システムズアプローチの見方
ところで、システムズアプローチの見方というのがちょっとわかりにくいので、事例を挙げてみます。まずは、変化を見るときの私の視点と変化の中にいて私のやっていたことから…。
★変化の中での私の行動------------------------------------
私は、今思えば幸いなことに、組織文化の破壊と創造を繰り返し体験してきました。破壊→地均し→レール敷きの9年。マイナスからゼロにする3年。ゼロから新しく創造する3年。変革する5年…「変える」ことに関するいろんなパターンを体験させていただきましたので、ある組織がどのような状態にあるのか、誰がどのような役回りをしているのかということをなんとなく感じます。
それぞれの転変の時において、社員においては生活を含めた悲喜こもごもがあり、経営幹部では派閥争いがあり…私は両方見ていましたが、それは会社が今後どの方向に向かうのかを見定めるため。やっていたことは、混沌の中で意気消沈している若手社員に、自分の見方を示して希望を持ってもらうことでした。(*1)
変化していくことが存在の本質であるならば、いつの時代にあっても人が転変の中にあることに変わりはありません。それに翻弄されて嘆き、自ら可能性の芽を摘んでいくのはもったいないことです。現象に翻弄されないために、その奥にあるものを見る視点を与えてくれるシステムズアプローチは、私にとってはとても有効なものでした。
★システムズアプローチの見方--------------------------------
前項で、このブログで取り上げる事象は、システムズアプローチの見方を伝えるために取り上げていることを書きましたが、たとえば、6/2の鳩山首相辞任の記事。これもシステムズアプローチの観点から書いたものです。
上記の会社における私の行動(*1)と同じく、政治においても、国民にかかわる政策部分や世界をどう牛耳るかという陰謀論まで、ごく大づかみには見ていますが、それは世界が今後どの方向に向かうのかを見定めるため。やっていることは自分の見方を示して希望を持ってもらうこと…つまり、私はいつも同じことをやっているようです。
さて、『小泉さんについては酷評も書いていたように記憶しています。今日は小泉さんは大きな役回りとして評価していることにまず驚きました』というコメントをいただきましたが、私は彼が登場したときから破壊者という点で評価していました。日本を変えるに当たって最初にどうしても破壊が必要であるので、むしろ適任と思っていました。が、3年以上居ると破壊がマイナスになっていくと危惧していました。
マイナスをゼロに戻すための心労は、と~っても大変なのですよ。ですから、彼が続投になった時に、「マイナスに突入するから辞めてくれぇ~」と私の体が叫んでいたのです(その叫びが“酷評”ですかね^^;)。
また、『民主党を不用意に持ち上げてしまって』というコメントもありましたが、民主党を支持したわけではなく、「断つ」ことを支持したのです。破壊の時に必要な人物としてそこに小泉氏がいたように、断つために必要な勢力としてそこに民主党があったと言うことですね。
このように、その人や組織がどうのということではなく、その時代の要請に応じた人や組織が、時流によってピックアップされていきます。
たとえば、放蕩して財産を飲みつくし親族中から汚点とされていた父。そういう人が、実は家系の連鎖を断つ役割をしていたりします。その人の個性や意識や人生とは関わりなく、そういう重要な役割を果たしていたりするのです。そして、このような見方がその息子さんを救ったりもします。私が示しているのは、そういう視点なのです。
★ただ、「在る」だけ------------------------------------------
ところで、私が会社時代にそういう観点でフィードバックをしたのは、意気消沈している社員に対してと管理職横断的な勉強会に招かれたりしたときでした(今でいえば、相談に来られる方に対してと講演会ということでしょうか)。
つまり、誰彼となくそういう話しをしたわけではないということです。その人がどういう視点であれ、それぞれの人生があるわけですから、私はかかわるつもりはありません。かかわると言うことは、限りある自分の時間(命)を費やすと言うことですからね。
自ら来ると言うことはつまり、自分の問題として捉える準備ができている=「聴く耳を持つ」方と言えるでしょうか。ですから、フィードバックができるのです。あとは、相手の問題です。
さて、数多のブログがある中で、わざわざここに来られる方は、人のせいにせず自分と向き合う準備のある方だと思います。
そして、このブログは、前項で書いた『芯にあるもの』ですべての記事が貫かれており、皆様の協力を得て体験をフィードバックしております。あとは、読まれた方の問題なのです。
私がリアルな世界でやってきたことと、このブログでやっていることに何ら変わりはありません。私はいつも同じことをやっています。
前項で書きましたように、今後、私はこの場の安心を保つことをいたします。
ただ、そのようにして「在る」だけのことなのです。
・4.個の問題を関係性の中でとらえ直す
・子育て心理学:第1部 6)「システムズアプローチ」で家族の問題を把握する
・「福岡いじめ自殺事件」総括:システムズアプローチによる問題の見方
・裁判員制度―システムズアプローチから見た問題点
・システムズアプローチで辿り着いた「降りてゆく生き方」