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子育て心理学:第2部 6)「無条件の愛情」が基本的人権を守る社会の土台

2009/11/25(Wed) Category : 心理学
子育て心理学
第2部-人は「どのように」育っていくのか?(人生脚本編)

■6)「無条件の愛情」が基本的人権を守る社会の土台

前項で、『条件がついた時点で、人はあるがままの自分(Be)ではいられず、自分以外の価値観に侵入(Do)される』と書きました。そして、『この“条件”は間違った形でしつけや教育、訓練に用いられることが多く、その場合、人(Be)と人(Be)とが協力して何かを行う(Do)という共生社会ではなく、人(Be)を自分の思う方向に鋳型成形するために働きかける(Do)という統制社会へと向かいやすいのです』と書きました。

さて、人を支配する統制社会に向かおうとするとき、「支配と服従」に不満を持つ人々の逸脱を防ぐために、必ず最下層(Nothing)が置かれることになります。スケープゴートを作ることによって言うことを聞かなければああなるよ、と見せしめにするわけですね。

同時にそれは、「上を見るな、下を見よ」と、人々の意識のベクトルを上ではなく下の方向に向けさせることができます。関心を上に向けさせず、しかも見せしめにできる―“上”にとっては一石二鳥です。



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たとえば江戸時代、搾取される農民を支配するために、穢多非人を制度化(身分や居住区を固定化)し最下層に位置づけました。これら最下層の人々は政策的に生み出され、現在でも部落問題として尾を引いています(=巧みに“下”の方に意識を向けさせ続けられていると言うことです)。

最近では、派遣労働者が政策的に生み出されましたね。ワンコールワーカーなどの最下層(ワーキングプア)を置くことが、正社員に暗に脅しをかけることになります。働き過ぎに歯止めがかからなくなったのもその脅しの効果ですし、年収400万円以上の社員に対しては残業代を払わなくていいという米国のとんでもない法律「ホワイトカラーエグゼンプション」を導入しようとしたのも、嫌なら非正社員(ワンコールワーカー)に転落するよ、という脅しが効いているからです。最下層を置くことで脅しをかけ、賃金頭打ち&時間無制限で働かせようとしたわけです。

(尚、ホワイトカラーエグゼンプションは、日本では「自律的労働制度」という煙に巻く名前で自民が導入しようとしました。さらに当時の舛添厚労大臣は「家庭だんらん法」という呼称に換えるよう指示したそうですね…(--;))



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また、家庭においても、親がある子どもを自分の目的に向かって馬車馬のごとく走らせるようとするときに、別の子どもを最下層に置くことがあります。たとえば、兄が妹を殺害してバラバラにした猟奇殺人で耳目を集めた「短大生遺体切断事件」がそうでした。

この家では、勇貴被告を母親の目的に向かって走らせるために、亜澄さんが最下層に置かれたのです。詳しくは、「短大生遺体切断事件の家族心理学(8)-勇貴と亜澄」をお読みください。

このように、家庭であれ、会社であれ、地域であれ、国であれ、「支配と服従」を組織原理にしているならば、そこには必ず見向きもされない最下層(Nothing)が置かれるのです。

家庭におけるロストワン、学校や会社での無視やいじめ、地域における村八分、国における部落差別や不可触賎民―家庭レベルから国家レベルに至るまで、人をコントロール(Do)するために置かれるのが最下層(Nothing)―つまり、(Do)と(Nothing)はセットなのです。

do&nothing




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いかがでしょうか。
なぜ、無条件に愛する(←変な言葉ですが…)ことが大切なのかが分かったことと思います。それ以外は、結局「支配と服従」なんですね。

さて、すべての人は自分も他人も守られる社会にしたいと願っているはずです。これを難しい言葉で言えば、「基本的人権」が保証されている社会ですね。たとえば、子どもの人権をスルーして育てようとすると、簡単に躾が支配に転化します。

家庭において基本的人権が体現されていなければ、基本的人権が保証された社会を作ることは出来ません。ですから、躾や教育の前に、否、すべての人間活動の前に、この基本的人権の理念がなければならないのです。

憲法でいえば、もっとも重要な「基本的人権」を削除してしまった場合、他の条文をどう構築しようとも、それは個々人を尊重するものとはならず、個々人を支配するものとなってしまうのと同じことです。

では、基本的人権とは、どういうことでしょうか。私なりの定義を書いておきます。



基本的人権---------------------------------------

●「基本的人権」とは

自分の思いや気持ちを大事にして、自分のペースで生きることができる権利


●「基本的人権の保証」とは

自分の思いや気持ちを大事にして、自分のペースで生きることができることが“相互に”護られていること。(“相互に”=保証するのは人です。互いが互いの人権を認めなければ、基本的人権は達成されません。)


●「基本的人権が達成されている姿」とは

自分が認められ(I,m OK)、その自分を認めてくれる周囲をも認める(You,re OK)こと。「わたしもあなたもオッケー」―これが基本的人権がすべての人に達成されている姿です(^^)。

fundamentalhumanrights


人々がお互いにあるがままの存在として認め合う社会にするためには、「無条件に愛すること」―それ以外にありません。






★無条件の愛情
★基本的人権 
★支配と服従


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日本国憲法の確定者は、女奴隷に産ませた我が子を奴隷として使役し販売して富を得る事も正当な幸福追求権の行使であって、差別されてはならないと奴隷農場主達が主張した基本的人権の尊重が尊重される事が国民の福利だと考えました。 それが日本国憲法13条です。 第13条すべて国民は、

個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

何を、幸福として追求するかは、個人として尊重される各国民の自由です。

第19条思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第20条信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。…

が、憲法の原理により13条19条20条も国民の福利のための条規でその限りにおいて有効な条規です。
国民が、
自分の思いや気持ちを大事にして、自分のペースで生きることができる権利を侵害されない事が国民の福利だと考えれば、
国民を代弁する国会は、全ての国民がこの権利を他者から侵害されない事を公共の福祉と立法出来ます。具体的には他者の思いや気持ちを侵害したり生きるペースを乱したら、刑事罰を課され損害賠償を請求される。家庭内の親子夫婦兄弟姉妹間で。
基本的人権では親子夫婦兄弟姉妹間でも家庭の中でも基本的人権は衝突し、著しい他者の基本的人権の侵害に対し刑事罰を課して民事の損害賠償義務を認めて衝突を調整するしかないのです。
それより、親も子も夫も妻も兄も姉も弟も妹も、国にとって掛け替えの無い存在なのだから、家族は家族に対し、
父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信ジ恭儉(きょうけん)己レヲ持シ博愛衆ニ及ボシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ、以テ智能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ、進デ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ、常ニ國憲ヲ重ジ國法ニ遵(したが)ヒ、一旦緩急アレバ義勇公ニ奉ジる

これらが出来る人間になれるように接しろと国が命令する方が家庭内は平和です。
思いや気持ちを大事にしてくれる大人が周りにいないと子供はこういう事が出来る大人になれないでしょう。子供がどういう人間力を持つ大人に育つのがいいか、社会に共通認識があれば、子供は育ててくれる多くの親代わりを持てます。生みの親に注意したりすることも出来ます。今は子供をどうしたいかは親の幸福追求権。子供をどうしたいのかは親自身も判らない。他人の子に関わることが出来ません。
幕府が穢多非人身分を定めたのではなく、中世に皇室貴族寺社大名が神人に認めていた職と権利義務を武具用皮革製品確保等のため認めただけです。穢多も非人も公民で職の独占権や自治権司法権を持ち裕福な家も多いです。農民の牛馬の死体の没収権等で穢多視されて行きます。明治に職の独占と自治の継続を拒まれ、権利を失い蔑視が残りました。

 
    
 
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