「サイレントハラッサー」と「カウンターハラッサー」
1,同じ所を自己完結的に同じ回転速度で回り続ける人
2,接する人を吸引しつつ回り続ける人
3,飢餓感がますます深くなって回転が加速し、吸引力が増大していく人
●サイレントハラッサー----------------------------------------
衝動の観点から見ると、例えば上記1番はいわゆるモラハラもDVもなく、ただ動きの止まらない働き者に見えたりするわけです。でも、その存在は常に自己主張をすることでこちらを侵食し、こちらの気持ちを受け止めることは一切ありません。
中には、男性でも家事からなにまでこなし、妻子に何もさせない人もいます(言い方は優しいのです)。場合によっては、そういう“優しい”人と一緒になって鬱になる配偶者(男性や女性)もいます。鬱になった人は、「なぜこんな優しい人と一緒になったのに?」と自分で訳がわかりません。
でも…もし、自分が「置物」として位置づけられているとすればいかがでしょうか。気持ちを言うな、行動するなという禁止令。目に見えない真綿の監獄の中に閉じこめられているわけです。
パートナーがいるからこそ感情が向かおうとするのですが、それがせき止められっぱなしの状態。せき止められた感情は「心のコップ」に溜まりっぱなしになって身体まで重くなっていきます。
一方で、エネルギーはグルグル回転しているパートナーに吸い取られてパワーを失っていきますので、やがて寝たきりになっていくのは当然なのです。
このように、目に見えるハラスメントを伴わないけれど、相手を道具扱いしている人のことをサイレントハラッサー(静かなるハラッサー)と、私は呼んでいます。
サイレントハラッサーが求めているものは、自分が安心できる安全基地(子宮)―つまり、ただの「器」です。ですから、どこにも行かず気持ちも訴えず、ただ家にいるだけの「器」としての役割を巧みに強制されているのです。人なのに器にならなければいけない―これは苦しいですね。
「親が暴力を振るっていたから、暴力さえ振るわない人であればいい」
「親がギャンブラーだったから、ギャンブルさえしない人であればいい」
「親が酒を飲んでいたから、酒さえ飲まない人であればいい」
…このように「○○さえしない人であればいい」と思って結婚する人が、陥りやすい罠なのです。
●カウンターハラッサー----------------------------------------
ハラスメント界は役割分担の世界です。命は道具ですから、なんらかの役が与えられて役割ロボットとして生きています。
衝動(抑え込んだ感情)をはき出したいハラッサー達にとって、必須なのは「受け皿役」。その受け皿役も吐き出し先を必要とします。そのときに、人の話を聞いてくれる人が登場するのです。
それは「聞き役」ロボット。ハラスメント界に少ない「聞き役」をすることによってストロークを得ようとしているわけです。そのポジションにいれば、向こうから来てくれますからね。
でも、そういう人は聞くスキルを身につけることはできても、その“スキルを持った道具”として生きているわけですから、「聴く」ことはできません。自分の気持ちを聴くことができない人が人の気持ちを聴くことができないのは当然ですね。
つまり、聞くスキルは釣り餌なのです。その釣り餌に誘われて寄ってきた人を釣り上げて、後は自分の受け皿にします。つまり、上記の2番ですね。ハラスメント界で受け皿となって苦しんでいる人が寄って来やすいので、受け皿役を効果的に釣り上げることができます。
このようにハラッサーとは対極の位置にいるように見える人のことを、counter(反対の)という接頭語をつけて、私はカウンターハラッサーと呼んでいます(勝手につけた名ですので、悪しからず)。まぁ、こちらが安心して向かっていったら、いきなりカウンターパンチを食らうような感じでしょうか(^^;)。
一つの見分け方としては、勧誘してくる人はちょっと注意ということでしょうか。カウンセラーは人を勧誘しません。勧誘するとは人を自分に依存させることだからです。宗教の中には、人を勧誘して勢力を拡大していこうとするものがありますが、それは結果的に人の自律を遠ざけます。
人を自律に向かわせるに当たって最も大切なのは、「待つ」ことです。ですから、その人が自ら一歩を踏み出して依頼してくるまでは、決して動かないのです。だから、私は勧誘に来る宗教は信用しません。宗教法人にせよ会社法人にせよ、急速に勢力を拡大していこうとするその中心にいる人は、もしかすると上記3番の人かもしれないなぁと思ったりします。
このようにハラスメント界にもいろいろな人がいます。
でも、みな「吸引力の落ちないブラックホール人間」であることは共通しているのです。
しかし、親がハラッサーだった場合、そもそも自律した人間というものを知らないことと、ハラスメント界の流儀を身体が覚えるため、サイレントやカウンターハラッサーに出逢ってもピンときません。
そもそも人生脚本がハラスメント界に留めようとしてそういう人に出会わせているし、IPに洗脳されている思考は自分をごまかします。
こういう時に頼りになるのは自分の身体です。
その人といるとどこかリラックスできない、呼吸が浅くなる、苦しくなったりする、便秘したり下痢したりする、生理がひどくなる、蕁麻疹やアレルギーがひどくなる、首や肩や背中がこる、筋肉が固くなりこわばっている、チックが出る、その人と会った後に疲れ果てたり眠くなったりする、何もする気がしなくなる、夜寝つけなくなる……こういう症状が出れば、それは相手がハラッサーだということです。
身体は懸命に防衛したり、デトックスしたり、心身体力を回復したり、そりゃもう大変な思いであなたを全力で守っているのです。知れば知るほど、私はその人を守っているのは「頭」ではなく「身体」だとつくづく感じています(頭はむしろ自分を落とし込むだけ)。
無意識にハラスメント界に居続けようとするあなたを守るために、あなたの身体は全力を持ってその機能を使ってきました。どれほど自分が自分に鞭打ってきたことでしょう。あなたがハラスメント界から出る決意をするまで身体は頑張り続けるでしょう。ほんとに健気ですね、身体って…。
ですから、上記の症状を困ったものだと嫌うのではなく、「私を守ってくれてありがとう」と感謝してください。その症状があるからこそ、あなたは今まで生きてこられたのです。
まずは、自分の身体に心からありがとうを言いましょう。
そして、大事にしてあげましょう。
それから、限界が来る前に脱出することを考えてください。
・「ハラッサー」と「モンスター」と「クレーマー」の違い