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心の絵を読み解くー(1)親につぶされかかっている自分

2010/12/07(Tue) Category : 心の絵
YKさんは、記憶障害、摂食障害、性依存、自傷癖(アームカット)、自殺衝動、躁鬱病などに翻弄されていました。

それでも、『両親には問題はありません。普通の親です』といい、
『受け取る能力がなくなってしまっているし、歪んで受け取ったり、信じ切れないみたいです』と、自分を責めていました。

そして、残された唯一の夢は、
『子供が帰ってくる時間に、手作りのお菓子を作って帰りを待ち、帰ってきたら子供と学校であったことなどを話しながら、一緒にお菓子を食べて笑い合う』こと。

しかし、心の病を『どうすることもできない、一生背負っていかなければならないものだと、半分、いやかなり諦めています』と、そのささやかな夢さえも諦めの中で生きていらっしゃいました。


・・・


それから3年が過ぎ、今新たな夢に向かって一歩一歩歩いています。
その心の変化を絵で見てみましょう。

尚、絵の解釈はカウンセリングをする中で、相互に気づきあっていったものです。
許可を得て掲載させていただきました。ありがとうございました。
6回のシリーズで掲載していきます。

心の絵を読み解く
(1)親につぶされかかっている自分
(2)親から身を守るための自傷行為
(3)躁と鬱のエネルギーを結集する
(4)ブラックホールからの離脱
(5)インナーチャイルド登場!
(6)人間宣言






【YK絵1】親と子--------------------------------------------------------

YK絵1

獲物を蜘蛛の糸で繭のように絡め取っている蜘蛛のように見えます。
左上の赤い球が親です。怒りの赤に染まっています。
その親はじっと右下の獲物を見つめ、7本の触手を伸ばしています。
間には太い壁があるのですが、物理的な壁は何の役にも立ちません。
やすやすと突き抜けて獲物を取り込もうとしています。

右下にいるのは、心理的なバリヤ(殻)にこもって自分を守っているYKさんです。心の中に閉じこもることによってかろうじて自分を守っている状態です。
蜘蛛の足がくっついていますから、とても怖い状況です。
身を固くして5重6重に自分の心の奥に奥に引きこもっています。
闇に覆われたYKさんの心は真っ黒です。

かろうじて、オレンジ色の10本の線-「希望」だということです。





【YK絵2】押しつぶされかかっている自分-----------------------------------

YK絵2

大きな紫が自分です。自分がおかしいので紫色とのことでしたね。
(頭のてっぺんが紫領域ですから、IPにがんじがらめの自分ということかも…後でまた出てきます)

その自分がピンク色の結界に閉じこめられています。
そこから外に抜け出ようともがきますが、ピンクの輪を突き破ることができません。全身が押しつぶされるような感じだとおっしゃってました。
プレスされないようにエネルギーを出し続けなければなりません。寝ていても漏電のようにエネルギーは出し続けていますからクタクタになり、外に出る余力など出てきません。
一見暖かく見えるピンクですが、その実態は自分を押しつぶしてくる怖いものなのです。

5つの小さな球は、ネットの細い線でつながっている友人達。
友人達もまた外に出ようともがいています。
境界から外は黄色の明るい世界なのですが、その明るい世界に行くことができません。





【YK絵3】昼と夜---------------------------------------------------------

YK絵3

親が眠っている夜の世界は、自分の存在が脅かされない世界です。
青い夜の静寂に囲まれた中に心安らぐ緑色の山があって、その中心にYKさんはいます。まるで安息できる母親の胎内のようです。
山の上から見上げると希望の光(星)が見えます。
(1で見たように、ここでも希望の光が10個ほど見えますね)

ところが、夜が明けると自分の世界は失われ、外に出てしまいます。
そして、板みたいに心が平板で硬直し、感情(色)をなくした4人の自分が現れます。おそらく「躁」「鬱」「フラット」そして、「もう一人の自分」なのでしょう。とくに躁と鬱の状態を行ったり来たりしています。





【YK絵4】自分でいられない自分-------------------------------------------

YK絵4

紫、青、緑の3重の四角に囲まれて真っ黒に塗りつぶされてしまったのが自分です。これまで丸で表現してきた自分がここでは四角になっています。しかも、自分の形は持たず、外の鋳型にはめ込まれたかのように、ただ塗りつぶされているだけです。形は外の鋳型が保っています。

これまで、紫で自分を表してきましたから、この鋳型の紫も自分なのでしょう。しかし、YKさんが黒が自分と言ったことからすると、外枠の紫と中の黒を分けています。恐らく、紫はインナーペアレンツでしょう。人体で言えば、紫は頭の部分ですから、頭に巣くう親の価値観(ドライバーや禁止令)を示していると思われます。

つまり、自分の中に巣くう親に鋳型にはめ込まれた上にがんじがらめにされて、心は感情(色)を失って真っ黒になり苦しんでいる―これが、自分が自分を苦しめている状態です。

しかも、この囲んでいるものの中では本来丸い自分が四角くなっています。
つまり、自分ではいられないと言うことを示しています。

外の水色は学校、緑は環境を示しているようですので、YKさんの住む世界が多様ではない=限定された世界であることが現れていますね。

その外側にあるのは「希望」だそうです。
これまで見てきたように10個の希望がありますが、暗いですね。
しかも、その全てが斜線で否定されています。
希望がない「絶望」の状況がこの絵に現れています。





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Comment

 

この心の絵のシリーズとても素晴らしいです。
自分と同んなじ心の構造をしてる人が。

神経症と闘いもがいてる人のためにもこのブログが長く存続すること期待してます!

 

感謝します。

このシリーズはこちらに掲載されてから、くじけそうになるたびに何度も何度も見にきました。
今日また見て、「これを初めて見てから、まだ一年しか経っていなかったんだ」と思いました。

 

理不尽な病

私も始めて躁鬱病と言われた日から、11年が経ちました。

躁鬱病は、医療の世界では、「うつ病とは全く異なる病気。一生薬を飲み続けなければいけない」と言われていて、多くの患者はそう信じています。

また、精神科の病気のなかで、自殺率が一番高いと言われています。
急激な気持ちのアップダウンがあるので自分自身が信じられなくなり、私個人としては、ソウの状態からウツに転じる時が一番辛かったです。

「育ち方の問題で、何故本人が自殺に追い込まれなければならないのか!」ということに、激しく憤りを感じます。

この方の絵を拝見して、「まさに自分もこのように感じていたし、今もそう感じることがよくある」と思います。

 
    
 
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