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人が守るべきものを示した「沈まぬ太陽」

2010/03/07(Sun) Category : 映画
妻と二人で「沈まぬ太陽」を見てきた。
5日、日本アカデミー賞で最優秀作品賞に選ばれ、渡辺謙も最優秀主演男優賞を受賞。その「凱旋上映」ということで再上映されたのだ。

途中何度も涙が出た。
いろんな立場、いろんな思いが自分の中で渦を巻く。

会社の健全さを保つために闘っているのに、会社から煙たがられる恩地。
会社と闘っているのに、家族より仕事が大事な「わがまま」と不登校になった娘から言われる恩地。
そして、会社からも家族からも遠ざかり、異国の地で一人、精神的に追い詰められていく恩地。

よくわかる。
が、父親にどういう事情があろうとも、父親が守るべき家族は組織に翻弄されてきた。私の父と私たち、そして私と私の家族―それらが重層的にダブり、父親の立場、家族の立場その両面からいろいろな思いが湧いた。



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が、私の中に最後に残ったのは、「何を守るのか?」というテーマだった。

守るもの=目的が異なれば、自ずと取る行動が違ってくる。
スタート地点は同じでも、ゴールが遠く隔たってしまうのは当然のことだ。

総理は「ナショナルフラッグキャリア」を守るために、
その参謀である元大本営の龍崎は「国」を守るために、
御巣鷹山ジャンボ機墜落事故で危機に瀕した国民航空の再建を民間出身の国見に託す。国見は、ご遺族の無念に応えるために企業風土改革を引き受ける。

スタート地点から、政治家達と国見の向いているゴールは違っていた。
政治家達が守りたいもの―それは、キャリア(=運ぶ器)であり国―つまりは「器」である。

『「家」を守る道具となって、「人」(亜澄さん)を殺した勇貴容疑者。
「国」を守る道具となって、「人」を殺す兵隊。
実は、同じなんです。
大義がわかりにくければ猟奇殺人にされ、大義があれば正義になるのです。
しかし、国も家も、たんなる「器」です。
守るべきは「生活」、国や家ではありません。国も家も生活を守るものであり、手段でしかありません。目的と手段を間違えてはいけません。 』
「短大生遺体切断事件」 14.大義が心を殺す


ジャンボ機墜落事故で夫を亡くしてアル中になった女性が、
「国民航空は人殺しだ!」
と叫んだ場面が象徴的だった。
妻も息子家族も失い、つまり「家」を失って遍路に出る年老いた父親もいた。

命を人生を奪って、国民航空は何をしたか。金の力でマスコミや政治家を抱き込み、事態の収拾を図った。その象徴的な場面が、遺族の家で賠償金の査定を無感情に事務的に進める場面だった。そこには、企業という「器」を守るために、命や気持ちなど関知しない姿勢が如実に表れていた。



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「家」「企業」「国」―器を守るために人が道具や犠牲になる本末転倒。
このような本末転倒を、個人レベルから国家レベルに至るまで人類は繰り返している。なぜ、こうも無造作に手段が目的化するという本末転倒が起こってしまうのか。

それは、そもそも生きること自体が自分の不安を見ないための手段となってしまっているからだ。生きることが思いの達成のためではなく、不安を見ないための「時間の構造化」になっているのだ。
存在不安がある人の時間の構造化の仕方

存在不安の強い人は、自分が死んだ後のことまで画策する。自分の痕跡を残さなければ、不安でおちおち死んでもいられないのだ。わが子や孫を自分のクローンに仕立て上げようとするのも、仏壇や墓の確保に奔走するのも、すべて自分の痕跡を残すためである。

自分の痕跡が残るのであれば、残された者たちがどのような人生を送ろうが関係ない。家族の人生を犠牲にして、先代の墓守をされている方も多い。
文京区無理心中事件~苦悩する2代目の方へ


その「自分の不安を見ない」ことが、「家を守る」、「企業を守る」、「国を守る」に転化していく。アバターの記事で、『装甲が大好きなのがハラッサーの特徴の一つだ。鉄の子宮である車など大好きだ。クオリッチ大佐もまた、巨大母艦(鉄の母親)の中に身を置き、さらに周りを無数の武装ヘリで囲む。心の不安を埋めるための武装に際限はない。』と書いたが、その最たるものが国家武装である。

人がいなければ国もないのだが、人は道具であるから国のために「一億玉砕」などという発想も生まれるのである。みんな一緒なら不安はない。道連れや心中の発想だ。

このように戦争体験をした存在不安の強い世代が、本末転倒社会を創り上げていった。悪しきものは、人類に不安と恐怖をまき散らす戦争である。
戦争がもたらしたものをきちんと検証することなしに、過去を振り返りたくないとばかりに、ただ自分から逃げ続けていると、必ず事件や事故が起きる。



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同じ所からスタートしたかに見える恩地と行天。
しかし、恩地に劣等感を持つ行天の心根は違った。

「俺が勝ったんだ!」
行天が恩地に悲鳴のように叫んだとき、そこに行天のすべてが現れていた。

私も、会社時代、社員同士の議論を聞いていて驚いたことがあった。
目の前の議論を介入せずに眺めていたのだが、ある瞬間に日本でトップの大学を出た社員が、「勝ったのは俺だ!」と叫んだのである。

彼の頭の中には、常に自分と他人を比較する親(IP)が棲んでいた。
いつもIPに追い立てられて負けることは許されなかった。
彼は、「勝った!」と宣言することにより、IPに認めてもらう必要があったのである。「僕が勝ったよ。だから僕のことを認めてよ、お父さんお母さん」と5歳児が懸命に叫んでいるのである。

存在不安の強い親を守るために、常に追い立てられ、幸せを感じることもなく、勝ち負けの評価しかない人生―


感情から逃げ続けた行天と
気持ちに忠実に生きた恩地
ゴールは遠く隔たってしまった。

恩地が辿りついたところ―それは、アフリカの大地だった。
「アバター」でジェイクがパンドラの大自然の中で自分を取り戻したように、会社の価値観で僻地と見なされているアフリカは、恩地にとっては殺伐たる会社から豊かな感情を取り戻す大地だった。

誰とでもつながることのできる人類発祥の地―アフリカ。
そのような国境なき大地あってこそ、太陽は沈まないのだろうと思った。











「沈まぬ太陽」に見る自律への魂の成長の物語

山崎豊子さんを突き動かした不条理への怒り
「ボイスレコーダー ジャンボ機墜落20年目の真実」
「たけしの日本教育白書2007」~(4)社会的責任とはなにか
新藤兼人さんに映画「ヒロシマ」を作って欲しい




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気づかせていただきました。

このブログを読むのは、自らを取り戻し、自らが幸せと感じる生き方をする為。他人(ひと)をどうにかする為ではない。目に映る人の姿は鏡を通した我が身。
・・・・・いつの間にか本末転倒していた自分に気づきました。
よっぽど存在不安が強いんですね。私。自覚がないだけに始末が悪い。

 

母と祖母

母は、私を不幸にして、
自分の惨めさから逃れたいのですから、
私の天敵ですが、
祖母と母の関係は、将来こうされてしまうよ、という危険予知見本となって私に色々教えてくれます。

祖母は、母を散々農業にこき使い、
人生を奪い、
一切お金を与えないことで、
逃げられなくしたようです。

祖母は、亡くなる前、
病院に母を呼び言ったのです。

自分に酷いことをした長男夫婦を恨め、
お家のために忘れるな、お前に頼むよ、と。
そして、祖母が植えた木の世話やらなんやらも頼み、
どういう経緯で植えたのか自分の思いも刷り込み、後を守っていけと。
母は、
私は、知らないよ!
いつまでやんなきゃいけないんだよ!
そう叫んだ時、看護婦に、
ここは、病院です。
お年寄りを怒鳴って責めてはいけません。
と言われ、
自分が非常識に見え気落ちして、
飲み込まれました。

祖母は亡くなりましたが、
その後母は、
お婆ちゃんがどれほどの気持ちでいたのか
お前達は知っているか!
と、長男夫婦といがみ合いの関係になり
母は、同じ敷地内の家で
恨みを抱え孤独に生きています。
墓へ参り、植木の世話をしながら、
祖母の気持ちを
繰り返し浮かべているんだと思います。
娘の私や孫達より、その仕事が最優先です。

祖母の洗脳を見て、学びました。
死んでも、ここまで生きようとする。
人の体をのっとって生きようとする。

恐ろしい妖怪。ヤマンバ。

よーく見据えて、
引っかかることなく
自分は去りたいと思います。
母よ、好きでやって、幸せなんだね。
ご苦労様。

 

見る勇気がないけど

墜落の場面が怖くて見てませんが、いろんな小説やドラマの見方が随分変わった自分がいます。あきらめの壁 読ませて頂きました。人間捨てたものじゃないですね。私はハラッサーだらけの職場に入りいつしか自分も人を道具にしかけていました。別の部署の主人と出会い、迷いなく退職しました。しばらくは夢の中で叫んだり、主人を驚かせました。私のいた部署は売却され、ハラッサー上司達は散り散りに去りました。残った部署は主人が採用を担当するようになり、随分まともな職場になったようです。パワハラ上司も今なら理解できますが当時は限界でした。主人に初めて感情をぶつけてから、鎧の自分とチャイルドが相容れず、気が狂いそうでした。ずっと寄り添ってくれた彼は命の恩人です。
就職はもう怖いです。当時は私情なく仕事が出来るのが偉いと思っていました。でもハラッサー上司と同じ穴なんですよね。気持ちで生きたい。今は変な話 いつ死んでも悔いはない と感じます。まあ八歳の子供が殴ってきたり色々あるからもう少しお互い成長したいですが。存在を示すために何かしてから死にたいとか思わない自分になりました。気持ちで生きることで社会に貢献できたら一番と思っています。

 
    
 
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