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読書感想「離婚裁判」(1)-加奈子の場合

2006/05/06(Sat) Category : モラハラ(モラルハラスメント)
1時間半ほどで読める。才色兼備の女性と勉強にもスポーツにも天才的な男性との結婚。それがなぜ、支配と被支配の関係に陥ったのか。
その背景に自分が全的に生きられない社会のあり方が浮かび上がってくる。

運動部のマネージャーとして人望も厚く、優秀な成績で大学を卒業し、羨望の眼差しの中一流商社に総合職として入社した加奈子。しかし、世界の大舞台で活躍することを夢見た加奈子に与えられた仕事は「お茶汲み」だった。

そして、不況の時代。会社はなりふりかまわぬ人減らしを開始する。人事が始めた「研修」は、独房のような研修所にリストラ対象者を隔離し、なにもさせないこと。

唯一許される行動は、毎日1時間おきに集められて「私は給料泥棒です」などと唱和させられること。この「アウシュビッツ研修所」に送り込まれた社員は、1ヶ月と持たず変わり果てた姿で退職していった。

加奈子も“収容”されるが、東京弁護士会の人権擁護委員会が関与してきたため、会社が研修所を閉鎖して救われる。しかし、転職もできずに会社で飼い殺しになる。

八方塞の中で、加奈子はおどおどした存在感を感じさせないお局となっていく。そこへ登場するのが英一郎である。…

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さて、私は「あきらめの壁をぶち破った人々」の中で次のように主人公にコメントさせた。
『うーん、強さというのは個性じゃない。状況によって、誰でも強くなったり弱くなったりするからね。よく自信を持てなんて言うけど、自信は自分一人でつけられるものじゃない。周囲の評価によって自信をもらったりペシャンコになったり、そういうもんだ』

加奈子は、もののみごとに自信を剥ぎ取られてしまっている。
何が加奈子の自信を剥ぎ取っていったのか、一つずつ見ていこう。

■1つ目は、男性優位の社会の壁
私も長年採用をやってきたが、修士を出てまで研究したいという女性には胆力のある優秀な者も多い。ところが、テーマの与え方が違うのだ。半年もしないうちに目が死んでいく女性を何人も見てきた。心底悔しかった…。

もちろん、女性を生かすことができない組織は男性も生かすことができない。新人から活力が消え、「あきらめ」の雰囲気が蔓延した。
私を突き動かしているものは、今でも、この人を生かすことができない社会の仕組みに対する「怒り」かもしれない。


■2つ目は、学閥などコネの壁
大企業になればなるほど根強い。仕事の任され方と実力も、評価と実力も、昇進と実力も別のものだ。その不条理が分かるから、実力ある者はスピンアウトし、あるいは仕事が適当になって大企業病が蔓延していく。
自分の人間性を磨いたり努力したりの結果とは異なる部分で予め道が決まっているとすれば、人は「無力感」に陥ってしまう。


■3つ目は、加奈子に向けられた「マイナスのストローク」
不満を持つ加奈子に対して恐らく向けられたであろう否定的な視線や言動。それは、日々「マイナスのストローク」として加奈子に投げられたことと思う。(付け加えれば会社の評価系は、そのほとんどが「減点主義」と言ってもよいが…)


■4つ目は、「忌避」あるいは「無関心」
一般職女性からは敬遠され、愚痴る仲間もいない孤立無縁の状況。感情を処理できずにただ溜め込んでいく日々は、それだけで心身にダメージを与えていく(「あきらめの壁をぶち破った人々」「あなたの子どもを加害者にしないために」に書いた「心のコップ」のメカニズムを参照されたし)。


■5つ目は、明確な「ディスカウント」
ディスカウントとは、人の価値を“値引く”ことである。“アウシュビッツ”で行われたことは、人間の尊厳をずたずたに踏みにじることだ。憤りを感じる(どこぞで行われていた「日勤教育」も同じ)。


■6つ目は、逃げ道を塞ぐ「第3次禁止令」
人を支配しようとするときに、真っ先になされることが逃げ道を塞ぐことだが、“問題社員”とレッテルを貼ることで転職つぶしをされている(「第3次禁止令」については、「あなたの子どもを加害者にしないために」を参照されたし)。


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この環境の中に長年いれば、たとえどれほどの自信家でも、いつのまにか、「何でも自分が悪い」「自分に原因がある」と自責の念に駆られる性格に変わっていくだろう。環境が人を否定しているからである。

最初に私は、「自分が全的に生きられない」と書いた。
日本という社会の環境の中に、人をディスカウントする(自分の価値を値引く)構造があちこちにあるのではないかと思う。

そういう環境の中に置いておいて、日本人よ自信を持てもないものだが…。環境に問題があることに気づかない限り、すべてが個人のせいにされてしまい、弱い個人を「鍛える」方向に議論が向かってしまう…。

さて、自分を取り戻し強くなるために私がやったこと。
それが、カウンセリングの勉強。

勉強仲間が私の気持ちを受け止めてくれて、それが支えになった。また、そこで繰り返し訓練して身につけた「聴く」スキルが自分に自信をつけた。

何でもよい。会社の外に一歩踏み出し、自己投資して学び直すとよいと思う。
3年くらい続けているうちに何かが見えてくると思う。
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