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飛龍となったつかこうへい氏

2010/07/19(Mon) Category : 人物
つかこうへいさんが、初めて韓国で上演しようとしたときのこと。
当時の韓国側から、日本語の歌禁止という条件が出された。

国からの命令である。
それに背けば、時代が時代であれば外交問題となる可能性もあろう。

あるいは、韓国のマスコミが騒げば、それに乗じて日本のマスコミも騒ぎ、
「我を通すのが悪い」などとつか叩きが起こるかもしれない。

しかし、歌が重要な役を果たす演出。
歌を封じられては意味がない。

では、韓国での上演自体をあきらめるのか。
それとも、魂の抜けた演劇をするのか。

この二者択一の中で決断を迫られたとき、国の命令には逆らえないからと、歌なしの演出に変える人も多いのではないだろうか。



その講演直前の稽古風景をたまたまニュース特集で見た。
彼は稽古中の舞台で静かに言った。

「日本語の歌で行こう」

その背中にしびれた。
その静かさの中に、苦悩と覚悟のほどがうかがえた。

この決断の背景に、どれほどのリスクがあるか。
出演俳優や家族を巻き込むだけではなく、論争をも巻き起こしかねないリスクを彼は背負ったのである。

このような決断が出来る人間は、そうざらにはいない。
そして、この決断が、日本と韓国の大いなる架け橋となっていく。



---------------------------------------------------------
私は、つか氏の出自を知ってなるほどと思った。
彼は、誰にも頼ることの出来ない生を生きるしかなかったのだ。

日本語を話せない親。
日本語しか話せず、日本人としての意識しかない子。

差別の中、親は働きずくめで精一杯。
つか氏もまた、自分の気持ちを親に受け止めてもらえない孤独な子供だっただろう。

意識は日本人だが、税金はとられる一方で選挙権もなければ公務員にもなれない。つまり、日本人なのにカネだけ取られて国から排除されている。自分はこの国の国民ではないという感じ。育っていない韓国もまた自分の国ではないだろう。

彼の居場所は?
どこにもなかったからこそ、その怒りと思いをあれほどに演劇にぶつけたのだろう。“そこ”が、彼の世界であった。

つまりは、彼のいる所が彼の居場所なのだ。
いわば、地球が彼の居場所だ。
だから、海に散骨するのだろう。日本と韓国の両方に縁のある対馬海峡にまかれた骨は、いずれ世界に広がっていく。



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封じられた感情。
所属も介入もできない社会。
親からも社会からも国からも疎外されてしまった究極の孤独。

彼は演劇という“現場”でリアルを生きるしかなかったのかもしれない。

背負うべき伝統も価値観もない。つまり、過去もなければ未来もない。
すべてからポツンと切り離された彼は、「今」を生きるしかなかったのだろう。

彼にとっては常に、丁々発止の演出の「今」が生きるすべてだったのかもしれない。それ故、彼の気持ちとともに舞台もどんどん変化していったのだろう。

なんという孤独な魂だろうか…。
そして、何と自由な魂だろうか。

彼は、自由と責任の生を全うした。
残されたもの―ただ、愛のために。



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これほどの孤独にあれば、韓国政府から日本の歌禁止の条件が来たときの悩みは深かったと思う。なぜなら、そこに弓を引くということは、両親に弓を引くことになるからだ。

大げさに書いていると思われるかもしれない。そう思われた人は幸せだ。あなたは深刻な存在不安の中にはいないと思うから。(本人が無意識であれ)強い存在不安の中にいる人は、少しでも自分となにか関わる人との縁を切ることにつながる出来事は耐えきれない。

だから、彼のこの時の決断は、精神的にも天涯孤独の境涯に陥ることを覚悟するくらいの決断ではなかったかと想像してしまう。それがどんなに大変なことか。それは、孤独や寂しさと向き合えないばかりに、多くの人がハラスメント界から抜けられないことを思えば容易に想像がつくだろう。「嫌われ松子」のように、逃げられる間は逃げようとするのが多くの人の人生なのである。

つか氏が、この希有なる大英断が出来たのは、自分と向き合い続ける生の積み重ねがあり、精神的強さを培っていたからこそだと言える。

しかし、それはつか氏が望んで得た境遇ではない。むしろ彼は自分の出自を呪ったこともあるだろう。個人の力ではいかんともしがたい不条理。ぶつけ先のない怒り。現世的に見れば逃げ場のない境遇に置かれたことが、否応なしに自分と対峙することを迫ったのだ。境遇が彼を鍛えたのである。



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私は、「蒲田行進曲」以外につか氏のことは知らない(あれは面白かった)。

そして、ネットで芸名が「いつか公平」になる世の中が来ることを願って、かつ日本語がわからない母にもわかるように「つかこうへい」となったのだと知って「へーっ」と思った。龍馬と同じだ。上士も下士もない平等な世の中になることを願って闘った龍馬と同じだ。

つかこうへいも闘い抜いた。
そして、飛龍となった。

それは、単に日韓を掛け渡す龍ではない。
今やつか氏と同じように、どうしようもない親の壁、社会の壁に悩む人々はごまんといる。彼のアイデンティティクライシスのように明確ではないが、アイデンティティを失っている人で満ちあふれている。
その人々にとっても、つか氏は一つのモデルとなるだろう。




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いろいろな形で孤独を向き合わざるを得ない境遇にある人、苦しいと思います。それは、多くの人が逃げ続けている存在不安と向き合わなければならないからです。逃げ続けている人が羨ましく見えるでしょう?

でもね、孤独と向き合わざるを得ない人は神からチャンスを与えられています。本当の自分と出会い、本物の強さを手に入れるチャンスを。

そして、そこを乗り越えたとき、自律した人々とともに「自由と責任」の世界を存分に楽しむ喜びが待っています。もちろんそこにも喜怒哀楽があります。でも、苦しみも楽しい。なぜなら、愛と学びにあふれているから。


これほど苦しい思いをする人々が増えている日本は、まさに新たな文化が生まれる直前の「夜明け前」の暗闇。今苦しんでいる人々は、一人一人が龍なのです。その龍達があるがままの自分に戻ったとき、龍は光り輝き、新たな夜明けが始まるでしょう。

皆さん一人一人が、夜を明けさせる光なのです。
どうか、愛の世界に至る直前の寂しさと不安に負けないで。


寂しさが、あなたをハラスメント界の闇の大地に縛り付けています。
ネオン(虚飾)が闇をカムフラージュしていますが、朝の光の中で見るみすぼらしい、あるいは無機質な町―それがハラスメント界です。

あなたが自分を見つめたとき、チャイルドの内の一人が、その世界にしがみついているのがわかるでしょう。あなたがそのチャイルドの不安を感じてあげたとき、チャイルドはもうしがみつく必要がなくなります。そのとき、あなたは自分が飛べることがわかるでしょう。

そう、あなたは元々飛べるんです。

こうして、輝く龍が日本の空にどんどん増えていくことを願っています。











天野月子 「龍」





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滝を上った鯉は龍になると言いますが、人も同じなのでしょうね
人生という過酷で途方もなく高い滝へと立ち向かい、登りきった時に龍へと姿を変え…遥かなる高みへと近づく…。
同じセリフを言うにしても、経験の度合いで全く印象が違ってくる様子が、それを示していると思います。
つかさんの名前の由来がすごくジン…ときました。

そして「龍」にびっくり。こんなところでお目にかかれるなんて!
私、天野さんの歌が大好きなんですよ♪

 

すごく響きました。
ちっちゃなことで悩んでる自分がバカらしくなってきます。
もうちょいがんばってみます。

 

うん、だいじょうぶ!

 

私も飛べますか?翼をもぎとられ要らぬ足枷で縛られお前にはもともと翼などないし飛ぶ必要もないと教えこまれ無限の空を見ることすら許されない私でも

 

私達は龍なんですね

先生、ありがとう
いろんな場面で龍を「見た」と思ったのは、空に映った自分の姿だったんですね。

 

今まさにその真っ只中です。
もう苦しくて苦しくて息も絶え絶えです。

幻影と分かりながらも麻薬のように甘美です。

ここが踏ん張りどころと思いながらも、あまりの苦しさにのた打ち回っていました。(います)
でも、頑張れそうです。

ありがとうございます。

 
    
 
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