中尾相談室の今後の方針
そして今、その良かったところや変えるべきところが見えて参りました。その振り返りができたのは、ともにカウンセリングを行う妻というパートナーができ、一人で走る必要がなくなったからです。
(尚、新規受付は行っておりません。下記のことは2009.09.18に、それまでにお待ちいただいている方へ一度ご案内申し上げましたが、その方々が対象となります。それ以降にお問い合わせいただいている方はお受けする余裕がありませんのでご了承ください)【2011.04.04に受付再開しました】
【訪問カウンセリング】-----------------------------------------
事象は現場で起きています。
その現場を見ることで得られる情報はとても多く、相談者の環境を共感的に理解するというのはとても大切だと感じておりますので、訪問するという基本方針はこれまで通りです。けれど、自宅が不都合な方、地元を離れた方がチャイルドの感情が出てくる方などいらっしゃいますので、ご事情に合わせて対応させていただきます。
<料金について>---
1,交通宿泊費
事前にメールで日程を決める際にご連絡させていただく交通宿泊費を、当日頂きます。
2,カウンセリング料金
当日のカウンセリング時間に応じて、(1時間×8000円)をメールにて請求させていただきますので、ご請求後1週間の間にお振り込みください。
3,場所を借りた場合
ご自宅を訪問できない事情がある場合は、カラオケボックスなどでお話を伺うことがありますが、ルーム料金など室料はご負担いただいております。
【電話カウンセリング】----------------------------------------
電話カウンセリングは、基本的には訪問カウンセリングのフォローという位置づけで、カウンセリング契約に入った方の電話をお受けするという形をとっております。けれど、諸事情により電話カウンセリングから開始する場合もあります。
<受付時間>
・原則ウイークデーの9:00~18:00の間受け付けています
・予約は受けておりませんが、時差がある場合や、カラオケボックスなどを利用して一人エンプティチェアをする場合のフォローなど、事情がある場合はご予約いただくことがあります。
<予約なし随時受付の理由>
予約を入れた日に話したいわけではなく、気持ちが「電話したい!」と思ったときがかけたいときですので随時受け付けという形を取っています。
この方式にしている理由は、相談者の方本人とIC(インナーチャイルド)の信頼関係を強めるためです。ICがかけたいと思ったときにかける→この時に、「こんなことくらいで」とか「お金がかかるでしょ」とかIP(インナーペアレンツ)がいろいろと邪魔をしてきます。その邪魔に負けずに“かけるという行為”をすることが、自分とICの信頼を高めていくことになります。
その時つながるかどうかをICは問題にしていません(それは相手側の問題ですから)。たとえつながらなくても、ICの「かけたい」という気持ちに応じて「かける」という行為をした時点で、ICは満足しているのです。
また、この方式を続けていく内に、なかなかつながらないときは「あぁ自分で向き合えと言うことなんだな」とか、「かけたときはなぜかけたかよくわかんなかったけど、つながる必要があったんだな」ということが起きてきます。このように、“状況”を自分で判断できる力がついてきたり、自分では分からなくてもICがかけさせたりすることが出てきますので面白いですね。
なお、この方式はICを最優先した方式で、とても自由度が高いものですが、一歩間違えば依存につながる危険性があります(お金と時間の制限というのは依存を回避するための枠組みですから)。そのリスクを回避するために、当相談室では申込み受付時に対象者の基準を設けているわけです。
また、依存しようにも料金がかさんできますので、自ずとブレーキがかかります。このようにお金と時間の使い方をICと相談しながら体験的に身につけていくこと。このこと自体が自律に向かうプロセスそのものなのです。
<電話の頻度>
・カウンセリング後に心が動き始めますが、1週間~2週間の間、心の様子を見つめる“時”が必要です。このことを念頭に入れておいてください。
・但し、自律に向かう途中には、理屈(IP)を話す時期、判断基準がなくなり不安が強まる時期、気持ち(IC)が爆発的に出てくる時期、等々いろいろな時期があり、それぞれの時期に応じて電話をかける頻度や時間が異なってきますので、原則は『ICがかけたいと思ったときにかける』という行動をとって下さい。
<カウンセリング料金>
・料金は面談のときと同じです。カウンセリング終了後に料金をご連絡しますので、1週間の間にお振り込みください。
【スカイプカウンセリング】----------------------------------------
電話との重複を避けるため、通常はスカイプを立ち上げておりません。
電話にご連絡を頂いた時点で電話を切りスカイプを立ち上げてカウンセリングに入るという段取りです。
音質もよく、通話料が無料なのがスカイプのメリットです。
【メールカウンセリング】----------------------------------------
NTTの調査によると、電話は面談で伝わる情報のうち7%しか伝わりません(つまり、人は言葉以外から情報の93%を得ているということです)。さらに、それがメールとなると、「声の表情や温度、相手の気配」さえも失われて文字情報しか伝わりませんので、どれほど情報量の少ないやり取りになるかが推測できると思います。これが誤解やフレーミング(炎上)が起きる理由です。
次に、文章を書くということ自体が左脳の行為であり、どうしても思考(IP)優位になってしまいます。すると思考が、人生脚本に都合のいいように解釈したり、部分を切り取ったりして、自分の理論武装に使うことがあります。
また、文章上ではどんどん気づきが進んで自律に向かっていっているように見えても、それが頭で理解しているだけであり、実際は自律から遠ざかるケースがありました。
大切なことは「声」に出すことです。
気持ち(感情用語)を声に出す=その感情を受け止める決意です。だからこそ実感を伴って言葉にすることが出来、それを自分の耳で聴くことが大切なのです。その時に「あぁ自分はこう思っていたのか~」と深い洞察にたどり着くことが出来ます。
感情こそがリアルなものですので、虚構を生きている人にとって感情を声(言葉)に出すことは虚構を崩壊させ、人生脚本に気づかせることなのです。
そのため、IPの強い人は理屈を言葉にしても気持ちを言葉にすることをしません。あるいは、気持ちを文字にしても、気持ちを声に出すことをしません。さらには、気持ちをささやくように「息」に乗せても、普通の大きさの「声」に乗せることをしません。
何度も書きますが、一番大事なことは、
「気持ちを声に出すこと」です。
文章は体験を整理するにはいいのですが、実感無き文章は無意味です。そういうわけで、メールカウンセリングは当相談室では受け付けておりません。
*以前、危機対応の意味でメールを受け付けたことがあります。それは、メールを書くことで少しづつでも気持ちをはき出し、心のコップの危険水位を下げようと思ったからでした。しかし、次のことがわかりました。
1、誰かに読まれることを想定して書いているうちは自分と向き合えない
2、その“誰か”は必然的に「代理母親」となるため、転移が起こる
3、相手は無意識に代理母親に向かっているためカウンセリングになり得ない
4、長文を書き送ること自体が相手の生活時間を奪うハラスメントであり、それを受け入れるということがハラスメントを加速させることになる
メールを読むということ自体が、その人の人生を背負っていることになるのです。これではその人が自律できるわけがありません。電話は苦手という方もいらっしゃると思いますが、一歩踏み出すことから始められてはいかがでしょうか。
【集団カウンセリング】----------------------------------------
「カウンセリングのご依頼について」(2009.09.30)の中で、集団カウンセリングの可能性に触れ、そのあり方を模索してまいりました。効果があるのは確かだと思います。しかし、それだけに慎重に運営しなければなりません。来られる方々は共依存界にいる方々ですから、場合によっては共依存の拡大に繋がる可能性があることを感じましたので、当面中止させていただきます。
<追記>
2011年から「まほろば講座」を始めました。
2012年から『講座「あるがままの自分を取り戻す方法」+集団カウンセリング』を実施しています。
【カウンセリング対象者】---------------------------------------
当相談室は、ある分野に特化したカウンセリングとは異なり、ブログカテゴリーにある多岐に渡る内容を扱って参りました。世代間連鎖の観点から個人の自律をサポートするというカウンセリングですので、“家族”が内包するあらゆる問題にかかわることになったわけです。
けれど、家族全員を同時に変えていくという手法は取りません。まずは相談者本人の自律を目指します。というのも、自ら踏み出した人しか変われないからです。覚悟がない人を巻き込むことはできません(巻き込もうとすること自体がハラスメントです)。
また、その人が回りを変えたいと思っている限り、自分に向き合うことはありません。逆に、一人が変化し始めると自ずと周囲も変化し始めます(これもシステムズアプローチの考え方であり、実際そのとおりです)。というわけで、まず相談者個人の自律を目指すのが当相談室の方法です。
また、強い依存症は、定期的に通院できる専門家にかかることが肝要です。まず治療に専念して、その後カウンセリングに向かうとよいでしょう。下記の方々は、専門家にかかってください(尚、残念ながら私は、それらについての適切な病院をご紹介できません)。
・強い依存症(アルコール、ギャンブル、セックス、水中毒、窃盗癖、等)
・強い神経症、恐怖症、強迫障害、摂食障害、等
・性虐待
・多重人格障害
【追記】詳細は、「カウンセリング申し込み要領(中尾相談室)」をご覧下さい。
【中尾相談室はカウンセラーを増やさないのか】---------------------
というお話しを頂くことがあります。
まず、カウンセリングとは「人の命」と向き合う仕事と考えております。
次に、共依存に巻き込まれやすい仕事と考えております。
常に自分自身の自律の姿勢が問われる仕事なのです。
自分に無理をしない、させない―これは、単に自分を大切にするという意味だけではなく、新たにカルマを作らないという意味で大事であり、「分を守る」ということがとても大切です。
そして、これらのことが分かっている人は、その人個人でされるでしょう。
なぜなら、人によって「分」がみな異なるからです。
私は私の「分」によって中尾相談室のポリシー(方針)を作っております。
そのポリシーを具体的に表したものが、このブログの記事といってもよいでしょう。ですから当相談室の姿勢や理論やプロセスは、このブログから得ることができます。
が、人の話を聴くというのはそう簡単なことではありません。
私は5年間の逐語訓練に続き、3年間スーパーバイザーとして指導し、計8年間の準備期間がありました。
加えて自分が連鎖と向き合った体験がなければ当相談室としてのカウンセリングを行うことはできません。妻真智子も7年間の研修訓練を経た上で自分と向き合う厳しさも身をもって体験しており、かつ二人が依存関係にならずにやっていけるという確信を得たからこそ、仕事のパートナーとすることができたのです。
というわけですので、今後とも二人でできる範囲でさせていただきます。
【ゲシュタルトの祈り】-----------------------------------------
最後に、当相談室の姿勢を現している詩をご紹介します。
これは、ゲシュタルト療法の創始者フレデリック・S・パールズが書いたものです。自律した人のあり方が示されていると思います。
「ゲシュタルトの祈り」
私は私のために生きる。
あなたはあなたのために生きる。
私はあなたの期待に応えるために、この世に生きているわけじゃない。
あなたも私の期待に応えるために、この世にいるわけじゃない。
私は私。
あなたはあなた。
偶然が私たちを出逢わせるなら、それは素敵なことだ。
たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。
中尾相談室