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第2部-5、気持ちを切り捨てたりょう青年

2009/05/21(Thu) Category : 仮面の家
第2部 生き方モデルがいなかったりょう先生生>

■5、気持ちを切り捨てたりょう青年-------------------------

話しは少し戻ります。
りょう青年は貧乏から抜け出るために一浪して東大を目指します。記憶力勝負の実力発揮ができますね。『私が何とかこの貧乏を救えたらな』。東大に入れば、『無限の幸福が待っている』―そういう思いでした。何かをしたいから目指すのではなく、東大そのものがゴールだったわけです。

しかし、そこにバラ色の将来は見えず、その代わり見えたのは『45kgの貧弱な身体で、運動は不得意、音楽、美術、書道もダメ、容貌は生来変わるべくもなく、一体天は我に何を与えてくれたのだろうかという劣等感に打ちひしがれている』孤独な青年の姿でした。

この体型にもりょう青年の置かれた状況が現れています。ストローク飢餓であれば体も成長しません(母性的愛情欠乏症候群)。「心身一如」という言葉がありますが、心が飢えれば体も飢えているのです。

生きる術(方法)を持たないりょう青年は、東大という「資格」が自分に幸せをもたらしてくれると信じ、それにしがみつきましたが、学歴は何の助けにもならないことを思い知ったわけです。



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学生生活も、『二度と戻りたくもない、振り返るのもゾッとする青春時代』と言うほど、『楽しかった日々はほとんどなかった』生活でした。『(スキーなんてブルジョアの遊びで俺には関係がない)といつも僻んで』おり、『アルバイトにばかり追われ』る生活でした。

そして、「桜貝」という小説で、『もう恋はいらない。』と女性主人公につぶやかせています。男性の側は結婚を望んでいるのですが、男性のあずかり知らぬところで女性の側に邪魔が入って結婚をあきらめるという筋で、男性がどう望もうとも結婚にはたどり着けません。と申しますか、この男性は既に結婚しているのです。

この小説を書くことで、りょう青年は自分自身に『恋はいらない』と言い聞かせたのではないでしょうか。結婚は愛を育むものではないという諦観がそこにあります。彼は、この時、自分の気持ちを切り捨てたのではないでしょうか。



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一方、『3、家族の機能(調節弁)として生きた子ども』で見たとおり、父親と家族のいさかいは激烈を極めます。
プラケーター(なだめ役)となって家族システムのホメオスタシスを維持する機能をし続けてへとへとになり、人間としての人生を生きていないりょう青年は、『生きていくということに、かなり否定的な、厭世的な考えに陥っておりました』。

『無限の幸福』どころか無限の地獄のみの学生生活と源家族の家庭生活。行き詰まった彼はついに自殺未遂を起こします。睡眠薬をウイスキーと一緒に大量に飲んで特急列車に乗ったのです。しかし、その列車が急停車した時に床に投げ出されて大怪我をし、救われます。

彼は、自分が憧れていた父親的生き方モデルと心中するつもりだったのかもしれません。そして、死ねないことが分かったとき、りょう青年は、自分が憧れていた父親的生き方に決別するしかありませんでした。


実はこの時、彼は生き直しのチャンスを与えられたのです。
救われたときに、自分の気持ちを切り捨てて組織(システム)の一機能としてのみ存在する心なきロボットとしては生きていけないことにこの時気づいていれば、彼は生き直しができたでしょう。





【心身一如の事例】
「18歳軟禁女性」と「スーザン」と「少年A」



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