Getaway!
命を賭けて亡命する?
もし、あなたが軍国主義下の日本にタイムスリップしたら、どうする?
命を賭けて亡命する?
残念ながら人間は、どのような環境にも慣れることができる。
環境馴化(じゅんか)―それは、生物の本能だ。
環境からスピンアウトするにせよドロップアウトするにせよ、その環境から逃げ出す“亡命”者は0.001%くらいだろうか(←根拠なし)。いずれにせよそれくらい、人はいったん慣れた環境からは飛び出そうとしない。
人が死んで動かない―その傍らを何事もないかのように人々が行きかっている北○鮮の映像。
それを、異常だと放映する“日本”という国のマスメディア。
その“日本”という国では…
近隣で、子供が自殺したり、母子心中したり、という環境にある“日本”という国のある地域。
隣の課で、同僚が自殺したり、うつ病になったり、という環境にある“日本”という国のある会社。
子供の泣き叫ぶ声が聞こえたり、女性の悲鳴が聞こえたり、という環境にある“日本”という国のあるマンション。
それぞれが個室に引きこもり、薄型の大型テレビの音だけが虚空に響く団欒という言葉の消えた“日本”という国の家庭。
……
残念ながら人間は、どのような環境にも慣れることができる。
環境馴化(じゅんか)―それは、生物の本能だ。
そして、人間らしい感受性は鈍麻されていく。
自分一人だけならば、自分の運命は自分で決めるとよい。
どういう末期をたどろうとも、それはあなたの勝手である。
しかし、もし守るものがあるのならば…
「Getaway!」(逃げ出せ!)