「孤立が監禁を生んだ」~アイ・メンタルスクール事件
2006/05/19(Fri) Category : 不登校・引きこもり
「孤立が監禁を生んだ」というタイトルの社説(5/14)で、朝日新聞は次のように書いている。
『見捨てるか、監禁するか。引きこもりが問題になって久しいのに、こんな貧しい選択肢しかないのだろうか』
『家族に助言できる態勢が急がれる』
『子どもも親も、これ以上孤立させてはいけない』
書いていることはその通り。だが、嘆くだけではなく、また通り一遍のことを言うだけではなく、一歩踏み込んだ考察や提言もして欲しい。そのためには、自分が家族の問題で困ったとしたら、どういう『態勢』が欲しいかを考えてみるとよい。
■1,健康保険を使えるようにする
・体の心配事があれば医者に相談に行く。健康保険が利く(→薬)。
・心の心配事が体に表れれば心療内科に行く。健康保険が利く(→薬)。
・心の心配事をカウンセラーに相談に行けば健康保険が利かない。
「心身一如」「プラシーボ効果」「病は気から」…医療費抑制のために心の相談に保険適用することは理にかなっていると思う。
交通戦争(←1万人を超えて“戦争”と言われるようになった。ピーク時約16000人)を遙かに上回る「自殺戦争」(?)の時代。なぜ、「心」に対する政策的な対策がとられないのか。
保険が使えれば、「心の相談」を敬遠する意識も変わってくるだろう。クライアントが3割の負担ですむということになれば、カウンセリングも普及するはずだ。自殺による家族や地域や会社への影響、交通麻痺、鬱による生産性の低下などの社会的ロスやコストを考えただけでも保険適用は十分ペイする施策だと思う。
WHOの健康の定義は次の通り。
『Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of dease of infirmity.』
(健康とは肉体的、心理的、精神的、社会的に完全に調和がとれ生き生きしている状態にあること、単に疾病又は病弱でないことを意味するのではない)
世界は、spiritual までを健康の定義に含めようとしているご時勢なのだ。少なくとも、「心身」まではセットで保険適用する道を模索し始めてもいいのではないか(いろいろと難しい問題はあるけどね…)。
■2,家族が欲しいのは心の支え
私にご依頼があった不登校の子供のお父さん。いくらお父さんがカウンセリングに通っても埒があかなかった。カウンセラーを変えた。今度は息子さんを連れてきてくださいと言われた。連れてこられるくらいなら悩みはしない。
ご家族が求めているのは、見守り、気持ちを受け止め、助言をしてくれる信頼のおける第3者。
“現場”で得られる圧倒的な情報量と比較すれば、カウンセラーがカウンセリングルームで待っていても埒があかないのだ。
■3,システムズアプローチを理解している家族カウンセラーでなければダメ
カウンセリングルームに訪れた個人だけを対象にするのとは異なり、時系列と構造の両方から家族という有機体を丸ごと扱うことのできるカウンセラーが必要。そこがわからずに介入すると、混乱を拡大させる結果になる場合もあり極めて危険。
つまり、家族療法を学んだ人間が家族の中へと入っていく。それが、『子どもも親も、これ以上孤立させ』ず、『家族に助言できる態勢』なのではないか。
そこがわかれば、どういう人材が必要で、そのためにはどのようにカウンセラーの養成を進めなければならないか、それらのカウンセラーをどのように支援しなければならないかがわかってくると思うのだが。
『見捨てるか、監禁するか。引きこもりが問題になって久しいのに、こんな貧しい選択肢しかないのだろうか』
『家族に助言できる態勢が急がれる』
『子どもも親も、これ以上孤立させてはいけない』
書いていることはその通り。だが、嘆くだけではなく、また通り一遍のことを言うだけではなく、一歩踏み込んだ考察や提言もして欲しい。そのためには、自分が家族の問題で困ったとしたら、どういう『態勢』が欲しいかを考えてみるとよい。
■1,健康保険を使えるようにする
・体の心配事があれば医者に相談に行く。健康保険が利く(→薬)。
・心の心配事が体に表れれば心療内科に行く。健康保険が利く(→薬)。
・心の心配事をカウンセラーに相談に行けば健康保険が利かない。
「心身一如」「プラシーボ効果」「病は気から」…医療費抑制のために心の相談に保険適用することは理にかなっていると思う。
交通戦争(←1万人を超えて“戦争”と言われるようになった。ピーク時約16000人)を遙かに上回る「自殺戦争」(?)の時代。なぜ、「心」に対する政策的な対策がとられないのか。
保険が使えれば、「心の相談」を敬遠する意識も変わってくるだろう。クライアントが3割の負担ですむということになれば、カウンセリングも普及するはずだ。自殺による家族や地域や会社への影響、交通麻痺、鬱による生産性の低下などの社会的ロスやコストを考えただけでも保険適用は十分ペイする施策だと思う。
WHOの健康の定義は次の通り。
『Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of dease of infirmity.』
(健康とは肉体的、心理的、精神的、社会的に完全に調和がとれ生き生きしている状態にあること、単に疾病又は病弱でないことを意味するのではない)
世界は、spiritual までを健康の定義に含めようとしているご時勢なのだ。少なくとも、「心身」まではセットで保険適用する道を模索し始めてもいいのではないか(いろいろと難しい問題はあるけどね…)。
■2,家族が欲しいのは心の支え
私にご依頼があった不登校の子供のお父さん。いくらお父さんがカウンセリングに通っても埒があかなかった。カウンセラーを変えた。今度は息子さんを連れてきてくださいと言われた。連れてこられるくらいなら悩みはしない。
ご家族が求めているのは、見守り、気持ちを受け止め、助言をしてくれる信頼のおける第3者。
“現場”で得られる圧倒的な情報量と比較すれば、カウンセラーがカウンセリングルームで待っていても埒があかないのだ。
■3,システムズアプローチを理解している家族カウンセラーでなければダメ
カウンセリングルームに訪れた個人だけを対象にするのとは異なり、時系列と構造の両方から家族という有機体を丸ごと扱うことのできるカウンセラーが必要。そこがわからずに介入すると、混乱を拡大させる結果になる場合もあり極めて危険。
つまり、家族療法を学んだ人間が家族の中へと入っていく。それが、『子どもも親も、これ以上孤立させ』ず、『家族に助言できる態勢』なのではないか。
そこがわかれば、どういう人材が必要で、そのためにはどのようにカウンセラーの養成を進めなければならないか、それらのカウンセラーをどのように支援しなければならないかがわかってくると思うのだが。
新聞やテレビでは報道されない真実<社会復帰NPO施設で男性死亡 「しごかないと治らぬ」/アイ・メンタルスクール事件>
本事件の取材を、弊社の者の友人である新聞社社会部の報道記者が担当しています。 その足で追って、その目で見て、その耳で聞いてきた記者でこそ知りえた、貴重なお話をうかがうことができました。 ですので、全国紙やテレビでは取り上げられなかった続報、より詳細な生の ...