依存を断つときは、3日―2週間―3ヶ月―3年:禁煙、断酒編
2010/12/17(Fri) Category : 自律(自由と責任)への道
YKさんは、自傷癖および躁鬱病が始まって7年経過した後、自分と向き合うカウンセリングが始まり、それから3年をかけてその両方から離脱していかれました。
「○○癖」「○○病」と言われると違うもののように思えますが、すべてはそのときの自分を救うために必要があって出てている症状だなぁと、体験から思います。
・潔癖→潔癖症、不潔恐怖症
・完全癖→強迫性人格障害
・虚言癖(→虚偽性障害、妄想性人格障害、演技性人格障害)
・恋愛癖→恋愛依存/恋愛妄想→ダメンズウォーカー/ストーカー
・酒嗜癖→アルコール依存症(中毒)
・万引き→盗癖(窃盗症)
・放火癖(放火症、放火魔)
このように、思い癖や考え癖が、
それが表現されたとき口癖、手癖などの「習癖」となって現れ、
その習癖が病的であれば「病癖(症状)」、
社会生活を困難にするものであれば「障害」、
社会に迷惑を及ぼすとみなされれば「中毒(依存症)」、
社会に害をなすとみなされれば「魔」と呼ばれるのでしょう。
これらすべての背景には、人生脚本、存在不安、ドライバーや禁止令などのIP(インナーペアレンツ)、無意識に押さえ込んでいたIC(インナーチャイルド)たちの問題があります。つまり、これらのことを理解し、自分と向き合う過程を経れば、誰でもこれらの“癖”から解放されるということです。
癖が治らないのは、その癖を維持する環境が周りにあるから。
そもそも環境要因があって癖(症状)が始まるわけですから、その環境要因を変えるか、そこから自分が離れるかしなければ、その癖(症状)は“そこ”で自分を生かすために出続けることになります。
根本的に癖を治すための方法は、なぜ自分がそれをしているのかを理解することです。そのためには自分の無意識を洞察しなければなりませんが、それは誰もがやろうと思えばできることであり、一方で、無意識のうちにさまざまなブロックがかかって自分と向き合わないままに生きている人も大勢います。
ただ、これまでの体験から、7年というのは、人が新たに動き始めるまでの一つの期間のように思います。その間に自分なりに何かをつかんでいます。ですから、その渦中にあってまだ7年経っていない人は、「もしかすると、自分なりに何かをつかもうとしているんだな」と思って、存分にそのことをしてみるのもいいかもしれません。
その後、3年をかけて依存を断っていくわけですが、依存を断つときは、
「3日―2週間―3ヶ月―3年」と覚えておけばいいかもしれません(単なる目安ですよ~)。ちょっと例を挙げてみましょう。
■禁煙-----------------------------------------------------------
たとえば、禁煙。
断固たる決意で意識して断つと吸いたい欲求が募りますからね~。風邪を引いたりしてタバコがまずく、なんとなく吸わなくなった―そういう状態が3日間続いたとしましょう。
3日抜けると一山超えますが、それでも食後などに吸いたくなるのが2週間ほど続き、そこを抜けると第一関門突破。いろんな人付き合いの中にあっても、何とかタバコなしで日常を送れそうです。
が、生活には浮き沈みがありストレスが加わる出来事もあるでしょう。そういうときにふと手を出してしまう可能性があるのが、禁煙して3ヶ月の間です。それを超えると、ストレスを感じたときにタバコに代わる対処法も身についてきますので、タバコを吸わないことが常態化していきます。
最初の3日間は、自分対タバコのガチンコ対決。
次の2週間は、“対人関係”の中で吸わずにすむ方策を見つける。
その後3ヶ月は、“対出来事(ストレス)”の中で吸わずにすむ方策を見つける
―このように、順を追って吸わなくてすむやり方を体になじませていくことで、禁煙を定着させていくわけですね。
転勤や引越しなどもそうですが、3ヶ月というのは、何らかの環境が変化したときに、新たな環境になじむための一つの単位期間とみなしてよいかもしれません。その3ヶ月が過ぎると、新たなパターンでの生活が定着していくわけです。
けれど、もう大丈夫と気が緩んだときに、ふとしたことからタバコが復活するかもしれません。それが、禁煙後3年の間です。3年あれば、日常的ストレス(デイリーハッスルズ)ではなく、ストレスフルな出来事(ライフイベント)があるかもしれません。
というわけで、それを乗り越えて、まぁ3年経過すれば大丈夫だろう、というのが、よく言われている見方の背景にあるものだろうと思います。
■断酒-----------------------------------------------------------
吾妻ひでおの「失踪日記」の最後の方でも、アルコール依存でついに精神病院に入院した後の状況が描かれていましたね。
失踪日記
入院直後は、暴れるため数日間独房で拘束状態。
その後、個室→2人部屋→6人部屋と症状が落ち着くにしたがって徐々に病室が広がっていきます。
治療プログラムが始まるのは、入院して19日後のことでした。
対人関係が落ち着き6人部屋に移る頃からで、職員の監視の下、日課どおりのスケジュールを過ごし、生活の基本を取り戻していくわけですね。その中で、入院患者全員で週1回ミーティングを行い、心の歯止めをしていくわけです。
ここでも、3日―2週間―3ヶ月という流れが生きているように思います。
最初の3日間は厳戒態勢で自分と酒のガチンコ対決。
続く2週間は対人関係の中でならし、
その後3ヶ月は日常の出来事の中でならしていく
―そういう流れがあるように思います。
ところで、その後の「うつうつひでお日記
」巻末のインタビューに寄れば、断酒後7年経過し、『慣れればなんともないですね』と仰っていますが、同時に『7年くらいではわからないですね。20年くらい断酒して一杯飲んで、再入院っていう人もいますから』とのことですから、まぁ一生が闘いなのでしょう。
病院での講義の中で、
『えーそもそもアルコール依存症とは不治の病気です。一生治りません』
『ぬか漬けのきゅうりが生のきゅうりに戻れないのと同じです』
という言葉を聞いてショックを受けるひでお氏の様子が描かれていましたが、言ってみればほとんどの人が何らかの依存症(特にお金依存)ですよ~(--;)。
だから、癖、嗜癖、症状、障害、依存症などに苦しんでいるのは、あなただけではありません。ほとんどすべての人がそうなんです(笑)。
<続く>
「○○癖」「○○病」と言われると違うもののように思えますが、すべてはそのときの自分を救うために必要があって出てている症状だなぁと、体験から思います。
・潔癖→潔癖症、不潔恐怖症
・完全癖→強迫性人格障害
・虚言癖(→虚偽性障害、妄想性人格障害、演技性人格障害)
・恋愛癖→恋愛依存/恋愛妄想→ダメンズウォーカー/ストーカー
・酒嗜癖→アルコール依存症(中毒)
・万引き→盗癖(窃盗症)
・放火癖(放火症、放火魔)
このように、思い癖や考え癖が、
それが表現されたとき口癖、手癖などの「習癖」となって現れ、
その習癖が病的であれば「病癖(症状)」、
社会生活を困難にするものであれば「障害」、
社会に迷惑を及ぼすとみなされれば「中毒(依存症)」、
社会に害をなすとみなされれば「魔」と呼ばれるのでしょう。
これらすべての背景には、人生脚本、存在不安、ドライバーや禁止令などのIP(インナーペアレンツ)、無意識に押さえ込んでいたIC(インナーチャイルド)たちの問題があります。つまり、これらのことを理解し、自分と向き合う過程を経れば、誰でもこれらの“癖”から解放されるということです。
癖が治らないのは、その癖を維持する環境が周りにあるから。
そもそも環境要因があって癖(症状)が始まるわけですから、その環境要因を変えるか、そこから自分が離れるかしなければ、その癖(症状)は“そこ”で自分を生かすために出続けることになります。
根本的に癖を治すための方法は、なぜ自分がそれをしているのかを理解することです。そのためには自分の無意識を洞察しなければなりませんが、それは誰もがやろうと思えばできることであり、一方で、無意識のうちにさまざまなブロックがかかって自分と向き合わないままに生きている人も大勢います。
ただ、これまでの体験から、7年というのは、人が新たに動き始めるまでの一つの期間のように思います。その間に自分なりに何かをつかんでいます。ですから、その渦中にあってまだ7年経っていない人は、「もしかすると、自分なりに何かをつかもうとしているんだな」と思って、存分にそのことをしてみるのもいいかもしれません。
その後、3年をかけて依存を断っていくわけですが、依存を断つときは、
「3日―2週間―3ヶ月―3年」と覚えておけばいいかもしれません(単なる目安ですよ~)。ちょっと例を挙げてみましょう。
■禁煙-----------------------------------------------------------
たとえば、禁煙。
断固たる決意で意識して断つと吸いたい欲求が募りますからね~。風邪を引いたりしてタバコがまずく、なんとなく吸わなくなった―そういう状態が3日間続いたとしましょう。
3日抜けると一山超えますが、それでも食後などに吸いたくなるのが2週間ほど続き、そこを抜けると第一関門突破。いろんな人付き合いの中にあっても、何とかタバコなしで日常を送れそうです。
が、生活には浮き沈みがありストレスが加わる出来事もあるでしょう。そういうときにふと手を出してしまう可能性があるのが、禁煙して3ヶ月の間です。それを超えると、ストレスを感じたときにタバコに代わる対処法も身についてきますので、タバコを吸わないことが常態化していきます。
最初の3日間は、自分対タバコのガチンコ対決。
次の2週間は、“対人関係”の中で吸わずにすむ方策を見つける。
その後3ヶ月は、“対出来事(ストレス)”の中で吸わずにすむ方策を見つける
―このように、順を追って吸わなくてすむやり方を体になじませていくことで、禁煙を定着させていくわけですね。
転勤や引越しなどもそうですが、3ヶ月というのは、何らかの環境が変化したときに、新たな環境になじむための一つの単位期間とみなしてよいかもしれません。その3ヶ月が過ぎると、新たなパターンでの生活が定着していくわけです。
けれど、もう大丈夫と気が緩んだときに、ふとしたことからタバコが復活するかもしれません。それが、禁煙後3年の間です。3年あれば、日常的ストレス(デイリーハッスルズ)ではなく、ストレスフルな出来事(ライフイベント)があるかもしれません。
というわけで、それを乗り越えて、まぁ3年経過すれば大丈夫だろう、というのが、よく言われている見方の背景にあるものだろうと思います。
■断酒-----------------------------------------------------------
吾妻ひでおの「失踪日記」の最後の方でも、アルコール依存でついに精神病院に入院した後の状況が描かれていましたね。

入院直後は、暴れるため数日間独房で拘束状態。
その後、個室→2人部屋→6人部屋と症状が落ち着くにしたがって徐々に病室が広がっていきます。
治療プログラムが始まるのは、入院して19日後のことでした。
対人関係が落ち着き6人部屋に移る頃からで、職員の監視の下、日課どおりのスケジュールを過ごし、生活の基本を取り戻していくわけですね。その中で、入院患者全員で週1回ミーティングを行い、心の歯止めをしていくわけです。
ここでも、3日―2週間―3ヶ月という流れが生きているように思います。
最初の3日間は厳戒態勢で自分と酒のガチンコ対決。
続く2週間は対人関係の中でならし、
その後3ヶ月は日常の出来事の中でならしていく
―そういう流れがあるように思います。
ところで、その後の「うつうつひでお日記
病院での講義の中で、
『えーそもそもアルコール依存症とは不治の病気です。一生治りません』
『ぬか漬けのきゅうりが生のきゅうりに戻れないのと同じです』
という言葉を聞いてショックを受けるひでお氏の様子が描かれていましたが、言ってみればほとんどの人が何らかの依存症(特にお金依存)ですよ~(--;)。
だから、癖、嗜癖、症状、障害、依存症などに苦しんでいるのは、あなただけではありません。ほとんどすべての人がそうなんです(笑)。
<続く>