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NHK「虐待の傷は癒えるのか」を見て

2009/07/04(Sat) Category : 虐待
NHK「追跡!AtoZ」で「虐待の傷は癒えるのか」を見た。
玉井邦夫大正大学教授が被虐待児の心身を大ざっぱに言うと次のように説明されていた。

感覚、感情、思考が一体となって自己一致する。
たとえば、親から叩かれたりしたときに、感覚「痛い」、感情「悲しい」、思考「なぜ?」が一致したときに納得がいく(…でもね、叩く必要はありません)。

が、叩かれた理由に納得できなければ、悲しいほかに「理不尽」「悔しい」という怒りが湧く。

さらに、理由もわからず体罰を受け続けるとき、感覚、感情、思考を統合できなくなる。そのあり方はいろいろとあるが、その一つのパターンは例えば次のようなもの。
→理由なく痛みを感じ続けるのも嫌なので、痛みに鈍感になる。叩かれる度に悲しみや悔しさを味わっていると身が持たないので、感情も封印する。「なぜ?」を考えるのをやめる。

が、ディスカウントされた怒りは「心のコップ」に蓄積されている。その怒りは常に出るチャンスをうかがっているので、何らかのきっかけでキレる。



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カメラは全国に33カ所ある情緒障害児短期治療施設のうち、長崎の大村椿の森学園に入っていたが、誤って手が触れただけで怒り狂う女の子や、自分担当のスタッフが食堂で他の子と座っているのを見ただけでキレまくる子など、どれだけディスカウントされてきたのかが思いやられて痛ましい…。

これはひどいと思ったのは、小学児童の母親。
子を引き取るために来園し、久しぶりに会ったというナレーションの後すぐの母子の会話を聞いて、これじゃあ“支配者と使用人”じゃないか、と思った。これで、この母親の元へ返すのか?

そして、数ヶ月して来園し母子面談の後、帰るときの母の子への相変わらずの命令口調。あぁ、支配者と使用人じゃない、“犬のしつけ”だと思った。
この女は(←失礼、もはや“母親”ではない)、人を育てることを犬のしつけと同じに考えている。これを見て、この子をそのままこの親と帰らせるのか?

この女性、インタビューに答えて曰く。
外で暴れていると聞くけれど、家ではおとなしく大声も出さないという。当たり前だ。家の中で人扱いされない怒りを外で吐き出しているのだ。

この内外のギャップをスタッフに指摘されながらも、児童相談所が乗り込んできたときに、なぜ来るのかわからなかったし、今も自分のどこが悪いのかわからないと言う。
今は問題を感じていないし、将来怖いとすれば家庭内暴力の問題だけ。だから、親はいつも上だということを思い知らせておく必要があるという。……二の句が継げない。

この女性の心の闇もまた深い。



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このような施設は、子どもの心の治療にだけ焦点を当てている。
仮に何とかトラウマを克服して帰ったとしても、肝腎の家が変わっていないので、元の木阿弥なのである。

腐った土壌から芽吹いた植物。しかし土壌が悪いので曲がって育ち、そこで違う土壌に移し替えて何とかまっすぐに育て直したのに、また元の土壌に返しますか?

考えればシンプルなことだ。
子どもがおかしくなったのは、親がおかしいからだ。子どもを治療しても、親が治療されていなければ、また同じ目に遭うだけなのだ。
「親子関係の修復」などと曖昧な表現を使っているから、実体が見えなくなる。親が治療されなければ修復はありえない。親の治療と子の治療をそれぞれ行い、治療を受けた親子が一緒になって、はじめて修復がなされるのだ。

このような施設には、是非家族相談士を配置してほしい。子を施設で預かり治療する間、家族相談士は親のカウンセリングに当たる。そういう態勢を是非とってほしいと願う。



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「児童虐待に関する相談件数は増加の一途をたどり、児童虐待問題は社会全体で早急に解決すべき重要な課題だ」【2009年版「青少年の現状と施策」(青少年白書)】(7/3内閣府発表)というのなら、予算を割け。

然るべき対策をとるために実態を把握するわけだろう。単なる発表のためだけに調査しているわけではないだろう。対策をとるということは即ち、そのために行動できる人を配置するということだ。人件費コストをかけるということだ。そのために税金が使われることを嫌がる人間はいない。

会社、学校、病院、家庭……もはや、ハコの中身はガタガタである。
児童虐待相談数が4万件突破、自殺者10年間3万人超のディスカウント大国日本。心を亡くし、身を滅ぼし、国の宝である子も失っている。にもかかわらず、亡国の道をひた走っている。

117億円かけて「アニメの殿堂」を建設するくらいなら、アニメーターの超低給与を上げるとか、このような心の問題に対応できる体制及び人を増やすなど、国としていくらでもやるべき事があるだろう自民党!!!



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戦前戦後は、戸籍筆頭者の法律上の権利の強弱に差があるだけで、維新期に欧米から導入したhusband(家の主人)となる事によりwife(女:manの妻がwoman)を助手とし、父となる事により妻を助手としてfamily(ラテン語で従僕・奴隷)を支配するアブラハムの宗教の家父長制

家族親族制度はそのままです。
というより、夫が妻を助手として子供(family)を支配する家父長制家族形態はむしろ強化されていて、結婚によって指導者と助手の関係、親となる事により、支配者と支配者の助手と被支配者の家父長制が生じたと思い込みやすい制度である事を、日本人は無自覚なまま強要されているのだと思います。
元々女の権利が強い国なので、妻である母親が支配するケースも多いですが。
民主主義は、自然発生的な指導者が存在して機能する制度です。誰もが、良い大統領を選べる政治経済の知識を持つわけではないが、教養や知識や判断力があって誠実で良い大統領を選ぶ事が出来る人格者が誰かは日頃の暮らしの中で判る、というのが大統領選挙人を選ぶ、米の大統領選挙の民主主義の考え方。助手と子供を指導する家父長が集まって決める直接民主主義が根強かったスイスで、婦人参政権が完全に確立するのは1991年です。
離婚再婚が自由で母子同居を可能にする経済基盤を女が得られ、産んだ同母異父兄弟姉妹の父達に、自分の子のために可能な最良を提供するよう要求出来ると、子は父より低い身分とされる事が無く、父の氏姓とされ、父と同じ父系血統集団の氏に属する事になります。適任者が氏の上や氏の長者になるのであって、氏の上や氏の長者が率いる集団が氏なのではありません。
義理父子関係や義理兄弟関係を許容する父系集団とその配偶者と使用人から構成される家も同じ。
武家の家族家中は軍事組織でもある為、指揮命令系統を成り立たせる序列があって、当主は家族家中に対し軍事指揮官としての権限を持ちますが、適任者が当主とされるのであって、婚姻で夫となり子が生まれて父となった事に基づき妻を助手として子を支配する家父長権ではありません。

欧米等のアブラハムの宗教の家父長制は、基本的な人間関係を、神が創った世界を支配させるために創られたman人間とmanの助手として創られたwoman(manの妻)の、支配者と支配者の助手の関係である婚姻関係を基本的な人間関係とします。
支配を継続するために人間が子を生むのを、支配者の助手として子を出産して助けた人間の妻が産んだ子が、人間の子で、子も支配の対象である世界の一部。妻以外の女が産んだ子とは父子関係が無く奴隷です。
支配の助手とする事を神と契約し支配の助手となる事を神と契約して成り立つ、家父長制結婚観を下敷きにする日本国憲法24条に子供は出て来ません。

 

人間のテーマ

支配と服従の環境で育ち、それが正しい親子(地域社会)の在り方だと信じて疑わない両親と、学校で民主主義を教わった子供世代は、常識も愛も幸せの定義も対極で、考え方としては旧憲法時代の方が圧倒的に長い歴史で多数派なのが現状のように感じています。私の両親も同じ、命令しているという意識もないのだと思います。私の両親も口をそろえて自分の親は優しかったと言います。支配と服従が愛でないと(自分は親から愛させていない事になるから)どうしても困るので、その証明の為に子供にも同じ愛(支配と服従)をするのですね。親が自分と向き合う選択をしない限り子供にはどうする事もできません。主従関係ですから子供(下)の言う事など聞く耳を持ちません。真の意味で心を通わせ合う、相手に寄り添う、を知らないのだと思います。口先で媚びて子供をコントロールしようとしている、それが子供にとって何より悲しく絶望的な事か分からないから止まないのだとも思います。そして私の中にもそんな悪魔の血が流れているのではないかと若い頃は悩み死んでしまいたいと思った事もあります。本当はそんな親子関係は寂しいです。世間からは人でなしに見えるでしょうけど、結局私も主人も両親とは距離を置くしか手立てがありません。












 


>情緒障害…病院でカウンセリングを受けていた時、カウンセラーに言われた言葉です。

>自分に関係の無い、他人事みたいに聴いていたけど、その時よりはその意味が理解できる気がします。

>「親はいつも上だということを、思い知らせる必要がある。」

>忘れていたけど、幼い頃、父がしょっちゅう口にしていた言葉です。

>そういえば、母も言ってましたね。


 

>“犬のしつけ”

>今は問題を感じていないし、将来怖いとすれば家庭内暴力の問題だけ。だから、親はいつも上だということを思い知らせておく必要があるという。

 あ。うちの父と、同じ考え方だ。
そう思いました。
 
 でも、それに私が大きく疑問を持ってなかった事にもビックリです。
 それが、普通なのかな。そういうものなのかな?くらいに思っていたから…
 
 父の言葉を疑わずに生きてきたので、どんどんひっくり返る価値観に目の鱗が落ちる想いです。
 
 その後に残る「なんてことをしてくれたんだ!」という怒りの気持ちと共に…
 

 

はじめまして

私もテレビ見ました
自分もまだ母親になって1年なので毎日試行錯誤ですが親になって一番感じたのが『親が子供を思う気持ち』はたしかに底なしだなって思います。でもそれ以上に『子供が親を求める気持ち』ってすごいんだなってことです。あの小さな体全身で求めてこられると多少イライラしててもいとおしくなります
だからテレビでハヤト君が『親が好き』『もっと親を大事にしたい』って言ってるのを聞いて泣けてしょうがなかったです

親になる前は自分の子供が被害者になったら・・としか考えることがなかったのに特に息子の産まれた年は通り魔てきな事件が多く私の間違った愛情で加害者になってしまう可能性があると思うと一人の人間の人格形成に深くかかわっている責任を感じるようになりました
私にできることは毎日毎日むぎゅーって抱きしめるだけなんですけど(たまに拒否されます(笑))

これからも先生のブログ参考にさせていただきます
いつもありがとうございます

 

専制君主からの配給ビール

「真空の時間」(08年12月)「事件は家庭で起きている?」(09年1月)、「高齢の親による子殺し」などのタイトルで投稿した者です。

60数年前の戦中・戦後を生き抜いた今の70代から80代の高齢者は、想像以上にタフで強烈なパワーを持っています。それは若い核家族だけの家庭には想像もつかないくらいの一種の凄味があります。だからこそ、敗戦国だった日本が一気に高度成長期に突入できたのかもしれませんが。


我が家ではモラ母の意向で近年、夕食の晩酌タイムが午後15時台に繰り上がりました。私は休肝日を作らなければまずいし、夕方早くから飲酒する習慣がつくとイヤなので、時々拒否するのですが…その時間に缶ビールを呑まないと、モラ母がキレてロボット父や私に喚き散らします。

「せっかく買ってきてやったのに要らないとは、何様のつもりだ!!」
「呑んで、せいぜい憂さを晴らしたらいいだろ!!」

これは78才になる高齢者(モラ母)のお言葉です…
それにしても、我が家はなんと不可解な家庭でしょうか?

モラ母が怒り狂っているのは、きっと家族の《餌付け》スケジュールに狂いが生じたからなのだと思います。私は半強制的にアルコール中毒への道をたどらされているような…それで親から「アル中娘」として撲殺されたら、ホントいい面の皮ですよね。

世間からは「娘さん、アル中だったっていうじゃない。親御さんも悩んでいたのよ。仕方がないわよ」で話が済んでしまうのかな? 理不尽だ。

 

先日も

86歳の母親が58歳の息子を殺害したというニュースがありました。
仕事が続かず、アルコール依存症で、母親に乱暴な口を聞くことがあり、その老母は「悩みを一人で抱え込んでいた」「息子が心配で心配でしょうがなかった」「自分さえしっかりすればよいと黙々と働いていた」などと、さも母親が最大の被害者であるかのような報道でした。
息子はアルコール依存から病気になり、杖をついて歩くほどでしたが「飲まずにいられないんだ」と周囲にもらしていたそうです。
母親は息子が『布団に横になってテレビを見ているところ』をひもで首を絞めて殺害したそうです。

なんという『枠』のおそろしさ…身の毛がよだつ思いでした。

 
    
 
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