存在不安が強い人の家の結界 2玄関―2,パンドラの箱
笑い飛ばすのはいいですね~。
ICとつながった方は、IPが逆襲を仕掛けてきます。そして追い詰められれば追い詰められるほど、それは露骨になっていき、最後はなりふり構わなくなってきます。
そういう時、本人はとても大変なのですが、私は「楽しみましょう」と言っています。何しろどんどん手の内を見せてくれるわけですからね~。あぁそうきたか、おやこんどはこうきたか、と楽しいわけです。“自分”がいかに“賢い”かわかりますよ~。
一通り自分で体験すると、他の人のIPも見破ることができるようになります。楽しいでしょ?
そういう、人を見破るプロになる訓練を、“自分”が自分にしてくれるのですから、まことにありがたいですよね~。IPの強い方、変ですが、自分に感謝しましょう(^^)。
さて、続きです。
<箱>------------------------------------------
たとえば、玄関を入った正面に大きな箱が置いてあったとします。
しかも、その箱が蓋付きであれば、これも感情を閉じ込めろというメッセージ。
古びた海賊箱のような大きな木箱を見たときのこと。
開けてもらったら蓋の裏一杯を埋め尽くして漢字が書き連ねてありました。
まるで呪文。しかも中身は空っぽ。
・・異様でした。
思わず「耳なし芳一」を思い出しました。
芳一の全身に書かれた般若心経が芳一の姿を透明にして隠したように、感情を透明にして箱の中に閉じ込めているようです。
玄関を開けたとたんに目に飛び込んでくるわけですから、「気持ちは鍵のかかる金庫の中にしっかりとしまいこんで、絶対に出すな」というくらいの強いメッセージが伝わってきます。
実は、この家は怒りを封印している家でした。
封印している怒りが大きいのは、一見そう見える父親ではなく母親のほうで、その母親は自分の中に親に対する殺意のごとき怒りがあることを知らないままに生きていた人でした。
もちろん、子どもはそれを体で感じており影響を受けているのですが、母親はその影響が自分のせいだとは露も思っていませんでした。親に対する破壊的怒りを封印するために、それほど異様な箱が必要だったのでしょう。
このように「蓋付きの箱」は、無意識にIC(感情)を閉じ込めようとしている家でよく見られるものです。扉つきのカラーボックス、籐箱、紙箱、ガラス箱など、形を変えてあちこちで見受けられます。
たとえば、扉つきのカラーボックスの中に自分の好きな本をしまいこんであるとすれば、心(IC)を出すなということですね。もちろん、それ単体でそうと判断しているわけではなく、例えばその向かいにピアノ(IP)があって睨みをきかしていたり、そのボックスの上に黒いものや寒色系のもの、親カラーのもの、親から贈られたもの、などが置かれていたりします。
まぁ、自分の心をかくも厳重に包囲しているわけです
(自分でやってるんですけどね ^^;)
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さて、上記の例を見ると、封印された心は「パンドラの箱」のようなもので、箱を開けるとどんな恐ろしいものが飛び出して来るか分からないから怖いと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、どんなに強固に封印しようとしても、そうされればされるほど「感情という存在」は様々な手段を使って出てこようとします。上記の方は解離性障害が起こっていました。
それらの感情(IC)もかつての自分です。
その感情は、自分がきちんと感じてくれることを願っています。
それだけなんです。
ですから、逃げ続ければ衝動や病が自分を襲ってきますが、
自分と向き合おうとすれば、自分を破壊するような感情は出てきません。
出てきたときは、自分にその準備が整っているということです。
その準備とは、何より決意です。
自分から逃げない決意―それが、何よりの準備となります。
ところで、箱の中には、怒りのほかにどのようなものがしまってあるんでしょうね。上記の例は強烈なので、「パンドラの箱」の中には「百八の煩悩」が詰まっていて、最後の最後に一つだけ“希望”があった―という、ちょっと大変そうなイメージですが(んー、もちろん巨大な負の感情を吐き出す間は苦しいですよ)、私の実感では、小さいちゃんの健気な思いが一杯詰まっているんです。
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IPがとても強くて上から押さえつけ、ICも心のコップにぎっしりと重くて、深海に沈んでいらっしゃった方がいらっしゃいました。
カウンセリングが進み、気持ちで行動し始め、徐々に浮上してICも出始めたあるとき―カラオケボックスでカウンセリングしていたときでした。
さらっと流された思い出話の中に“メロンソーダ”が出てきて、そこにIC(小さいちゃん)が特別な思いを抱いていることが分かりました。
けれど、その方はメロンソーダを持ってきません。
IPが邪魔しているなぁと思いつつ眺めていました。
そこで、その方がトイレに行っている間に、
私はお代わりをしに行ってメロンソーダを持ってきました。
すると、戻ってきたその方は、
見るなり目を丸くして、
思わずそれを手に取っていたのです。
チャイルドが喉から手を出していました(^^)。
そして、
「あー、私はこんなにも・・・」
と、大泣きされました―
メロンソーダには、
お母さんと笑顔で
楽しいノビノビした時を過ごしたいという、
小さいちゃんのささやかな
ささやかな願望が
込められていたのです。
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ほんの ささやかな思い
誰もが持つような 小さな小さな願い
けなげな思い
そんなささやかなことを
IPは、全力で封印し、させまいとします。
自分が小さいちゃんとつながったら困るからです。
自分と小さいちゃんが信頼で結ばれると、IPは自分をコントロールできなくなりますからね。
だからこの時も、この後で自分の思いで行動してもらいました。
そして、自分でメロンソーダを持ってきて、心ゆく飲んだ後、
晴れ上がりました(^^)。
皆さんも、箱の中に詰め込んである
小さいちゃんのささやかな、ささやかな願いを、
今の自分が叶えてあげて下さい。
ずっと変われなくて独り立っている
あの日のままの少年が、
あの日のままの少女が、
箱の中で待っています
https://www.youtube.com/watch?v=P79_w7gwonE
【Kotoko 「サイダー」】