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第2部-3、家族の機能(調節弁)として生きた子ども

2009/05/20(Wed) Category : 仮面の家
第2部 生き方モデルがいなかったりょう先生

■3、家族の機能(調節弁)として生きた子ども----------------

日常的に大喧嘩しているのに、なぜ別れないのか?
子どもは不思議に思います。母親は「子どものために別れなかった」と言ったりしますが、子どもは内心「別れればいいのに」とさえ思っているのです。それを別れないのは、子どもから見ると、“母親は子どもより父親をとった”ということになるのです。

その理不尽をストレートに表したのが、二人の姉でした。
弁護士は『両親と二人の姉とのあいだの確執』『とくに上のお姉さんと親との相克』『りょう先生は、父の暴力を目の当たりにして、両親と姉とのあいだで板挟みになってへとへと』と述べています。“両親”と姉―つまり、姉たちにとっての敵は父親だけではなく母親も敵ということです。


-----------------------------------------------------
一方、母と行商に歩き、後ろから『ぼく降りて押そうか』といつも心配していたりょう先生にとって、母親は助けるべき存在であり、自分のことを振り返ってほしい存在でした。
この時、りょう少年がリヤカーを押し、お母さんが「ありがとう」と言ってくれていたら、もっと自由になれていたかもしれません。しかし、『いいのよ』と言われ、手助けしたいという思いを遂げられなかったりょう少年は、母を楽にさせたいという思いをその後もずっと引きずっていくことになります。

そして、その母親が“記憶力”で評価する父親もまた、先に見たように尊敬すべき存在でした。つまり、両親ともに敵である姉二人と、両親ともに慕うりょう少年の立ち位置は大きく異なるわけです。

結果、りょう青年二十歳の頃には『いつも私がなだめ役のほうに回っており、そういう精神的な疲れもあったりして、生きていくということに、かなり否定的な、厭世的な考えに陥っておりました』。


どのような組織(システム)も恒常性(ホメオスタシス)を維持しようとします。そのため、システムにどこかおかしいところがあると、それを補正するような働きをする者が表れるのです。この家族システムでは、りょう青年がプラケーター(なだめ役)となって家族ホメオスタシスを保とうとしたわけです。





このことを家族療法的に見ると次のようになります。

現状がおかしい場合、その現状を変えて新たな(平衡)状態を作ろうとします。それが、姉たち二人の抗議ですね。このように現状を変化させようとする行為をポジティブフィードバックと言い、その結果新たな状態に移行することを「形態発生的変化(モルフォジェネシス)」と言います。

一方、新たな動きが起こった場合、それを収めて原状に戻そうとする行為をネガティブフィードバックと言い、その結果元の状態に戻っていくことを「形態維持的変化(モルフォスタシス)」と言います。

家族は、その成員がそれぞれの「個人の発達課題」を経て成長していきますので、その成長に合わせて形態発生的変化をしていかなければなりません。それを乗り越えていくことが「家族の発達課題」なのです。

しかし、現状を維持しようとする親は変化を認めようとしないため、ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックの対立が過激になっていきます。これをエスカレーションといいます。


りょう青年は、「形態発生派」の二人の姉 vs 「形態維持派」の両親 の闘いの間に立ち、そのなだめ役をすることによって、逆にこの対立を続けさせることになりました。このように、悪しき状態を延命させる役割をしてしまう人をイネイブラー(維持者)と呼びます。

自分が延命させているわけですから、この対立はなりを潜めません。つまり、自分が無意識に維持しつつ、自分がヘトヘトになっていったわけです。やがて自殺未遂を起こすわけですが、家族の調節弁とでもいうような「機能」として生きることが、どれほど人を疲れ果てさせることかが分かると思います。





家族の発達課題

短大生遺体切断事件の家族心理学(8)-勇貴と亜澄



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