子育て心理学:第1部 1)思い当たることはありませんか?
■1)思い当たることはありませんか?
自分の苦労は子どもにさせたくないと思っていませんか?
子どもが苦労しないように導くのが親の役割と思っていませんか?
―よかれと思ってしていることが、子どもの「生きる力」を奪っているかもしれません(お膳立て症候群)。
家族で出かけても、夫がいつも一人先を歩いていて家族が置いてけぼりにされていることはありませんか?
子どもが起きる前に夫は出勤し、子どもが寝た後に帰ってくる。ほぼ毎日がそういう状況にありませんか?
―もしそれが普通なら、あなたは既に無意識のうちに「母子カプセル」に陥っているか、将来「母子カプセル」に陥り子どもを窒息させることになるかもしれません。
この人についていけるのは私しかいないと思っていませんか?
夫の言うことに妻が従うのは当たり前と思っていませんか?
―“実はそう思っている”とすれば、「家族カプセル」の中で子どもが親の支え役になり、将来外に出て行けない若者になってしまうかもしれません。
夫に子育てで口を出されたくないと思っていませんか?
夫や他人から子どもを守るのは自分の役割と思っていませんか?
―内心、そうだ!と思い当たることがあれば、あなたが子どもの「外骨格」になってしまって、子どもの自我がうまく発達しないかもしれません。
自分たちは世間的な価値にとらわれない自由な夫婦だと思っていませんか?
子どもには感情的にならず理性で根気よく言い聞かせることが大切だと思っていませんか?
―その通り、と誇らしく思っていても、子どもに生きる上での「背骨」となる社会的な規範(安全な行動基準や善悪・正邪の判断)が身につかない可能性があるのです。
母子家庭だからと、人様に後ろ指を指されるような大人にさせたくない、と強く思っていませんか?
中学受験の時に自分の判断で中学を選べるような子どもを育てようと思っていませんか?
―その理想に反して、「親に嘘をつき、多動的で落ち着かず、イライラする子ども」に育つ可能性があります。
子どもを育てるに当たって、“これだけは教え込む”という信念がありませんか?
家は、社会のルールを教え込む場と思っていませんか?
―中学生の頃には「キレる」子どもになっているかもしれません。
親は子どもの前では常に正しくあらねばならないと思っていませんか?
親を敬う姿勢がなければ怒りが湧いてきませんか?
―“そういえばそういう気持ちになることが多いなぁ”と思われた方、子どもは「早期うつ」になる可能性があります。
ご夫婦のどちらかが家の“ルール”になっていませんか?
家が家業を継いでいて、家を守ることが第一になっていませんか?
―それが当たり前だと日常を過ごしている内に、子どもが青年期にさしかかる頃、「統合失調症」を発症するかもしれません。
あなたは、子どもが病気になったとき以外は忙しくて十分に構ってあげられないということはありませんか?
あなたは、子どもが何かを達成したときにだけ愛情を示すという愛情の出し惜しみをしていませんか?
―子どもは、「愛情をもらえる条件に従った不自由な生き方」をするようになります。前者の子は病気がちになり、後者の子は努力しても達成感のない人生になってしまう可能性があります。
夫婦共働きで子どもに向き合えない後ろめたさを、子どもにお金を渡すことで肩代わりしていませんか?
家族揃って食事をすることがあまりなく、たまに揃ってもテレビが主役で会話がないということはありませんか?
―子どもは、「人間関係モデル」や「家族モデル」を見失ったまま、試行錯誤のつらい人生を送ることになります。
あなたは、内心今でも親に甘えたいと思っていませんか?
あなたは、親に謝罪してもらいたいと思っていませんか?
―心の奥のその奥に、もしそういう気持ちが見つかったなら、「世代間連鎖」の問題が子どもに現れるでしょう。
思い当たることがなかったでしょうか。