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土地に“鮮度”が求められる時代と平城京

2005/09/25(Sun) Category : 環境
古い住宅地図が売れているという(9/25朝日)。
1958年来、店舗や工場などが分る住宅地図を作っている吉田地図には、自治体や土壌汚染の調査会社から引き合いがあるという。過去、その土地に工場、病院、ガソリンスタンドなどがあった場合は汚染のおそれがあるので、土地の売買をする前に調べるためだ。

火をつけたのは、大阪市北区の工場跡地を再開発したアメニティパークのヒ素問題だ。アメニティとは、『歴史的環境や自然景観などにも配慮した総合的な住み心地の良さ』のことを言うが、何とその名をつけたマンションからヒ素が出てきたのだ。
汚染を隠して売った三菱側は02年に汚染を公表して分譲を中止。分譲価格の25%を補償することで住民との和解がなりつつあるため刑事訴追は免れそうだが、経営トップは引責辞任した。

この問題の背景には、人が直接土に触れなければよいので盛り土でOKとする土壌汚染防止法の心許なさがある。汚染物質は必ず地下水に染み込んでいく。この事件以降、売る側も買う側も自主的に調査し始めたのだ。
さて、大阪市は西区の工場跡地を売却するに当たり、約10億の土地を7億で売りに出した。北区の教訓から盛り土で良しとはせず土地を浄化することにしたが、その費用3億を値引きする。
“商品”を売るのであるから、汚れていては話にならない。3億かけなければ新品同様にならなかったわけだから価値としてはその分マイナス。大阪市の判断は当然かつ天晴れと思う。

つい10年前は“水”に値段がつくとは思っても見なかった。
それが今や汚染と共存しなければならない時代に突入している。
海で獲れる“自然”の魚が水銀に汚染されているのだ。03年6月に厚生労働省がキンメダイなど7種について妊婦に食べる量を指導した。それが今年16種類に増えた。

長安をモデルに千年都を目指して創られた平城京が、わずか74年で長岡京へ転地せざるを得なかった。そのあまりにも短命であった仮説を白須賀公平氏が述べていて興味深い。
大仏を金メッキするために19年間で50トンの水銀を使った。日本全国の蛍光灯の10年分を奈良盆地という1ヶ所で冬に蒸発させた。

蒸発した水銀は北風に乗って若草山に当たり平城京に流れ込み、都には「たたり」(むくみ、だるさ、ふるえなどの水銀中毒)が流行った。この「風土病」から逃れるため、大仏完成後わずか13年にして都ごと転地しなければならなかったのである。
大地と大気の汚染が人を住めなくすること(当たり前だが)を、今も木が生えない若草山は黙して教えてくれている。

ついに、土地にも“鮮度”が求められる時代になったかという思いがすると同時に、大海の魚からも水銀が検出される現代。
果たして転地する先はどこにあるのだろうか?
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>大海の魚からも水銀が検出される現代。
果たして転地する先はどこにあるのだろうか?

宇‥宙‥?

 

若草山は復活している

『今も木が生えない若草山』―山焼きの風習によって生えていないところはあるそうですが、水銀汚染はなくなっているようです。

お詫びして訂正すると同時に、明るい情報で知人に御礼。ありがとう!

 
    
 
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