっています。

ですから、喪失体験をしたときは十分に時間をとって、存分に嘆き悲しむことがうつの予防になります。



ところで…
ではなぜ、そこで立ち止まらずに明るく頑張り続けようとしたのか。
負けず嫌いで頑張り屋な性格?

ではなぜ、そういう性格になるのでしょうか。
生まれつき? ……



---------------------------------------
ここからは、いろいろな家族事例を基に、うつを解決する一つのヒントとして音無さんの事例を取り上げさせていただきます(以下は全て音無さんの事例に仮託した一つのストーリーです)。

「転」「結」のところを見ると、音無さんを現実に引き戻したのは夫や子どもたち―「現家族」でした。
夫が、音無さんが「一人ではない」ことに気づかせ、「母親」であることに気づかせました。そして、現家族の「未来」に目を向けさせました。
そして、子どもたちがお母さんの存在に「ありがとう」と言ってくれました。

「現家族」
「一人ではない」
「母親」
「未来」
「ありがとう」


これらが復活のキーワードでしたね。
ということは、それとは逆の状態にあったとき、「死にたい」という思いにまでなっていたと言うことです。ちなみに、上記の言葉をひっくり返してみましょう。

「源家族」
「一人(孤独)」
「子ども」
「過去」
「感謝されない」


…恐らくですが、音無さんの親自身も我慢強く弱音を吐かず完璧だったのかもしれません。あるいは、親が苦労していて自分が頑張ることで親が喜ぶという家庭環境だったかもしれません。または、成果をあげると認められるという「条件付き愛情」の中で育ったのかもしれません。いずれにせよ、そういう中で「頑張り屋」の性格が形成されます。親に認めてほしいからです。

「努力せよ(頑張れ、怠けるな、休むな)」というのは、交流分析の中で「5大ドライバー」と言われているもののうちの一つです。
ドライバーとは、「その人を駆り立てるもの」という意味で、「努力せよ、でなければ生存してはいけない」=「努力していなければ存在価値はない」という「存在するな」という禁止令を含んでいますので、人を遮二無二駆り立ててしまいます。

このように無条件に愛情をもらえないと言うことは、「あるがままの自分(存在)であってはいけない」という禁止令を与えることになってしまうのです。自分であるのに、自分ではないものにならなければいけないので、これはとても辛いですね。

しかも、ただ頑張るだけではなく「完璧であれ」というもう一つのドライバーが加わります。(残る3つのドライバーは「強くあれ」「急げ」「人(親)を喜ばせよ」)

頑張るだけではダメで、さらに完璧を目指す裏には、完璧でなければ見捨てられるという「見捨てられ不安」があるように思います。つまり、ポジティブに生きているように見えて、その裏には常に、親に見放されるのが怖くて懸命に完璧を維持し続けなければならないという不安が張り付いているわけです。




つまり生まれてこの方ずっと緊張感の中で過ごしているわけで、一時も心休まる暇がありませんから、実は蓄積疲労でクタクタになっています。そこで、体がガンになって警告を発したわけですね。

でも、その警告に耳を傾けず家庭生活も芸能生活も維持し続けようとされました。人とのコミュニケーションを強制的にでも断たなければ音無さんは頑張ってしまいます。そこで、体は声を出させなくしてしまいました。自分の体が自分を緊急停止させたようなものですね。

しかし、完璧であることによって自分の存在不安から逃げ続けてきた音無さんは、当然のことながら完璧を失うことによって一挙に不安のどん底に突き落とされたわけです。

「完璧であれ、でなければ生存してはいけない」

音無さんの頭の中にはこのドライバーが棲みついていますから、死にたくなるのも当然だったかもしれません。

つまり、この時点まで音無さんは「親に認められたい子ども」だったと言えるでしょう。外からはどう見えようと、頑張っても「感謝されない」「源家族」の中の「子ども」として「一人(孤独)」ぼっちで生きてこられたのではないでしょうか(←キーワードをつなげてみただけですが…)。

人は、このように「今」を生きているようで、10歳頃までに創り上げた「人生脚本」に従って生きています。「過去」に縛られて生きているわけですね。




その音無さんの心の目を開かせてくれたのが「現家族」でした。
自分を見守る夫がいて「一人ではない」こと。
自分は、もはや「親の子」ではなく「子の親」であること。
自分の「あるがままの存在」に感謝してくれる子どもがいること。

夫や子どもが音無さんのあるがままを認めてくれたのです。
それで音無さんは「頑張らなくていい」「完璧でなくていい」ことに気づかれました。この時、親のために生きてきた自分を捨てたのでしょう。親のために完璧を演じ続けてきた人生脚本を捨て去り、「現家族」とともに「未来」を創り出していく新たな人生のスタートを切られたのだと思います。



…と、このように分析してみなくても、「あるがままの自分」を認めてもらえた時に、人は生きる意欲が湧いてくることが分かりますね。

努力していようが怠けていようが、
できようができまいが、
完璧であろうがなかろうが、
そんなことはどーでもよい。

ただ、ここにいる自分をありのままに受け止めてもらえたときに
音無さんの中でカルチャーショックが起こったのではないでしょうか。
そのショックでハッと我に返り、「立ち位置」を変えた。

…そう、ただそれだけのことなのです。
「立ち位置を変える」

これまで親を背負って「親の子」として一歩も動けずに踏ん張り続けた。親を背負うことをやめれば、その二本の足で歩き出すことができるのです。親も含めて誰もが、自分の人生は自分で責任を負わなければなりません。自分の身の上や周りに起こる現象、夫や子どもがそのことを教えてくれました。


無意識に自分を縛っている親への思いを手放しましょう。
あれこれうるさく言ってくるIP(インナーペアレンツ)は無視しましょう。

「今、いのちがあなたを生きている」のです。

無理をせず、
あなたらしく生きること

それこそが幸せであり、
そして、幸せに生きている人が周りを幸せにするのです。







福島高3母親殺害事件-2.家族を支配する方法~完璧な母親の無自覚な支配
「頑張る家族」劇場
頑張ってはいけない

京都で感じたこと(1)―「今、いのちがあなたを生きている」
子育て心理学:第2部 5)子どもを否定する親の「条件付き愛情」


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癌家系は我慢家系?

 

「現家族」
「一人ではない」
「母親」
「未来」
「ありがとう」

「源家族」
「一人(孤独)」
「子ども」
「過去」
「感謝されない」

「あるがままの自分」を認めてもらえた時に、人は生きる意欲が湧いてくる

…分かりやすいですね。
納得です。
ありがとうございます。

 
    
 
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