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「土浦両親姉惨殺事件」―2,父親の生き人形

2013/04/26(Fri) Category : 少年犯罪・家族事件簿
【土浦28歳・両親姉惨殺事件目次】

★2,「穏やかないい人」というペルソナの下------------------------

『飯嶋家は、代々この土地の地主』―このような旧家や名家は、家そのものが地域から注目されるという宿命を背負います。品行方正で人々の模範であるよう、親が押しつけるだけではなく地域からも押しつけられるわけです。

そういう家に育った場合、家の存在自体が家人すべてを圧迫することになります。代々「外の目」を意識する家庭になってしまいますので、外から見られているように感じたり、近所を歩いているだけで見られているように感じたりと、外の目に敏感になってくるのです。

さらに『祖父は市議会議長』ですから、父親(一美)への圧迫もかなりのものがあったでしょう。一美は外では「穏やかないい人」という仮面(ペルソナ)をつけなければなりませんでした。

ペルソナをつけた一美は、父親に認めてもらいたい人生脚本を生きている一美であり、その仮面の下には、封印された感情―「怒れる一美」や「存在不安を持つ一美」が隠れています。

封印された感情は自分自身にわかってほしいので、きっかけをつかんでは出てこようとします。それが「衝動」となって自分を突き動かし、吐き出しやすい相手に向かって吐き出すことになります。

「感情」と「衝動(封印された感情)」の関係は次のようになります。
苦手な相手に対して、言いたい感情を封印し、
容易な相手に対して、その感情を爆発させる(=衝動)[代償行為]

「怒れる一美」は、『DV夫であり虐待親』となって現れました。父親に対する怒りを妻子に向かって吐き出したわけです。




★3,引きこもらざるを得ない心理状況の形成-------------------------

父親から暴力を振るわれる母親を見て育った勝は、幼い頃から自分の人生どころの話ではありません。安全基地(母親)が崩壊してしまっては元も子もないからです。子が自分の人生をスタートできるのは、母親に安心してからです。
子育て心理学:第3部 4)登校拒否の理由-「子は親の心の鏡」

また自らも、男児にとって生き方モデルである父親から虐待を受けるわけで、自信が形成されません。その父親の姿は家族に依存している姿なので自律の仕方も分かりません。さらに、社会人代表である父親が理不尽に暴力を振るってきますから、人間と社会を信用できなくなります。

こうして、母親への心配(吸引力)と、父親から力を剥奪されたことから、家から出ることができない心理状況が作られていったわけです。




★4,「生きた置き人形」を求める親--------------------------------

勝が引きこもることは「存在不安を持つ一美」にとっても望ましいことでした。「存在不安を持つ一美」は、常に自分を気にしてくれる存在を作ろうとします。といって自分の気持ちを受け止めてくれる存在が欲しいわけではありません。というのも、既に心は封印しているからです。

自分という存在の本体は気持ちなのであり、その気持ちを封印しているから存在不安も強まるわけです。結局、存在不安を作っているのは、「自分(インナーチャイルド)を疎外している自分」なのです。

が、そういうことに気づいていない自分は、その不安を感じたくないためにあらゆる手を講じて生きるようになりますが、その一つが、常に自分を気にしてくれる、あるいは「いつも“そこ”に居る存在」を作ることです。

“そこ”は存在不安の程度によって様々です。座敷牢であっても、精神病院であっても、高級マンションであっても、“そこ”が“親のテリトリー”であり、そこに閉じ込められていればいいのです。“そこ”に、常に自分を意識している存在がいる―“そう思えればいい”のです。

この時、相手が“そこ”でどのような精神世界を生きているのかは関知しません。虚構を生きていますので、感情というリアルなものに触れたくもありませんし、そもそも心を殺して生きているので、相手の心理世界を理解できません。

つまり、自分とつながりのある“誰か”が、“そこ”にいればいいのです。その“誰か”は、心を受け止められることもなく「生きた人形」として“そこ”に置かれることになります。




★5,食って寝て排出するだけの9年間-------------------------------

家の造りや部屋は、心の様子がそのまま表れますが、『父親がいつもいる茶の間と廊下を挟んだだけの位置にあり、廊下に面した引き戸をいつも開けておくように言われていた。(閉めておくとまた虐待)』という状況が、上記のことをよく現しています。深層心理を見れば、一美はいつも勝から見てもらいたかったのでしょう。

さらに、『部屋は机と布団くらいで本や雑誌も皆無だった』―これは、勝に自分の好きなことに集中させないためです。勝が何かに集中しているとき、自分が無視されていると感じて不安が湧くからです。

(たとえば家族や友達と3人でいて、どこかの時点で2人が共通の話題で話し始めたときに、寂しさや孤独、取り残され感や無価値感を感じたことがある人もいるでしょう。それが存在不安の表れです)

また、何かに集中する=自分の世界ができる、ということで、不安の強い親は自分の世界以外の世界を子が持つことを禁じます。

それに自分の世界ができるということは自我ができる=親との間に自我境界ができてしまいますので、自我の形成も禁じます。(自分の思い=相手の思い、というストーカー心理の形成の根っこは、存在不安の強い親にあります)


『父親がいる間はトイレも何もかも我慢して』ということは、言い換えれば常に父親を意識しているということですが、その意識されていることを感じることが(無意識に)一美は嬉しいのです。


25歳の時、勝はこの「父子カプセル」から脱出すべく家を出ますが、父親が協力するはずがありません。

27歳の時、医者から入院を勧められますが父親は当然反対します。勝が自律しては困るのです。そして、

28歳の時、母親が保健所に相談したことを激怒して禁じたときに、「父子カプセル」からの逃げ場は断たれたかもしれません。


勝は、「生きた置き人形」として“そこ”におかれました。
『食って寝て排出するだけの9年間だった』―勝が言ったこの言葉は、彼がどのような役割を生きたのかを如実に物語っています。




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>同じじゃないけど、家と似ているなぁと思いました。


 
    
 
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