福島第一原発内部に入った「週刊朝日」(20110916号)
2011/09/08(Thu) Category : 地震・災害・脱原発
「週刊朝日9.16」メモ(ごくごく一部)
メディアで初めて福島原発内部を完全ルポ
<今週号と来週号の2週にわたってルポが掲載されるようです>

★原子炉建屋の中は木っ端みじんだった-----------------------------
『東電の幹部であるX氏らの案内で、福島第一原発の敷地内に入った。』
『私を内部に招きいれたX氏の思いは明快だった。
「このすさまじい原発事故は、必ず収束させる。これを教訓として二度と同じ過ちを犯してはなりません。
しかし、本社も国もここで起きている本当のことを広報していない。
だから、きちんと現場を見て感じて、それを報じてもらうことが大切だと考えたのです。それによって、国民が知ることができるのですから」』
『そして、いきなり目の前が開けた。
思わず息を呑んだ。
これはいったい、なんなのか。
何が起きたのか-。
迫るように視界に入ってきたのは4号機だった。』
『新聞写真やテレビ映像では散々見てきたが、これはまったく違う。
想像していたのと、スケールがまるで違う。
圧倒的な迫力。
震えが止まらず、体が凍りついたように固まってしまった。』
『「すごいでしょう。本当にこんなことになるとは私たちも想像していなかった」横でX氏が叫ぶように話す。防毒マスク越しでは、振り絞って出した大声もようやく、それも途切れ途切れに聞こえる程度だ。』
『建屋のコンクリートの壁は、厚さ2mはあるだろうか。
それが、いとも簡単にボロボロになっていた。』
『見えてきた「2号機」は一見、まったくの無傷のようだった。』
『「実は、内部はかなりの被害です。実際問題、津波による直接の被害は少なく、地震だけで大ダメージだったことになる。地震対策に問題があったと認めざるを得ない。それに線量も高く、作業員が長時間中に入ることはできない」』
『人間は「7シーベルト」を浴びれば、100%が死に至るとされる。そんなとんでもない線量の場所が、現場ではいきなり見つかる。まさに、死と隣り合わせの状況が続いているのだ。』
『緊張と暑さ、暗さで全身汗びっしょりになり、正直、このときの記憶はとぎれとぎれになっている。』
『「ちょっと放射線量が高くなってきましたね」X氏らの言葉で外に出た。時間にして5分足らずか。この程度が限界のようだ。』
『X氏は、こう言うのだ。
「現場を見てもらえば、わかるでしょう。(略)
再稼動なんてありえない」』
『「いまも毎日1~2回、救急車が出動しています。
もっと作業員の労働環境を整えなければなりません」』
『私が原発の現場に行ってわかったことがある。東電が公表している情報は、うまく“編集”されていて被害の実態が把握できない。』
★広瀬隆×藤田祐幸---------------------------------------------
藤田
『僕はやっぱり福島を中心とした汚染地帯は、ソ連のように封鎖すべきだと思います。今の汚染レベルを考えると、新幹線や高速道路も通していけないと思う。そこの人々は手厚く保護しながら、九州や北海道などの耕作放棄地や限界集落などに移住させるべきです。国の存立がかかる食糧自給を支える東北が、深刻な放射能汚染にさらされた現実を直視して、北海道や九州がどれだけ補えるかを考えなければいけない』
広瀬
『まずは取り返しのつかない、大規模で深刻な放射能汚染が起こったことを認めてから、話を始めないといけない。認めろって、僕は叫んでまわってるわけだけど、認めないんですよ、国民が』
藤田
『放射能っていうのはまったく見えないから。チェルノブイリでは、まさに何も変わっていなかった。「緑したたる廃墟」という言葉でそれを表現したことがある。ほんとに豊かなウクライナの穀倉地帯がそのまま残っている。でも、放射能を測ればとてつもなく高い。日本で実感がわかないというのは、まさにそういう状況ですね』
広瀬
『原発がある現地は事態を深刻に受け止めている。現地を変えて止める。それしかない。』
藤田
『そう、地域の闘いですね。僕は今、九州で、農業者、漁業者、林業者、畜産業者に、働きかけをはじめています。事故が起こったら、地場の産業は崩壊することがわかったはずだ。一人一人が声を上げなければ何も変わらない。地域から日本が変わっていくことに、希望を見出すしかないですね』
【原発が安全か否かという論争はもう終わりにしよう】
メディアで初めて福島原発内部を完全ルポ
<今週号と来週号の2週にわたってルポが掲載されるようです>

★原子炉建屋の中は木っ端みじんだった-----------------------------
『東電の幹部であるX氏らの案内で、福島第一原発の敷地内に入った。』
『私を内部に招きいれたX氏の思いは明快だった。
「このすさまじい原発事故は、必ず収束させる。これを教訓として二度と同じ過ちを犯してはなりません。
しかし、本社も国もここで起きている本当のことを広報していない。
だから、きちんと現場を見て感じて、それを報じてもらうことが大切だと考えたのです。それによって、国民が知ることができるのですから」』
『そして、いきなり目の前が開けた。
思わず息を呑んだ。
これはいったい、なんなのか。
何が起きたのか-。
迫るように視界に入ってきたのは4号機だった。』
『新聞写真やテレビ映像では散々見てきたが、これはまったく違う。
想像していたのと、スケールがまるで違う。
圧倒的な迫力。
震えが止まらず、体が凍りついたように固まってしまった。』
『「すごいでしょう。本当にこんなことになるとは私たちも想像していなかった」横でX氏が叫ぶように話す。防毒マスク越しでは、振り絞って出した大声もようやく、それも途切れ途切れに聞こえる程度だ。』
『建屋のコンクリートの壁は、厚さ2mはあるだろうか。
それが、いとも簡単にボロボロになっていた。』
『見えてきた「2号機」は一見、まったくの無傷のようだった。』
『「実は、内部はかなりの被害です。実際問題、津波による直接の被害は少なく、地震だけで大ダメージだったことになる。地震対策に問題があったと認めざるを得ない。それに線量も高く、作業員が長時間中に入ることはできない」』
『人間は「7シーベルト」を浴びれば、100%が死に至るとされる。そんなとんでもない線量の場所が、現場ではいきなり見つかる。まさに、死と隣り合わせの状況が続いているのだ。』
『緊張と暑さ、暗さで全身汗びっしょりになり、正直、このときの記憶はとぎれとぎれになっている。』
『「ちょっと放射線量が高くなってきましたね」X氏らの言葉で外に出た。時間にして5分足らずか。この程度が限界のようだ。』
『X氏は、こう言うのだ。
「現場を見てもらえば、わかるでしょう。(略)
再稼動なんてありえない」』
『「いまも毎日1~2回、救急車が出動しています。
もっと作業員の労働環境を整えなければなりません」』
『私が原発の現場に行ってわかったことがある。東電が公表している情報は、うまく“編集”されていて被害の実態が把握できない。』
★広瀬隆×藤田祐幸---------------------------------------------
藤田
『僕はやっぱり福島を中心とした汚染地帯は、ソ連のように封鎖すべきだと思います。今の汚染レベルを考えると、新幹線や高速道路も通していけないと思う。そこの人々は手厚く保護しながら、九州や北海道などの耕作放棄地や限界集落などに移住させるべきです。国の存立がかかる食糧自給を支える東北が、深刻な放射能汚染にさらされた現実を直視して、北海道や九州がどれだけ補えるかを考えなければいけない』
広瀬
『まずは取り返しのつかない、大規模で深刻な放射能汚染が起こったことを認めてから、話を始めないといけない。認めろって、僕は叫んでまわってるわけだけど、認めないんですよ、国民が』
藤田
『放射能っていうのはまったく見えないから。チェルノブイリでは、まさに何も変わっていなかった。「緑したたる廃墟」という言葉でそれを表現したことがある。ほんとに豊かなウクライナの穀倉地帯がそのまま残っている。でも、放射能を測ればとてつもなく高い。日本で実感がわかないというのは、まさにそういう状況ですね』
広瀬
『原発がある現地は事態を深刻に受け止めている。現地を変えて止める。それしかない。』
藤田
『そう、地域の闘いですね。僕は今、九州で、農業者、漁業者、林業者、畜産業者に、働きかけをはじめています。事故が起こったら、地場の産業は崩壊することがわかったはずだ。一人一人が声を上げなければ何も変わらない。地域から日本が変わっていくことに、希望を見出すしかないですね』
【原発が安全か否かという論争はもう終わりにしよう】
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