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第6部-5、魂が殺される恐怖

2009/06/20(Sat) Category : 仮面の家
第6部 制圧

■5、魂が殺される恐怖----------------------------------

精神科医から、このままいけば『悲惨な生涯になります』と言われたあけみさんは、夫ともに諒君に病院に行くように勧めます。『自分のは、そんな医者に行って治るようなものじゃない』と諒君が言うのも当然でしたが、りょう先生は『“おまえはなんでも自己判断が強すぎる”と注意』しています。

禁止令が出ましたね。
「おまえは自己判断が強すぎるから、自分で判断するな」という禁止令であり、その本質は「だから、親の言うことを聞け」ということです。
枠に従って生きている人間は、「心」ではなく「形」で判断しています。ですから、心で判断すること自体がそもそも逸脱行為なのです。決して諒君が自己判断の“強い”人間ではありません。これもまた、りょう先生の立場から見たレッテル貼りなのです。

諒君は、これまでの生育歴の中で、感情を禁じられ、愛情を禁じられ、音楽という自己表現も認められず、スキーという支えも封じられ、いよいよ弱ると責任逃れされ、そして今、考えることさえも禁じられました。
あなたは、この監獄の中で生きられますか?



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それから三週間後、異変が起こります。
『長男の部屋で本棚が倒れる音がしたと同時に、長男が真っ青な顔をして部屋から飛び出し、鳥肌を立ててブルブル体を震わせていた』のです。

昼寝て、夜中に音楽の仕事をしていた長男は、前夜徹マンをして朝帰りし、八時頃に寝付くのですが、『気がついたら、“怖い”と自分が叫んでいて、その声の大きさに自分が怖くなった。このまま死んでしまうのではないかと思った』とその日見てもらった医師に訴えています。

"怖い"のは、あがいてもあがいても、自分の人生が親に絡め取られていくことへの恐怖でしょう。自分の人生を歩くことが出来ず、親に破壊されていくことの恐怖です。そして、ついには親の操り人形となって魂の抜け殻となっていくかもしれないことへの心底からの恐怖なのです。“怖い”と叫び声をあげたのは、彼のインナーチャイルドでした。



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彼はそのときこうも言っています。
『何かの霊が乗り移っているということはないですよね?それとも霊媒師とかにみてもらった方がいいですか?』

親という“生き霊”が取り憑いているのです。
ただ、それは霊媒師ではどうにもなりません。

自分が巻き込まれている世代間連鎖の構造を「理解」すること。
親への思いを「あきらめる」こと。
自分がインナーチャイルドを救い出す「決意」をすること。
自分の気持ちに従って活き活きと生きることこそが幸せであり、親ができなかったことをすること=自分の人生を歩むことが真の恩返しであることを「悟る」こと。
それが、唯一諒君を救う道でした。
絶望も孤独も不安も吹っ飛ばし、何より強いのは「生きる意志」なのです。



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『ともかく勝たないといけないのに、どうも自分のからだを犠牲にしてしまったと思う』
“ともかく勝たないといけない”―この言葉が痛々しくて仕方がありません。親からのプレッシャーに負ければ、そこで終わりなのです。魂の抜け殻なのです。

親兄弟とも、世間とも、自分とも、四重五重に闘っている、疲れきった子どもの姿が見える気がします。
その子は、この世の誰からも認められずに泣いています。
ボロボロに疲れ果てて泣いています。






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レッテル貼りは加害を正当化する準備でもあるから、その意味でも無意識レベルで恐怖を感じていたのでは?

私が院に行きたいと思った動機の一つは、大学の学生用無料カウンセリングと法律相談でした。

 
    
 
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