「まほろば講座」資料の感想(年配男性)
ところで、大阪でのまほろば講座の折、直前にインフルエンザにかかって講座に出られなくなったため資料を送ってほしい旨のご要望があった方にお送りしましたところ、ご感想をいただきました。
資料だけでそこまで読み取ったり、新たな発見があったりされたことに、ご自身と向き合われてこられた過去がうかがわれました。ご年配男性の方にもご参考になると思いましたので、許可を得てやりとりを掲載させていただきます。
その方をAさんとします。
Aさんは、科学技術者として成功された後、パワハラ体験から40歳台のときにワークライフバランスをとる生活に転換。50代で父親の死を契機に会社を早期退職され、その後母親の介護、娘さんの結婚と、人生の大事な節目(イベント)にきちんと向き合って生きてこられた方です。
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中尾さんから頂いた資料はかなり分かりやすく、よく理解できると同時に本当にうまく図式化されてまとめられているなと感心しております。おかげで今まで、自分自身や妻との関係の課題を漠然としかとらえることができませんでしたが、この5カ月間程の間読ませていただいたブログと合わせて、自分を振り返る中で昔抱いた気持ちや感情を思い出すのに大いに役立たせていただきました。
多くは40歳台で気づいたことの繰り返しでしたが、今回新たに気づきがあったのは、これまでまったく疑いもなく信じていた母親がもっていた心の闇に気づいたこと。これが大きな成果です。
これで自分が今まで感じていた自分自身の壁が何だったのか、また、妻との間にある越えがたい溝が理解できました。理解したからと言って解決できるものではありませんが、これからは自分は自分、妻は妻、寂しいことではありますがあまり立ち入らないことにしようと思っています。
(今までも自他をちゃんと区別していましたが、妻だけはいつも身近にいるだけに双方にお互い自分を分かってほしいという依存の気持ちからなかなか抜け切れませんでした。)
人の心が図式化によってそう簡単に理解できるものではないことも理解しており、あくまで頂いた資料に書かれたとらえ方は理解をしやすくするためのひとつの思考方法であり、自分がどの段階にあるかなんていうことを照らしあわせてみても余り重要なことではないと思っております。そんなことよりも大事なことは今自分が自分自身をどう感じるかです。
今の自分にとって言えること。
それは、資料最後のページの「一隅照灯」
自分はこれを目指して残る人生を全とうしようということです。
この言葉、学生時代に比叡山にハイキングで登り、
延暦寺根本中堂の堂内で見た暗闇にある一隅の小さな火、
これが若いころから心にひっかかていました。
これが、人生最終コーナーに入りつつある今、
自分にとって大きな意味をもってきました。
自分が火となり光として、かすかでも一隅を照らす。
他人を照らすほどのものにはならないかも知れない。
しかし、少なくとも自分が自分自身を照らす。
それだけでもよいと思っています。
あの暗闇の弱々しい小さな火の情景を思うと、年齢とともに嫌でも向き合うことになる孤独をひしひしと感じるとともに、目に涙がにじみます。
そしてその周りに漂う静寂と平安、人への愛情を感じます。
私の親もそうだったように、妻も、娘も、孫もいつかは孤独の中で死を迎える。皆、同じです。
それまでの人生をどう生きるか、それはそれぞれの個人が悩みと苦闘の中から自分で掴んでいくのもの。
大阪で再度やってください。そのときはインフルにならないようにします。
是非とも参加させていただきます。
中尾さん夫婦の「まほろば」活動心より応援いたします。
どうもありがとうございました。
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ありがとうございました。
『これまでまったく疑いもなく信じていた母親がもっていた心の闇に気づいた』―驚きました。パワハラをはじめとして、様々なライフイベントを受け止めつつ、ずっとご自身と向き合ってこられたのでしょう。その姿勢が背骨を作り、そして気づく準備ができていたのでしょう。資料は、気づきのきっかけに過ぎなかったのだろうと思います。
そして、『母親がもっていた心の闇に気づいた』ということは、自身の闇にも気づくということ。
さらに、その闇の中で孤独に頑張ってきたチャイルドの姿も照らし出されるということです。
『孤独をひしひしと感じるとともに、目に涙がにじみます』―このようにチャイルドの孤独と健気さをしっかりと感じることができれば、もはや奥様に『自分を分かってほしい』と押し付けることはなくなるでしょう。チャイルドがその孤独をわかってほしいのは、何より自分だからです。
そして、自分がチャイルドと手をつないだとき、心に火が灯ります。火が灯れば、奥様も寄ってきます。ですから、死ぬときは孤独ではないでしょう。
『私の親もそうだったように』と書かれていらっしゃいますが、自身の闇に気づき、孤独と向き合われている時点で、既に親の辿った道とは異なる道を歩かれています。
すべてのライフイベントを終えた今、なすべきことは、親のために健気に頑張ってきた愛情深いICs(人生脚本を握ったチャイルド)を癒すことです。お母さんの闇が見えた今、改めてチャイルドの頑張りが見えてくるはずです。
あれもこれも、そうか、こんなに俺は頑張って来たのか…!
そのように、自分の頑張りを認め、讃え、よくやったと褒めて下さい。
チャイルドは、何より自分に認めてほしいのです。
そして、満足できたらニッコリと脚本を手放してくれるでしょう。
すると、人とつながってよいという許可がおりるでしょう。
あとは、あるがままの自分がそこにいるだけ。
奥様とも、娘さんとも、お孫さんとも、愛情豊かにつながることができます。
孤独は去ります。
暖かい日々が、もうそこまできています。
【SOFFet with MONGOL800 「ひとりじゃない」】