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IP(インナーペアレンツ)の逆襲―自分が自分に与えるネガティブフィードバック

2010/02/21(Sun) Category : 自律(自由と責任)への道
IPとの闘い方】8

初めて自分の思いで行動できた。楽しかった。成功した。やったー!!
というような出来事があったとしよう。

すると、その日の夜や翌日に、ズドーンとIPが強烈な逆襲を仕掛けてくる。
「おまえごときが」
「何様のつもりだ」
「いい気になるな」
「出しゃばりすぎだ」
「大それた事をするな」
「浮かれてんじゃねぇ」
「身のほどを知れ」
「恥さらし」
「大きな迷惑だ」
「二度と表に出るな」

とまぁ、情け容赦ないメガトンパンチ(その実は、小さい頃からことあるごとにいろいろな場面で聞かされてきた、あるいは態度で示されてきた両親からのやっかみなんだけどね…--;)。あれこれと至らないところをあげつらい、そこに意識を集中させて自分を責めてくる。つまらない「木」を見させて豊かな「森」を見させない。

森全体を俯瞰できる傍から見ると、その事実の取り上げ方が偏っていたり、事実の解釈の仕方があまりにも一方的だったりするのだが、「プログラム化された思考パターン」に陥っている本人はそのことに気づかない。

同時に、ドーンと孤独、淋しさ、不安、恐怖、鬱状態が襲いかかってくる。
「金もないくせに」
「仕事もしてないくせに」
「遊んでばかりいるな」
「怠け者」
「働く者食うべからず」
「明日からの生活はどうするんだ」

…ほんと、どこかで聞いたような言葉ばっかりだねぇ(--;)。
ほっとけ!と言いたいような陳腐な文句が並んでいる。



★------------------------------------------------------

あるミュージシャンの男性Dさん。
自分をがんじがらめにするIPと自分を突き上げる怒りのIC(衝動)。その二つの地獄から、2年をかけてようやく這い上がれるところにやってきた。
そういうある日、素晴らしいセッションを体験した。心が躍った。こんなに楽しいのは生まれて初めてだった。

すると翌日―ドーン!と痛切な不安が襲いかかってきたのだ。
Dさんは息も絶え絶えのような感じだったが、私から見ると「おぅ、よくやったな!」という気持ちだった。

これだけIPがなりふり構わず全力で襲いかかってきたということは、IPが追い込まれているということなのだ。もはや追い詰められているのは自分ではなくIPの方なのである。だから「強烈な不安感情」をなりふり構わず押しつけてくる。

これだけあからさまに見せたということは、IPがその姿を現したということ。追い込まれて引きずり出されたのはIP。もはやターゲットは明確になった。だから、相手が強烈な不安の中にいるのに、「おめでとう!」という変な会話になったりする(^^ …もちろん、一通り気持ちを聴いてからですが)。

なぜ、おめでとうなのか?
それは、IPが悲鳴を挙げだしたからだ。
その悲鳴は、いよいよこれからIPvsICの本格的な闘いに入るという「号砲」なのだ。

そして、この闘いは必ず自分が勝利を収める闘いなのである。
なぜなら、この2年間の苦闘の間に自分とICが手をつなぎ、自分が一人で立てる背骨を作ってきたからこそ、IPがあぶり出されてきたからである。
強烈な不安が襲ってきたということは、実は、もう自律寸前に来ているということに、IPがお墨付きを与えてくれたようなものなのだ。
だから、「よくここまできたね、おめでとう!」なのである。



------------------------------------------
一度あぶり出されてくると、出てくるスパンが短くなる。
次にDさんを強烈な不安が襲ったのは、とても嬉しい出来事があった10分後だった。それこそ、外でバタンと車のドアの音がしただけで、金の取り立てに来た!という妄想までよぎるような不安感だった。
彼は、「あ"ぁ!!!」と大声で叫んで不安を打ち払った。

「身体が反応するのが悔しいけど、でも、もう笑っちゃいますよ。だってわずか10分前に嬉しいことがあったばかりですよ。それなのに、なんの脈絡もなくいきなり不安が突き上げて来るんだから」

「これじゃあ、なにやったって不幸にしかなれないようになってる。ムチャクチャですよね」

不安感だから“実感”する。しかし、それがIPの仕業とわかっている。だから、心に余裕がある。

「にしてもIPさん律儀だね~。“お勤めご苦労さん!”って肩叩いてやるといいよ」

「ほんとですね!」
二人で大笑いした。

「いやぁ、勝てる勝負っていいですね。楽しいなぁ」

今や彼は、“不安”を楽しんでいる。目に感情を宿していなかった2年前とは別人。否、つい最近までとも別人。生活は墜落すれすれ低空飛行だが、心は何より希望に満ちている。






このように、IPが「孤独」「淋しさ」「不安」「恐怖」を引き連れて強烈な逆襲を仕掛けてくることがあるが、それはIPが追い詰められているから。あなたが自律一歩手前に来ている証拠なのだ。不安に襲われたとき、事実を俯瞰して冷静に眺めてみるといい。不安になるいわれがどこにもないことがわかるはずだ。動じることはない。

実は、この現象は恒常性(ホメオスタシス)維持のメカニズムなのだ。すべてのシステム―生物の身体から、個体が集まった家族や会社などの組織、地域や社会体制にいたるまで―は、恒常性(ホメオスタシス)を維持しようとする働きがある。

『現状を変化させようとする行為をポジティブフィードバックと言い、その結果新たな状態に移行することを「形態発生的変化(モルフォジェネシス)」と言います』

『新たな動きが起こった場合、それを収めて原状に戻そうとする行為をネガティブフィードバックと言い、その結果元の状態に戻っていくことを「形態維持的変化(モルフォスタシス)」と言います』
第2部-3、家族の機能(調節弁)として生きた子ども


自律してはいけないという脚本で生きている人にとって、嬉しいことや楽しいことは自律に向かうポジティブフィードバックだ。この時、その人の生体システムは、これまでの生き方(脚本)の恒常性を維持しようとネガティブフィードバックを仕掛ける。それが、「不安」や「恐怖」の感情なのである。

つまり、「喜び」「嬉しい」「楽しい」-このようなポジティブフィードバックを打ち消すためのネガティブフィードバックが「不安」や「恐怖」というわけだ。つまり、先にも書いたが、IPとはあくまで単純なプログラムなのである。

(と、システムズアプローチの観点から書くと、つまんね~^^;。擬人化していた方がおもしろ~。でも、わかってしまえば他愛もないものなんです)

ま、だから、「不安」や「恐怖」が脈絡なく出てきたら、うろたえず、
「おつとめご苦労さん!」と声に出して言って、笑い飛ばそう。
シュンとして消えていきます(笑)。



人間、不安を笑い飛ばすことができるんです(^^)。
そして、あなたは勝利する。

その先に待つのは、限りなき自由の空。

あの空の向こうに広がるまだ見ぬ新世界。
その世界に向かうスタートラインに、あなたは立つ。


不安や恐怖で小さなところへ押し込めようとするIPを蹴散らせ!
ピッタリの歌を贈りましょう。



lecca 「スタートライン」



小さい水槽の中に自らを閉じこめておこうとする自分。
まずはプールへ。
そして、やがては大海原へ―

親とのへその緒を切ったとき、あなたはこの地球のどこへでも自由に行くことができるのです。



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つらいです


 

小さな子

久し振りの友人達との旅行の夜、幸せな気分で眠っていた私の頭の中に「厭な人」が現れました。言われることはいつもと同じ。
「なにを調子に乗っているの? みっともない」
「浮かれちゃって、恥ずかしい」
「あんたなんかがそんなに大切にされる訳が無い、皆本当は嫌がっているのよ」
あぁ、また始まった。と思って寝返りを打つと、枕元に小さな子がいました。こちらをじっと見て、満面の笑みを浮かべ、小さな手で私の指先をぎゅっと握りました。
その瞬間、愛しく暖かな感情が流れ込んで来て、「厭な人」はどこかへ消えていました。ふわんとした心地だけが残り、私はまた眠りに付くことが出来ました。

なんだか不思議な気持ちです。
その小さな子が私に向ける愛情は無垢でまっすぐで、とても安心なものです。
そして、私がその子に感じる愛おしさも、混じり気を感じません。
小さな子は多分自分自身。
私が己をこれ程に受け入れ愛していたことを気づかせてくれました。
幸せだなあ、と思います。

 

> いつか振り返ってみると わきめもふらぬあの日々が
> たどり着きたかったトコに 私を連れてきてた
> それが思ったより 楽しいばかりじゃなくても
> なかったことになんてしたくない あの毎日を

「今」が幸せなら過去を肯定し、「今」が不幸せなら、過去を否定しました。でも、自分の足で歩いている「今」を感じられた瞬間、過去は、いいも悪いもなく、私の歩いた道なのだと受け止めることができました。たどり着きたいトコに、私を連れていくための「今」が存在しています。

 
    
 
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