女子中学生鷹匠に見た子育ての真髄
独学で学んだという美里さん。
しかし、100羽のカラスの大群になめられていた。
そこで、テレビ局がプロの鷹匠に指南を仰ぐ。プロの目から見た美里さんの飼い方は“ペット”だった。
1,1日8時間以上、鷹と接する
2,放鳥したら、戻ってこないからと言って迎えに行かない
3,鷹がとまりやすいように、鷹にとって向かい風となる位置に移動する。
4,鷹が困っているからといって、すぐに呼び戻さない
それまでは、
1,せいぜい30分だった
2,自分の方から動くことにより主従関係を崩していた
3,鷹の事を知ろうとせず、追い風となる方が楽だと思いこんでいた
4,劣勢の時に呼び戻していた
鷹への接し方が間違っていたことを知る美里さん。
それから、行動が変わった。
学校へも腕に乗せて連れて行く。授業中も教室の止まり木にとまっている(学校も偉い!)。獲物を捕る訓練をして、野生を取り戻させる。
この日々を通じて、なにより美里さんが精神的に強くなっていった。
そして、初めて参加した鷹狩り。
鷹が他の鷹を襲うこともあるというので躊躇していた美里さん。
しかし、ある時獲物が出てきた瞬間、その獲物だけを見つめて飛び立とうとした鷹の様子を見て「大丈夫!」と確信し、次の時に放った!
そのような経緯を経て、再びカラスの大群に向かう。
最初は、鷹を怖れることなく攻撃を加えてくるカラスたち。
しかし、美里さんは呼び戻すことをせずじっとこらえて見守る。
すると、ついに、鷹が攻撃した。
一度動くと、もう負けてはいなかった。
そして、ついに100羽ものカラスを追い払ったのである。
「カッケェー!」
思わず拍手(^^)
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このプロセスは、子育てのプロセスと全く同じだと思った。
つまり、人を自律に導くプロセスと全く同じである。
1,十分なアタッチメント(愛着、信頼関係)をつくる
2,自分から迎えに行かない(向こうから来るまで待つ)
3,相手が帰って来やすい環境になる
4,困っているのを見てもじっと見守る
そして、
5,相手が目的に向かおうと飛び立つときは、背中を押す
ここには、辛い木を見守る親の姿がある。
鷹がたった一羽で100羽の大群に立ち向かうことができたのは、
1,自分を見守ってくれている後ろ盾(信頼関係)があり
2,お前は大丈夫という背中の後押しがあった
からだろう。
美里さんがやったことは、鷹にあれこれと指示したわけではない。
ただ、鷹のことをよく知り、信頼関係を築き、なにより自分自身が強くなっただけだ。鷹にDoingするのではなく、ただ後ろ盾として大地にしっかりと立っていた(Be)。つまり、鷹を責めたり、鷹を変えようとするのではなく、自分のあり方を変えたのである。すると、自分の鏡である鷹が変わった。
ここに、人と人との関係の真髄がある。
いい姿をみせてもらった。
鷹匠いいなぁ。年取ったらやろうかなぁ(^^)
・環境としての親
・「親」という字