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【JR福知山線脱線事故】強制起訴―問われ始めた第一世代の罪

2010/03/29(Mon) Category : 社会事件簿
さて、前記事の続き―JR福知山線脱線事故についてだ。
2005年4月25日に起こった同事故については、当時4/25~5/3にかけて書いた日記を下記に掲載してある。

JR福知山線脱線事故の深層<目次>

当時、新聞を追いつつこの事故に集中的に取り組んだのは、JR西日本という会社が、監獄社会と化している日本の現実を象徴的に表していたからだ。
また、「家」「企業」「国」―器を守るために「人」が道具や犠牲になる本末転倒の象徴でもあったからだ。

信楽高原鉄道事故、三菱自動車タイヤ脱落死傷事故、日航ジャンボ機墜落事故―鉄道、自動車、航空、それぞれの現場が効率と利潤に追い詰められ、結果多くの人々の命を奪っていった。詳しくは、下記を読んでほしい。
社会事件簿目次



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福知山線脱線事故に遭い生き残った人―しかし、顔が割け『約20センチにわたって縫ってはあるが、顔面の左右のバランスが大きく崩れていた。「人間の顔じゃない」』―その後2年間で8回もの形成手術をし、この事故を風化させないために顔を隠さずに生きていくことに決めた女性もいる。
福知山線尼崎脱線事故-家族カウンセラーから見た2年後の現実

しかし、JR西日本の対応は、あの「沈まぬ太陽」で「国民航空は人殺しだ!」と叫んだ女性への“国民航空”の対応と同じく冷たかった。
人が守るべきものを示した「沈まぬ太陽」

そして、1年後、結婚するはずの夫を失った女性が「由起を地獄につき落としたJRと戦って下さい」という言葉を残して後追い自殺し、108人目の犠牲者となった。JR西は、結婚していないことを理由に、この女性を遺族とは認めていなかった。
後追い自殺のニュースを見て

悔しかった。
友人を切り捨て御免にされた坂本龍馬の心境も同じような思いだったのではないだろうか。

システムに敗北している人間が情けなかった。悔しかった。
自分を道具にし、人を道具にして生きている人々が哀しかった。

私は人としての尊厳を取り戻すために、人間らしい感情を取り戻すために闘ってきた。それが、カウンセラーという仕事に私を向かわせた。
そして、この事故があった年の8月に「あなたの子どもを加害者にしないために」を出版し、家族カウンセラーとしての仕事が始まることになる。



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さて、神戸地検はATSの設置を怠ったという一点だけに問題を絞り、当時鉄道本部長だった山崎前社長だけを起訴して手打ちにしようとした。

それに納得できない!と異議を唱えたのが無作為によって選ばれた市民11人が構成する検察審査会である。任期は半年で3ヶ月ごとに半数が入れ替わる。11人中8人以上が2度続けて起訴すべきだと判断した場合、検察が不起訴としても強制起訴できるようになったのだ。

「11人中8人以上が2度続けて起訴」という条件はかなり厳しい。実質効果を発揮できないように仕組まれているなぁ、強制起訴など滅多にないだろうなと思っていたが、これで明石の歩道橋事故に次いで2度目である。

このことに隠された意味は実に大きい。それほどに市民の怒りが強いということ。また、それほどに検察の判断は信用されていないということが、世に証明されたのだ。

それは、市民が「今の日本のシステムはおかしい!」と、権力に抗してついに声を上げ始めたことを意味している。「人間を幸福にしない日本というシステム」(カレル ヴァン・ ウォルフレン)という本が1994年に出版されて16年。ようやく、その「人間を幸福にしないシステム」に市民がものを言い始めた。

市民が、おかしな組織を訴追するパワーを得、そしてついに、企業の経営者を強制起訴してしまったのである。
これは、国に過ちを正式に認めさせた菅家氏の「真っ白な無罪」判決と同じく、極めて画期的なことだと思う。



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ことは現場カーブの安全対策の問題ではない。企業姿勢の問題であり、それはとりもなおさずトップの問題だ。企業風土を築くことこそが責任である経営トップが、起訴されないことがおかしかった。

「安全軽視」と簡単に言うが、それは「命を軽視」しているということである。命を守り、支え合いたいのが人(生物)の本質である。その本質を持つ人を「命よりも利潤」に向かわせるためには、人を歪ませていく何らかの仕組みがなければならない。

「JR福知山線脱線事故の深層」を読んでいただければわかるが、そこにはスケープゴートを作って従業員を恐怖支配していくシステムがあった。その中核をなすのが「日勤教育」である。是非とも、心理支配のシステムを明らかにしてほしいと思う。もしそれが明らかになれば、日本社会は大きく変貌するだろう。

尚、業務上過失致死傷罪の公訴時効まで残された期間は1カ月しかない。このような社会システムにかかわる大切なことに、時効は設けないでほしいと思う。



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もう一つ、ふと感じたこと。
昨日書いた足利事件で菅家さんを追い詰めた当時の県警本部長は現在69歳。彼は、「けじめはつけないといけない。逃げてはいけない」と言っている。
そして、JR福知山線脱線事故で最も大きな責を負うのは、天皇といわれた井出正敬氏(74)。いずれも現在日本の第一世代である。

国&権力の責任を問うた菅家さん。
第一世代の責任を問う検察審査会。

ついに、逃げ切ろうとしている第一世代を「逃げるな!」と後続の世代が捕まえ始めたな、という感がする。強制しなければ逃げ続けるだろう。それをさせない、という意思表示が、私から見た「強制起訴」の真意である。

戦争後遺症が蔓延している現代日本。
戦争の総括もしないままに、第一世代を逃げ切らせるわけにもいかないだろう。戦争の本当の残酷さやダメージは、3世代経ないとその深刻さがわからない。そして今、その深刻さを社会全体が体感している。

普天間問題は、まさしく「今」戦争というものがどのように人と社会に深刻なダメージを与えるのかを検証せよ、として現れているのだ。メディアは、第一世代の本音を出させる場をどんどん作るといいと思う。



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昨日、「潮目が変わる」と書いた。潮目が変わるとき、双方向の流れはぶつかり渦を巻く。しかし、やがて逆流し始める。

今、鳩山政権はいろいろと言われているが、膿がどっと出てくるため混乱するのは仕方がない。が、政権交代の最も大きな価値ある側面は、このように社会の価値観が変化していくことなのである。民主党は、その変化のきっかけを与えてくれたに過ぎない。

その結果、菅家さんの無罪判決も、JR西日本の歴代4社長の強制起訴も成しえた。この二つのことは、現システムを守っていくことを本質とする自民政権下では起こり得なかったことだろう。

それから、検察という機関は本質的に現行システムを守るための機関である。が、そのシステムの方がおかしくなって、逆に人を追い詰めている。検察自身が人間性を取り戻し自己変革していかなければ、システムを守って人を守らず、という方向にどんどん進み、人から乖離していくだろう。


時代は着実に変わり始めた。
今、人をロボットにしてきた時代は終わりを告げ、心を大事にする時代の入り口の前に立っている気がする。その時代へと向かわせるのは、私たち一人一人である。



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その入口に入った所が嵐の前の静けさかも知れません

 

いつも興味深く記事を拝見しています。
色々と気づきをいただけるので、感謝しています^^
身内が、JR西日本と同系列の企業に勤めていますが
西日本のあの痛ましい事故は
まったくの他人事でしかないのか
変わらず利潤と効率を追求して、
社員の監視と日勤教育に力を入れたり、利用者の目を意識した表面的な安全対策を取り繕うだけで、
根本的な安全対策は経費をけちって手つかずのままです。
そしてそれっておかしいでしょ、と声をあげても、
行動で示しても
多くは企業の力で握りつぶされるシステム。
だけど、これから社会が変わるのなら。
私たち一人ひとりが声をあげることで、
こんな苦しいロボット時代が終わって、
人を「人」として尊重される、心の時代がくるのなら
よし、あきらめないでいよう。
そんな風に思いました。

 

カレル ヴァン・ ウォルフレンの本、学生時代に読みました。

表紙を見た先生が、「日本人て、自分を責めるのが好きだと思わない?」といったコメントをして、そんな風に捉える人もいるのかと驚いたのを覚えています。

自分の選んだ方向性を信じているけれど、今までの流れに逆らってぶつかると、辛いことも多いですね。

早く大きな潮の流れが逆になるといいな。

 

↓おかずさん、こんにちは。
私が知るのはほんのいくつかの体育会。バイオレンスな男の世界です。女性の体育会の情報では、そこまですごいのは私は聞いた事がありません。
完全なる倒錯の世界、「俺様王国」だと思います。本音を言っちゃいけない世界、、、建前だけ。まさにロボット扱い。

相変らず世間はモラハラ中心に回ってる、と私も思います。
様々な団体の様々な思惑、、、。ブラック企業といえば、リチャードコシミズさん?他にも沢山あるでしょうね、、、。オソロシ、、。陰謀関係はざっと知っています。

結局のところ、気持ちを大切にする普通の人同士が普通に繋がってゆくのが住みやすい社会を作るのに最も効果的なのかな?と思います。国を超えて、気軽に声をかけあって。
、、、ずばり、それをさせないためのモラハラ社会でしょう。

ハラスメント界という獄中で生まれ、そこしか知らないんだから今までは仕方なかったよな、、、と思います。自分も含めて。でも気づいちゃったら、私はもう以前の自分に戻るのは無理無理!(^^)

子どもの頃から不審に思っていた大人、とか社会、学校の方針、、、。モラハラ、ジェンダーを知ることで、その答えの尻尾をつかんだ気がします。

 

keiさんが言及している「体育会」を、私は「中途半端な体育会」と呼んでいます。なぜなら、「中途半端な体育会系」は本物の体育会系が当然のものとして持っているものを持っていないからです。
彼らは、強靭な肉体と脆弱な精神の持ち主で、強さというものを理解できていません。そのため、彼らは上下関係を悪用します。
「中途半端な体育会系」は、主体性に乏しく、社会的に閉塞で、論理的に考える事ができません。
「中途半端な体育会系」は主体性が求められ、広い視野が求められる情報化社会の癌です。

日本の世間体は自分の思い通りにロボットを求めます。それは、相手の気持ちを考える事が出来ないからです。特に子供は、何をするのか分からないので、徹底的にしごきます。日本人は、教育と調教の区別が付いていません。日本の教育は、まさに、スターリンの独裁政治です。異端者を徹底的に排除します。今の教育では、時代遅れであることを理解できていません。

"今、人をロボットにしてきた時代は終わりを告げ、心を大事にする時代の入り口の前に立っている気がする。"

油断してはいけません。ブラック企業というハラスメント共同体がのうのうと存在しているし、政府が青少年育成という建前で情報統制をしようとしているのですから。

 

無作為に選ばれた市民の大半が、「おかしい」と声を上げる、、、。個人の力を感じます。心が湧き立ちます。キラキラ輝いているんだろうな。その8人。

「日勤教育」、、、意味がはっきりと分からないので、調べてみたら全く同じようなものを見つけました。

それは「体育会」。すべてを一からげにするつもりはありませんが、強いところほど、鉄拳制裁、いじめ、からかい、連帯責任、親を巻き込んだ階級、序列、、、これにより逃走者、自殺念慮者まで出てくる始末だという、、、。ここでも孤独なモラハラ人間が量産される。

異常な支配と絶対服従。その異常性にも関わらず「体育会神話」が横行しているので、体育会出身者は自分が正義、と思い込み、会社で、家庭でその仕組みを導入しようと必死に周りを制圧。

日勤教育以外にも、封建制度等の似たような価値観がそこかしこにばら撒かれている。

異常な社会だと思います。
でも異常を異常と感知されたら、だんだん無効になってゆく、、、。

それが今なんじゃないか?と。個人の力を感じてうれしいです。
円熟した社会に向かってひとりひとりの日本人が動き出した(^^)
私もがんばろう、と思います。

 
    
 
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