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パワーバランス解消モデルを世界に提示した武装解除人 伊勢崎賢治さん(1)

2009/08/23(Sun) Category : 人物
新聞で伊勢崎賢治さん(51)を知って度肝を抜かれ、いつか紹介したいと思っていた。目力と骨のある人間である。WEBの「魂の仕事人」シリーズで、詳しくインタビューされていたので、それを再構成して紹介したい。
http://www.jinzai-bank.net/careerlab/info.cfm/tm/021/


■伊勢崎賢治さんの仕事の現場------------------------------

▼最初に着任した東チモール
『そのとき、そこはまさに焦土でした。(略)ほぼ100%破壊しつくされていました。住民への攻撃も凄惨を極め、殺人、強盗、放火、レイプが日常的に行われ、多くの住民が殺され、生き残った人々も避難生活を余儀なくされていました』


▼次に着任したシエラレオネ
『とにかく相手がまともな連中じゃなかった。朝から麻薬やって、交渉の現場でもラリったまま実弾の入ったピストルをくるくる回してるんですからね(笑)。ほんとにいつ撃たれるかわからない。ロシアンルーレットまがいのことをやられた同僚もいたしね』

『シエラレオネの内戦では、そのゲリラの少年兵が村の子供の手足を生きたまま切るとか目玉を抉り取るなんてことが日常的に行われてたわけです』

『中でも最も残虐だったのは、少年兵同士の「賭け」ですね。対象は妊婦。おなかにいる子供は男か女か? っていう賭け。で、妊婦の腹を割いて勝ち負けを決める。その後妊婦も子供もそのまま放置しちゃうから、当然死んじゃいますよ。これは非常に広範囲でやられたギャンブルなんです。遊び半分で人を殺す』




■伊勢崎賢治さんの任務DDRとは?---------------------------

Disarmament(武装解除)
Demobilization(動員解除)
Reintegration(元兵士の社会復帰、もしくは社会再統合)

『ゲリラや軍閥と交渉、説得して武器を捨てさせ、部隊を解体し、そして元兵士を社会復帰させる一連のプログラムのことです。要するに紛争や内戦が勃発している国へいって、戦争をやめさせ、平和を取り戻す仕事ですね。』




■紛争介入のタイミング--------------------------------------

『大体僕らが紛争に介入するときは、ボクシングでいうとタオルを投げ入れる状態。ほんとうに打ちあっている状態ではなくて、どちらも疲れてきてグッタリしているとき。じゃないと介入できませんから。その前に入っていくと、こっちも殴ることになっちゃうから。そうすると三つ巴になっちゃって武装解除どころじゃなくなる(笑)。』

『で、ぐったりしているところへ、もうやめようよ、このまま続けててもいいことないよ、と持ちかけるわけです。さらに戦争を止めたら恩恵まで与えるからってね。つまり彼らにとっては渡りに船の状況を作ってあげるんです。』




■紛争介入の姿勢------------------------------------------

『正義を執行しないと虐殺は再発しますよ。だって、何百人も殺した兵士が罪に問われることもなく恩恵まで受けられるんなら、本人も、そういうのを見た子供たちも、同じことしようと思いますよね。何やっても許されるんだって思ったら。悪循環ですね』

しかし、戦争は終わらせなければならない。

『紛争が終わることによって彼らが失うものを補填するとか、デメリットを少なくしてあげるというわけです。たとえば何百人も虐殺したゲリラ兵でも罪に問わない、仕事がなくなる人であれば職を与えたり職業訓練を受けさせる、選挙に出たい人にはそのチャンスを与える、利権が好きな人にはそれにふさわしいポジションを与える、など。そうやって、殺し合いをしなくても社会生活を送っていけるような仕組みを作るわけですね。』

「正義」と「終結」のギリギリのせめぎ合いの中で、「終結」を選択せざるを得ない。だから、決して戦争を起こさせてはならない!




■武装解除の方法------------------------------------------

1,Disarmament(武装解除)
『自分で自分の武器を壊させます。このとき、何を思うのかほとんどの兵士が涙を流します』

2,Demobilization(動員解除)
『動員解除とは軍事組織を完全に解体すること。組織が残っていればまた内戦が勃発してしまいますから』

『まず部隊の指揮系統を整備し直すんです。解体とは逆の方向では?と思うかもしれませんがそうじゃない。特に長期化している紛争では、指揮命令系統そのものが疲弊して使い物にならなくなっている場合が多い。すると統率力も弱まり、末端まできちんと命令がいかなくなってしまう。そうすると武装解除の命令なんて誰も聞かない』

『だからまず指揮命令系統から立て直して、司令官→隊長→兵士と命令が行き届くようにして、末端の兵士から順々に解体させていくというわけです。
(略)つまり「自分たちで自分たちを解体させる」んです』


3,Reintegration(元兵士の社会復帰、もしくは社会再統合)
上記、“姿勢”の項参照のこと。




■心構え------------------------------------------------

『武器を頼りに生きてきた人間に武器を捨てろというんだから、交渉が長引いたり、なかなか理解してもらえない場合ももちろんあります。うまくいくことばっかりじゃないですよ。そのくり返しが成功に見えるだけで。スムーズになんか絶対行きませんよ、全てが。でもあきらません。あきらめたらおしまいですからね。武装解除の現場で、交渉が決裂したからやめるということはありえない。僕らは平和への活路を開くためにやってるわけなんで』




■日本政府に言いたいこと------------------------------------

『アフガンは多民族国家で、当時9つの軍閥が互いに覇を競い合う群雄割拠状態でした。そんな彼らにとって、武器は武士の刀と一緒。「魂」なわけです』

『世論として、国民の総意として武装解除しなくちゃだめだと。武装解除に抵抗している軍閥は、民衆の支持を得られないと。そういうムードづくりをしたのは、全部僕ら、日本政府のチームなんです』

『アフガンDDRは国連の一員じゃなくて、日本政府の一員として取りくんだんですが、DDRなんて日本はやったことないわけですよ。(略)中には武装解除をしたくない軍閥もいて、刺客が送られるとか真剣に想定しなければならないんですけど、武装してないから身を守る術もないしね。非常に心細い思いをしました』

『さらに日本のダメなところは、武装解除を主導して成功させたのに、それをアピールしないんですよ。国内にも海外にも。現地政府国防省の首脳部の人事にまで介入して、軍人組織を解体したんですよ。さらに武器を回収して、整備までして新しい国軍を作ったんですよ。極めて軍事的なオペレーションでしょ? それを日本の血税を使ってやったんですよ。しかも自衛隊を使わずに。そういうことをみんな知らないでしょう? だから国益になってないんですよ』



■日本がやってはいけないこと-------------------------------

『紛争国があったとしたら、その国にね、良い国軍を作っていかに社会を安定させるか、住民に優しい警察力をどうやって作ってあげようかとか、そういうことをするのが、本当に頭のいい近代国家、お金と思慮のある先進国のやるべきことなんですよ。(略)先進国の中で、唯一そういうことをやってないのは日本だけ』

『じゃあ何のためにやってるのか。アジア近隣諸国に対する示威行為ですよ。やろうと思えば、これだけの規模の軍隊をいつでも、すぐに送れるんだぞというね』

『また、そうすることによって日本国内の右傾化した人たちが喜ぶからです。政治に利用されてるわけです。これはいかんでしょ? 僕はね、軍……あえて自衛隊を軍と呼びますけど、その軍は平和のために有効的に利用しなきゃいけないと思います。そうじゃなきゃ第二次世界大戦の反省がまるっきりされていないということになりますからね』



■日本がやるべきこと(5/2朝日より)------------------------

『9条の下で自衛隊ができることはたくさんあります』

『敵対勢力間の信頼醸成のための軍事監視団です』

『相手も軍事組織です。そこに中立的な立場の軍人が、非武装で立ち向かうことが重みを持つ。彼らから見れば軍人は武装して当たり前。それが丸腰。だから説得力があります』

『どの国から派遣されているかも重要です。日本が持つ中立的なイメージのおかげで、軍事監視は自衛隊のお家芸になるはずです』

『僕は今まで紛争処理の現場で、日本人であることで大変得をしてきました。日本は経済大国だが侵略はしないという安心感。広島、長崎に代表される、被害者の立場に立ってものを考えられるまれな大国。アメリカとは違う、自主性のある国。これは「美しき誤解」かもしれません。でも大事にしたい』






★------------------------------------------------------
すごいね。
そして、素晴らしいね!
実行する努力を続ければ、それは誤解ではなく現実なるのです。

私も平和な世界での話だが、組織改革という現場で経験している。
まさに、「ああここは瓦礫の山だ」という実感があった。
そのマイナスをゼロにすることがどれほど大変か!


それにしても、ここに日本独自の世界平和貢献への道が示されているではないか。パワーバランスの一角に入り込んでパワーによる平和維持ではなく、パワーそのものを解体することによる平和維持の道である。

パワーに頼る解決は、結局残虐のエスカレートしか生まないことを、鏡となった子供達(少年兵)が純粋に映し出した。彼らの中では、より残虐に殺した者が崇められ上がっていった。そこには終わり無きらせんの道しかない。


伊勢崎さんは、9つの軍閥によるパワーバランスの世界を解除して見せた。彼は見事に、パワーバランスを解消できるひな形を世界に提示したのだ。

それができたのは、「憲法9条」により、これまで他国に派兵せず他国との間に利害関係がなかったからである。アフガンにおける成功も、日本が中立的立場であり信用があったことが大きい。

戦後60年以上紛争に介入しなかった歴史を積み上げてきたこと。だからこそ中立的立場となりえて、今世界的に貢献できること。つまり、これこそが「憲法9条」の威力であり賜ではないか。

他国に対して「何もしなかった」戦後の歴史があるからこそ、伊勢崎さんが活躍できる素地が生まれた。「憲法9条」の効力は、今現在、すでに世界的に発揮されているのである。

伊勢崎さんは、「憲法9条」を日本の宝から世界の宝に変えた。
それは、日本自体を世界の宝に変えうる道を示したということだ。



★「憲法前文」のために「憲法9条」を活かす------------------

伊勢崎さんが、日本を世界の宝に変えうることができた理由。
それは、彼が「憲法9条」を「憲法前文」の決意を遂行するためにきちんと活用したからだ。

【憲法前文】
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」

「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」

―信頼するなら武器は不要だ。武器に頼らず、恐怖と欠乏をこの世からなくすと決意しているのである。そして、その目標実現のために

「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。(1946年11月3日公布)」

彼は、まさしく憲法前文の決意を実行するために、全力を挙げている。
そして「憲法9条」の威力を活用して、人の命を救うのみならず日本の国際的評価を上げている。

政治家の皆さん、憲法前文を心に刻んで、本気で平和な世界創りに取り組もうよ!!




【『世界一受けたい授業』 伊勢崎賢治先生 2/2 (2008.11.15放送)】





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