貝リンガル―声なき声を聴く永井清仁さん
2012/07/22(Sun) Category : 人物
1992年 三重県英虞(あご)湾でアコヤガイが大量死した
原因不明
なぜ?
死を前になすすべを持たない研究者永井清仁さんは
悔しい思いの中で調査を続けた
そして、ついに発見したのが貝だけを殺す新種のプランクトン
「ヘテロカプサ」
このプランクトンに触れると貝の心臓が止まるのだ
相手は自然発生する生き物、しかも赤潮のように目に見えるわけではない
その相手からどうやって貝を守ればいいのか?
わからない
ならば、貝に聴こう
“心電図”を取り付けるのが、“貝に聴く”ために最初に行ったことだった
けれど、それは貝に負担が大きすぎた
物言わぬ貝から、しかも貝に負担をかけずに聴く
それはつまり、「観察」しかない
アコヤガイは普段は1時間に1、2回しか口を閉じない
けれど、プランクトン下では1時間で20回と急増する
本城凡夫教授と共同で試行錯誤の結果、貝に負担をかけずに貝の開閉をキャッチするセンサーを取り付けることに
取り付けた日、計器をじっと見続ける永井さん
成功すれば、貝が口を閉じたときにグラフに山ができるはず・・・
現れた!
成功!!
こうして、“貝の声”が集まり始めた
「酸素が足りない時は殻の開閉が頻繁で、かつ規則正しくなる」
「硫化水素が発生した時は殻を閉じている時間が長くなる」
この観測結果は、つまりはアコヤガイの「言葉」だ。
それを人がわかる言葉に翻訳すればいい
そして登場したのが、これ↓

もう、すンばらしいね!
貝からの悲鳴がメールで届くのです。
すると、直ちに貝を引き上げたり、場所を変えたりできるわけです。
人間と物言わぬ貝とのコミュニケーション&助け合い
(まぁ、人が貝を身動きさせなくしているわけですが・・)
今や、この貝リンガルをカキ、ホタテ、アサリなど他の貝にも設置しようとしています。
・志度湾のカキに貝リンガルを設置
すると、貝の特性によって様々な“声”を聴くことができ、「海の環境」がより細かくわかるわけですね。それは人を守ることに直結します。
後を継ぐ研究員(40歳)の方が、百科事典のような「貝話辞典」を作りたいと言っておられましたが、それは人類を救う辞典の一つになるのではないでしょうか。
さらに永井さんは、世界中の貝に貝リンガルを設置して、日本が貝(=海)の健康管理のセンターになればという夢を語っておられました。海に守られ育まれている日本だからこその地球への恩返しだと思います。
これだけ恩を受けながら、放射能で汚してしまってゴメンね―という思いもあったので、とても嬉しいことでした。
いやぁ~、それにしても夢が既に国境を越えていますね~♪(^^)
「貝は痛くないのかな~」と思っていた少年の夢は、経済だの国境だのの人間のエゴを超えて、地球環境を守る=私たち自身を守ることに直結しています。
永井清仁さんの言葉で嬉しかったもの(うろ覚えですが)―
「貝は弱い。弱いものほど環境に敏感。だから、弱いものを守ることが私たちに返ってくる」
「ヘテロカプサには大変な思いをした。だけど、ヘテロカプサのおかげで貝の声を聴くことができた」
*「27時間テレビ」の途中で「夢の扉+」を見て、初めて知りました
ドリームメーカー/三重県志摩市 ミキモト真珠研究所 所長永井清仁 さん
赤潮など海の異変を24時間検知する夢の装置『貝リンガル』
~カイのカイ話をカイ読して、世界中の海の環境を監視せよ!~
*永井清仁さんのストーリーは、人を育てる上での示唆にあふれています。
わからないことを頭であれこれ考えるのではなく、相手に直接聴く姿勢。
しかも、相手を侵害せずに相手を観察することで聴く姿勢。
永井さんにとって貝は子どもで永井さんは親だなぁ、とつくづく感じました。過去にも猿や鷹など動物と向き合っている人々を取り上げていますが、それらの人々は物言わぬ動物から教わることによって「親」にしてもらっています。
人間ほど、「親」になりにくい種もいないだろうなぁと思ってしまいます。子に対して謙虚でないからでしょうね。
そして、とても感動したのは、永井さんがヘテロカプサに感謝されていたことでした。
かつては、多くの漁民に悔しく悲しい思いをさせ、永井さんも研究者としての無力感に打ちのめされたことでしょう。しかし、それから20年―その時の悔しさは、今地球を救うほどの素晴らしい成果となって実を結んでいます。
乗り越えた方は、すべてのことに感謝できる境地に達するんでしょうね。
ありがとうございました。
原因不明
なぜ?
死を前になすすべを持たない研究者永井清仁さんは
悔しい思いの中で調査を続けた
そして、ついに発見したのが貝だけを殺す新種のプランクトン
「ヘテロカプサ」
このプランクトンに触れると貝の心臓が止まるのだ
相手は自然発生する生き物、しかも赤潮のように目に見えるわけではない
その相手からどうやって貝を守ればいいのか?
わからない
ならば、貝に聴こう
“心電図”を取り付けるのが、“貝に聴く”ために最初に行ったことだった
けれど、それは貝に負担が大きすぎた
物言わぬ貝から、しかも貝に負担をかけずに聴く
それはつまり、「観察」しかない
アコヤガイは普段は1時間に1、2回しか口を閉じない
けれど、プランクトン下では1時間で20回と急増する
本城凡夫教授と共同で試行錯誤の結果、貝に負担をかけずに貝の開閉をキャッチするセンサーを取り付けることに
取り付けた日、計器をじっと見続ける永井さん
成功すれば、貝が口を閉じたときにグラフに山ができるはず・・・
現れた!
成功!!
こうして、“貝の声”が集まり始めた
「酸素が足りない時は殻の開閉が頻繁で、かつ規則正しくなる」
「硫化水素が発生した時は殻を閉じている時間が長くなる」
この観測結果は、つまりはアコヤガイの「言葉」だ。
それを人がわかる言葉に翻訳すればいい
そして登場したのが、これ↓

もう、すンばらしいね!
貝からの悲鳴がメールで届くのです。
すると、直ちに貝を引き上げたり、場所を変えたりできるわけです。
人間と物言わぬ貝とのコミュニケーション&助け合い
(まぁ、人が貝を身動きさせなくしているわけですが・・)
今や、この貝リンガルをカキ、ホタテ、アサリなど他の貝にも設置しようとしています。
・志度湾のカキに貝リンガルを設置
すると、貝の特性によって様々な“声”を聴くことができ、「海の環境」がより細かくわかるわけですね。それは人を守ることに直結します。
後を継ぐ研究員(40歳)の方が、百科事典のような「貝話辞典」を作りたいと言っておられましたが、それは人類を救う辞典の一つになるのではないでしょうか。
さらに永井さんは、世界中の貝に貝リンガルを設置して、日本が貝(=海)の健康管理のセンターになればという夢を語っておられました。海に守られ育まれている日本だからこその地球への恩返しだと思います。
これだけ恩を受けながら、放射能で汚してしまってゴメンね―という思いもあったので、とても嬉しいことでした。
いやぁ~、それにしても夢が既に国境を越えていますね~♪(^^)
「貝は痛くないのかな~」と思っていた少年の夢は、経済だの国境だのの人間のエゴを超えて、地球環境を守る=私たち自身を守ることに直結しています。
永井清仁さんの言葉で嬉しかったもの(うろ覚えですが)―
「貝は弱い。弱いものほど環境に敏感。だから、弱いものを守ることが私たちに返ってくる」
「ヘテロカプサには大変な思いをした。だけど、ヘテロカプサのおかげで貝の声を聴くことができた」
*「27時間テレビ」の途中で「夢の扉+」を見て、初めて知りました
ドリームメーカー/三重県志摩市 ミキモト真珠研究所 所長永井清仁 さん
赤潮など海の異変を24時間検知する夢の装置『貝リンガル』
~カイのカイ話をカイ読して、世界中の海の環境を監視せよ!~
*永井清仁さんのストーリーは、人を育てる上での示唆にあふれています。
わからないことを頭であれこれ考えるのではなく、相手に直接聴く姿勢。
しかも、相手を侵害せずに相手を観察することで聴く姿勢。
永井さんにとって貝は子どもで永井さんは親だなぁ、とつくづく感じました。過去にも猿や鷹など動物と向き合っている人々を取り上げていますが、それらの人々は物言わぬ動物から教わることによって「親」にしてもらっています。
人間ほど、「親」になりにくい種もいないだろうなぁと思ってしまいます。子に対して謙虚でないからでしょうね。
そして、とても感動したのは、永井さんがヘテロカプサに感謝されていたことでした。
かつては、多くの漁民に悔しく悲しい思いをさせ、永井さんも研究者としての無力感に打ちのめされたことでしょう。しかし、それから20年―その時の悔しさは、今地球を救うほどの素晴らしい成果となって実を結んでいます。
乗り越えた方は、すべてのことに感謝できる境地に達するんでしょうね。
ありがとうございました。