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9年で人は変わる:断ち切る3年―背骨を作る3年―育ち直しの3年

2010/12/21(Tue) Category : 自律(自由と責任)への道
●断ち切る3年------------------------------------------------------

さて、前項まで見ましたように依存から離脱するだけでも3年かかります。
依存を断ち切る闘いにエネルギーを使っている間は、心の深い部分と向き合うことは難しいかもしれません。まず依存せずに日常生活を送れるようになることが先です。

手術なども同じですね。手術をしないといけないことがわかってはいても、手術に耐える体力をつけることが先です。むやみに手術を急げば、手術は成功しても、相手を死なせてしまうかもしれません。

ですから、まず依存の治療が先なのです。
依存から遠ざかった後に、その後どうするのかはその人の判断です。




●背骨を作る3年----------------------------------------------------

もし心の根本的な問題に取り組むとすれば、それからさらに3年ほど見る必要があるでしょう。このブログに書かれてあるような過程を経て、最後の関門―孤独の試練を超えると、晴れて第二の誕生となります。背骨が形成されて第二の誕生を迎えるまでの期間が3年と見ればよいでしょう。

第二の誕生はとても感動的ですが、浮かれてはいられません。
へその緒を切らなければ、またハラスメント界に逆戻りしますし、後産もあります。




●育ち直しの3年(黄金の時)----------------------------------------

それらを抜けたら、育ち直しが始まります。
はいはいしながら興味のあることにまっしぐらに向かっていってあれこれと手を出す時期、食べ物を手づかみで食い散らかす時期、おっかなびっくりつかまり立ちする時期、歩けることがうれしくてあちこち動き回る時期、幼児反抗期……ほんとに生まれたての子どもと同じような経過をたどって育ち直しが始まります。

「三つ子の魂百まで」と言いますが、生まれなおして後のこの3年間はいわば黄金の時期でしょう。人生体験を持ち、親との間で培われたその人独自の特殊能力(笑)という武器を持った上で、新たに人生をやり直せるわけですから、これほどのアドバンテージはありません。

それほどの能力を持った上で、どのようにでも描くことができる真っ白なキャンバスが目の前に広がっているのです。これほどポテンシャルのあるときはないでしょう。どのような未来も思いのまま―自分の可能性は限りなく広がっています。もはや、邪魔するものはどこにもないのです。

こんな贅沢な時期は、そうそう巡り会えるものではありません。
孤独の試練を経て自律界に抜けた人だけが得られる奇跡の時です。

私は、勝手にこの時期を
人生最高の「黄金の時」と呼んでいます(^^)。

ですから、焦ってレールを敷くなぞもったいないもったいない。
このもっとも豊かな時間を存分に味わい、楽しんでください。






■9年間で組織は変わる----------------------------------------------

こうしてみると、
依存を断ち切るための3年
心と向き合い背骨を作るための3年
そして、第二の誕生後の黄金期の3年

この9年間を経て、第二の人生=あるがままの自分の人生が始まるのです。
薬物やアルコール、ギャンブルその他の病的な依存がなければ、
『依存を断ち切るための3年』と『心と向き合い背骨を作るための3年』は、あわせて『共依存を断ち切りハラスメント界から抜ける3年』とすることも可能でしょう。(いずれにせよ、すべて目安です)


実はこの9年にわたる変化は、私が就職して最初に9年間配属された工場で体験したものです。

私が新人として配属されたその工場で、その年からある賞を目指した活動が始まりました。それは、賞を取るという前向きな目標を掲げてはいますが、実質的には組織文化の破壊活動でした。この「破壊の3年間」で、良きも悪しきも、その組織の持つ文化は根こそぎ崩壊していきました。

それに次ぐ3年間は、いわば「土台作りの3年間」でした。
新たな体制の下で、まずは経済基盤を軌道に乗せなければなりません。組織を安定軌道に乗せるには、少なくとも3年はかかります。

そして、「レールを敷く3年間」が来ます。
それは、人事制度や教育体系など、新たな組織文化の植え付けです。それが定着するまで、やはり3年かかります。

私はとても幸運なことに、それぞれの節目で、そのときに最も重要な役に実務担当者として付くことができました。そして人事異動しながら、計9年間にわたって「組織文化の破壊→地均し→新たな文化の植え付け」の全容を実体験することができたのです。





■9年間で個人は変わる----------------------------------------------

これを上記の個人の場合に当てはめると次のようになります。
第1期:破壊の3年間=依存を断ち切るための3年
第2期:土台作りの3年間=心と向き合い背骨を作るための3年
第3期:レールを敷く3年間=第二の誕生後の黄金期の3年

つまり、個人であっても組織であっても、その人のあり方や組織体制を「変革」していくためには、各3年×3期=9年が必要であるというのが私の実感です。


3年間で旧組織の文化がなし崩しになくなったように、逆に、
3年間で組織への新たな文化の植え付けができたように、
3年間というのは、人間からある習慣を消えさせたり、あるいは人間にある習慣を植え付けたりするのに必要なスパンなのでしょう。

のべ9年間と言うと、とても長く感じるかもしれませんが、体験を元に言えば、とても濃密な時間で、過ぎてしまえばあっという間でした。それは、上記のように「3年間」という単位が人の心の変化に必要な時間だからだと思います。





■9年間で脱洗脳できる----------------------------------------------

さて、これもさまざまに応用できますね。
カルト宗教から社会復帰させるに当たっても次のように見るとよいかもしれません。
第1期:洗脳を解くための3年
第2期:生活訓練+心と向き合う3年
第3期:新たな可能性の中で自分の道を模索する3年

会社人間も「会社一神教」の信者のようなものですから、同じことが言えます。
第1期:社畜としての洗脳を解くための3年
第2期:地域デビューと生活訓練+心と向き合う3年
第3期:新たな可能性の中で自分の道を模索する3年

合併その他組織体制の変化、政治体制の変化も同様。

このように、生きる枠組みが大きく変化するときは9年周期で考えるとよいかもしれませんね。倦まずたゆまず気長にいきましょう。





★人生最初の9年間-------------------------------------------------

生まれなおして後の3年間が人生最高の「黄金の時」だということがわかると、赤ちゃんの時代がどれほど黄金の時期なのかがよくわかると思います。

それがわかると、文明社会の浅知恵で早期教育をさせることが、どれほど人間の可能性を奪って貧弱にし、人類の未来を奪っているのかがよく見えてくるでしょう。お受験など、親は子をロボットにするために手を貸しているようなもので、踊らされていることに気づいてほしいと思います。

私は、人生最初の黄金時代―6年間は学校教育などせず、自然が混在する地域社会の中で遊ばせるとよいと思っています(生命循環や集団力学など生きる知恵を身につける時期)。

その後集合教育に移り、読み書きそろばんなどの基本を3年間。
その3年という一つのスパンが経過し、10歳になる頃に「人生脚本」が形成されるわけです。とても豊かな脚本が形成されると思いますよ~。








「7年転機」+「9年周期」で人生の転機を乗り切ろう

水木しげる、ジョー・オダネル、吉田堅治-3人の人生から感じたこと





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丸9年かかりました

 今から7年前の断ち切る時期、講座に参加して英司さんとの遣り取りに熱くなっている私に「哀れに思える」と真知子さんがおっしゃいました。その言葉を受け入れることは出来ませんでした。母親との関係にもがいていた時期でした。

 その後も自分と向き合うのは怖かったのですが試行錯誤、紆余曲折を経て先月、私から母親に直接、花束を渡すと、とても喜んでくれました。和解したと思っています。
 
 中尾さん。講座ではお世話になりました。ブログも、とても
参考になりました。有り難うございました。









 


明日は、長男の9歳の誕生日です。


言葉にしきれない、色んな思いが頭を巡ります。


息子よ!


うまれてきてくれてありがとう。

 

 TVを観ていたら、インナーマザーを題材にした番組を放送していました。
 「NHK福祉ネットワーク キラキラ40 母と私 連鎖“インナーマザー”」
再放送:2011年1月5日(水)
 母・娘・子供の世代連鎖について語られてました。
おおっ、これだよー。私が今悩んでるのは!と思ったので、
コメント欄に書きこんでみました。
 
 
 

 

第一期を迎える勇気がもてました

昨年、このブログに出会い、
今年、カウンセリングをはじめることができました。
9年は長く感じますが、、、
山登りが好きなので、
9年級の大きな山を登るイメージで
その途中の景色も楽しみながら進みたいと思います。
頂上に着いたら、
今は重い荷物になっているこの自家製ビールを飲みたいです。

 

今年で十年になります。

こんばんは。

今回の記事も、読みながら不思議な感じがしました。
それは何故かというと、私が回復と自律に向かって歩き出したのが、ちょうど十年前だったからです。

三年、また三年、そしてまた三年‥そのとおりに、今、振り返ると過ぎていったように思います。

今も‥何かの拍子に涙がぼろぼろこぼれますし、人生脚本を手放そうとし始めたところです。

まだ‥道は続いています。
こけたりしながら、よろよろしながら、それでも歩いてゆきたいと思っています。

明けない夜はない、と信じて‥

 
    
 
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