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子育て心理学:第5部 1)育つとは、いろんな自分になれること

2010/01/07(Thu) Category : 心理学
(というわけで、自分と向き合うためのよすが程度にこのシリーズも学んでいただければと思います。では、再開)

子育て心理学
第5部-子どもに「何を」育てるのか?(自我形成編)

■1)育つとは、いろんな自分になれること

第1部-問題を見る視点、第2部-人生脚本編、第3部-家族機能編、第4部-ストローク編ときて、ようやく育てる話しに入ってきましたね。言い換えれば、しつけや教育など親が子どもに働きかけること(Do)より、親のあり方(Be)そのものがとても大事だということです。

これまでお話ししたことを一言で言うと、
「愛情を持って、子どもを一人の人間として(存在を)認めて接する」ということです。

これは、「豊かな人間」として育っていくための基本を示したものです。時代や価値観、民族を問わず、この世で人として健全に生きていく上での人間的基礎をどのようにつくればいいのか、その部分にフォーカスしてお話しました。

さて、育てる話の最初にゴールを見ておきましょう。ゴールに向かって子どもを導いていくわけですから、ゴールを間違えるとトンデモナイところに行ってしまいかねません。さて、人が育って成熟した状態とは、どんな状態でしょう…。



自我状態 ------------------------------------------

交流分析の創始者エリック=バーンは、あるクライエントと話をしているうちに、時に子供っぽくなったり、いかめしくなったりすることに注目しました。そして、子供っぽい自分や親そっくりの自分など、人にはいろんな状態の自分がいる、ということに気づきます。

egostate


P:子どもや若者に対してはしっかりと導くことのできる親であり、
A:会議では、しっかりと議論・判断ができる大人であり、
C:時には童心に返ってリラックスすることもできる。

この3つの「自我状態」を自在に使うことにより、自由で豊かな自己表現が可能となります。このように時に応じて適切な自我状態で対応でき、自分を充分に表現できること―それが、成熟している状態ではないでしょうか。ここでは、「成熟した状態とは、健全なPACが人の中にはぐくまれていること」と定義したいと思います。
  


---------------------------------------------------
ところで、成熟とはいわゆる大人びることではありません。
上記のように、人の中には子どもから大人までの自分がいます。それぞれの自分を、そのときの気持ちに即した表現で表すことができること―それが成熟だと思います。

大人になっても、童心に返って無邪気になることがあっていいのです。「男だから○○」「女だから○○」「大人だから○○」というべき論に縛られることによって、多くの人は自分の中の童心を抑圧し柔軟性を失って硬直化していきます。

それだけではなく、抑圧された童心が無意識の衝動となってその人を突き動かすことになります。それが自分の人生をあらぬ方向へとし向けていくことになります。ですから、童心を満足させることがとても大切なのです。



例えば、治療目的で幼児退行することはよくあることです。
成人した息子に子守歌を歌って添い寝するとか、妻が幼児返りして夫が哺乳瓶でミルクを飲ませてあげるとか。おかしなことでもなんでもありません。そういうことをしてもらっていないICがそこにいるのです。ICはそういう体験をして満足すれば解放されていきます。

家族全員がこのようなことを理解すれば、いろいろと役割交替をすることもできます。成人した子どもが赤ちゃん言葉を使ったり、時に親が赤ちゃん言葉を使って子どもに甘えたり。時に姉が弟を「おにいちゃん」と呼んでみたり。このように、日常の中でも時に戯れるといいのです。とてもラクになりますよ(^^)。



尚、日本語はいろいろな自分を表すのにとても優れた言語だと思います。自分の呼び方がたくさんありますよね。つまり、いろいろな自我状態を柔軟に表現できるということです。

例えば英語は「I」しかありませんので、いろいろな自我状態を表すには不便ですね。西洋に比べて日本で多重人格が発現しにくいのは、気持ちに応じていろいろな自分に移り変わることのできる日本語の柔軟性にも、その一因があるのではないかと思ったりします。





★除外 ---------------------------------------------

ちなみに、べき論で硬直して生きていくとPAC間の心的エネルギーの流動がなくなっていきますが、このことを交流分析では「除外(締め出し)」と言います。偏ったエネルギーバランスになるわけですね。以下にそれぞれの場合における例を一つづつ挙げておきます(それぞれ様々なパターンがあります)。

Pを除外(AとC):自己中心的合理性
Aを除外(PとC):禁止令と衝動の闘いに翻弄される
Cを除外(PとA):規律重視、無感情的、機械的

Pが極大:他者批判 or 超過保護
Aが極大:事実、データ偏重、冷淡
Cが極大:自由放縦 or 過剰適応


何事も、バランスが大事ですね。




---------------------------------------------------
★自我状態
★除外



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日本はアニマ・アニムスや影の文化で、ロリコン文化とは違うと思います。 アニマ・アニムスや影に直接働きかける芸術は慰め効果が強いので、どっぷり浸って引きこもることも出来てしまうようですが。

ロリコン文化は一種のレッテル貼りで、
ロリータコンプレックスの文化では無いと思います。

イスラム教の教祖のマホメットは53歳の時6歳のアーイシに求婚して妻にし、9歳になった時夫婦の関係になっているのでイスラム教徒は女児と婚姻出来ます。
キリスト教は中世迄ヨーロッパ文明を圧倒して繁栄していたイスラムの文化の多妻、蓄妾、幼児性愛、幼児婚、老いらくの恋や、年の差婚を不道徳と非難して対決して来たため、異教徒や異教文化に小児性愛愛好文化のレッテルを貼って不道徳性を非難するのは一種の伝統です。色気を排除して、これに合わせる商売をしているのが日本アニメのライバルディズニーです。

ヒトの基本的な適応戦略は猿類随一の多産となることでしたので、ヒトは大人に成り切る前に生殖能力を持ちます。
16歳以上の妊娠出産可能な未成年に対し性的興味を持つのは異常ではなく規範やタブーの問題です。学歴や職歴等を獲得するために妊娠出産の能力が高く親の援助を受け易い時期を犠牲にすることを女性が強いられる社会を当然とするためのタブーと言うことも出来るかも知れません。

日本の漫画アニメ文化の少女キャラは、年齢設定がロリータコンプレックスやアリスコンプレックスの対象年齢でも、描かれているのは個性と人格と女性です。ハイジコンプレックスの対象年齢のキャラクターは個性を持つ子供として描かれていて、成熟した人格と個性と身体を持つ大人の女性に対する恐怖心の反映はありません。
ヤオイ文化と併せて、アニマ・アニムス文化だと思います。

ヒトの適応戦略である多産は、女の妊娠出産授乳育児の能力に依存するため、これらの女の生殖能力は聖化されて崇拝の対象となり女神崇拝に結び付きます。一方で、生殖能力を持つことによる負担から解放されている思春期迄や閉経後の期間は女性の人生にとって貴重な期間となり、女子は男子より精神的な成長が速いし、長生きで文化を伝える立場となります。

アブラハムの宗教は、人類を繁栄に導いた女子力を体現する女神への信仰を否定して、
女の夫とであり子の父であることにより支配者であるというイデオロギーを宗教化したものです。

女神の聖性を否定するために、女が生殖能力を持つ期間とその開始終了の区切りの聖性を否定することになり、父なる神は全能(乳房を持つ)の神として閉経したアブラハムの妻に出産させる力を示します。聖性を持つ期間の開始の区切りも無視されるようになります。

 

世間体は・・・

自分の生父母を振り返って、CPは極大で振り切れていたと思うのですが、それはACとセットになった「世間体大事」だったような・・・
だから、「世間の外=子ども」を虐待しても反省する根拠を持てないし、孫にまで(笑)「NP=FCの癒し」を強制したりするんだろうな
もしかしてロリコン文化も関係あるのかも
「世間」を交流分析したら、NPって除外になってそうですよね?

 

最後のPAC除外と極大、それぞれ陥っていますね。

 
    
 
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