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「土浦連続殺傷事件」~金川真大の心理的背景の考察

2013/07/26(Fri) Category : 少年犯罪・家族事件簿
★この2ヶ月あまりで見えたこと---------------------------------------

4.24~5.3までシリーズで『「土浦28歳・両親姉惨殺事件」の考察』を書きました。

それは、土浦荒川沖駅で起きた無差別殺傷事件を振り返るに当たって、飯嶋勝と金川真大の環境がとても似ていることに気づき、同じく土浦で起きた二つの事件―まず2004年に起きた事件から振り返ってみることにしたのです。

その後、出雲の旅から日本人の精神的ルーツへと思いが向かい、その日本をつぶそうとしている原発やTPP、既につぶされている米国社会の状況などへと思いが向かいました。

そして株主資本主義と言える末期症状の中で、今やすべての組織が株主(スポンサー)というものに毒され、「心の声」が押し殺された挙げ句、「生存権」まで奪われつつある状況にあることがハッキリと見えてきました。

そういう中、スポンサーに反旗を翻し、「生き延びよう!」と声を上げた山本太郎は「人間の声」代表であり、その無所属の彼を政界に進出させたことは、歯止めを失った企業(を操る株主)絶対主義の終わりの始まりを告げるものです。新たな時代の伏流水は脈々と脈打っています。

生態系とともにあり、縄文という豊かな精神風土を持った日本も、
生態系から切り離され、1%に支配される人工体系へ組み込まれようとしています。長い歴史の目で見ると、現代がとても異常な時代であることがわかるでしょう。

このブログで書いているように、支配と服従の関係はとてももろく、服従者の目が覚めれば簡単に現社会システムは瓦解します。江戸の飢饉の時には侍までが領地を開墾しましたが、もし国民の大半が足下の土地を耕し、山の民海の民が循環し、地域間連携で地産地消していけば、そこに1%の支配者の出る幕はありません。豊かな地域社会が蘇るでしょう。




★現代の枠組みを維持しようとするシステム---------------------------

けれど、すべてのシステムが現代の枠組みを維持するようにできています。裁判員制度も裁判所の判断の仕方もそうです。心を無視し、心を抑圧するように機能しています。だから、事件は起き続けますし、またそれを利用しようとします。

2008.3.23に起こった荒川沖駅での無差別殺傷事件について、私は当時こう書いています。

『評論家は、「酒鬼薔薇世代」「ゲーム脳」「劇場型」「人のやれないことをする達成感」「弱者狙い」…等々のことを言って個人の「異常性」に迫ろうとするが、そこからは何も見えてこない。マスコミは、犯罪を防げなかった警察のお粗末さをやり玉に挙げて溜飲を下げようとする。

この構図全体が、「異常な個人」vs「正常な個人」の枠組みで語られており、この枠組みで議論されればされるほど、「監視国家」「監獄国家」に近づいていく。つまり、要塞のようなマンション、門戸を閉じる学校、えん罪であろうとも逮捕に躍起になる警察…「人を見たら泥棒と思え」という疑心暗鬼の社会を創っていく。

しかし、問題はこの枠組みからはじき出された場所で起こっている。
上記の中で語られていない場所とは? 
そう、「家庭」だ。』

そこで、
『この事件を元に、どのような背景があったのかを考察してみたい。同じように苦しまれている方、家族がたくさんあると思われるからだ。限られた記事の中からなので、事件の真相というよりも、そういう方々への何らかの参考になればという思いだ。』

そういう思いから、事件から3日後に書いたのでした。ですから、真相に迫ると言うよりも、気づきのためのガイドという形の記事でした。




★「おかしいものはおかしい」と言おう-------------------------------

しかし、改めて判決要旨を読んで「またか・・」と思いました。
裁判長は次のように述べています。

『被告人は人生に生きがいを感じることができずにつまらないから死ぬことを考えたものの、自殺する勇気もないため、他人を殺して死刑になろうと考えて本件犯行に至っているのであるが、人生をつまらなく感じたのは、被告人が生来の無気力な性格により何の努力もしなかった結果であって、自業自得というべきものである。そして、自らの死刑願望を達成するため他人の生命を奪うというその発想は身勝手極まりないものである。このような犯行動機は強く非難されなければならない』

『生来の無気力な性格』―また、個人の異常のせいにされて無理矢理けりをつけさせられようとしている・・・。これは言い換えれば、家庭や社会は変わらなくていい、そのままであり続けなさい、というメッセージなのです。

酒鬼薔薇事件をテーマに2005年に「あなたの子どもを加害者にしないために」を書いてから8年・・・それ以前も、そして以降も、同じ構図が繰り返されています。それを放置したまま、今や生存権が奪われるところまで来てしまったのです。

山本太郎が声を上げたように、私達も「おかしいものはおかしい」と声を上げていかなければなりません。すべての問題は、個人に責任を押しつけてすむ問題ではないことを粘り強く伝えていかなければなりません。そこで、当時の記事を削除し、再度考察してみました。皆様もシステムに流されず、自分の状況を把握できる目を持って下さい。
以下シリーズで掲載していきます。




-------------------------------------------------------------------
「土浦連続殺傷事件」目次
(人物名はすべて敬称を略させていただきます)

<1,裁判所見解の矛盾>
1)水戸地方裁判所の見解
2)裁判所見解の矛盾
3)人は心理的環境に大きく影響を受ける

<2,「感情の墓場」としての家>
1)ストロークゼロの家庭の風景
2)不安から逃げ続けるための結婚
3)天敵としての子ども

<3,「虚構を生きる人」の生き方>
1)「虚構を生きる人」の生き方
2)事実を見るな!
3)現家族に関わるな!
4)人の感情に触れるな!
5)感情は推測で終わらせよ!
6)自分の感情を話すな!
7)レッテル貼り
8)家族を心理的にネグレクトしていた父親

<4,父親の人生脚本>
1)息子(外在化したIC)と向き合えない父親
2)父親の人生脚本
3)息子(IC)を切り捨て脳内親(IP)を選んだ父親
4)自作自演の脚本人生

<5,感情なきロボットから学んだ世界観>
1)無責任な父親
2)父親の棲む世界
3)プログラムを組み込まれたロボット
4)父親の背中から学んだ決定論的世界観

<6,社会に出られない恐怖のトラウマ>
1)真大の語った父親の姿
2)人間不信、社会不信の根っこ
3)刻まれた破壊のトラウマ
4)破壊的な怒りの裏にある恐怖
5)生み出された膨大な「なぜ?」
6)高校時代のフラッシュバックで自覚したこと
7)弁護人は弁護の方針を変えよ

<7,放置された狂気の中で紡がれた世界観>
1)シャイニング(狂気)の世界
2)『なるようにしかならない』
3)『蚊を殺すことと同じ』
4)ライオンとシマウマ

<8,「家庭内囚人」となった子ども達>
1)なぜ天敵である子どもを4人も作ったのか
2)子どもは親の望むルートで接点を得ようとする
3)「家庭内囚人」となった子ども達

<9,認めてもらうためには存在してはならない>
1)『そこにあるのにどこにもない』
2)『目がつり上がって、悪魔そのもの』

<10,夢が告げたメッセージ>
1)見知らぬ中学生2人と殺人した夢の意味
2)ほんとうの闘いとは「気持ちを言う」こと

<11,気持ちが現れた一瞬と人生脚本の逆襲>
1)気持ちが現れた一瞬
2)気持ちが出てきた理由(時間と仲間)
3)人生脚本の逆襲

<12,決まり切った世界>
1)図(父)と地(母)
2)『どこに行っても、決まっている』

<13,吹き鳴らされた第3のラッパ>
1)自分のことを自分で決めることへのこだわり
2)吹き鳴らされた第3のラッパ

<14,「母親一神教」と死への誘因としてのファンタジー>
1)現世への嫌悪・苦しみ(斥力)としての人生脚本
2)死への誘因(引力)としてのファンタジー
3)健全な人生脚本を形成するための環境

<15,自分で人生を終わらせられない本当の理由>
1)「死にたいが先です。その手段が死刑です」
2)母親を裏切らないために法の力で人生を終わらせる
3)脳内母親のために生きている脚本ちゃん

<16,犯行経過>

<17,「誰でもよかった」の裏に隠されている殺意の対象>
1)妹に殺意が湧いた理由
2)人は親の敷いたレールを破壊したがっている
3)「誰でもいい」という時は、親を殺したいとき

<18,存在の耐えられない“なさ”>
1)犯行前、絶望を深めた1ヶ月
2)存在の重さを量るもの

<19,ストローク飢餓と存在の“認知”>
1)携帯に残る「人生脚本の完成」
2)母親に存在を認知させるための殺人

<20,クルミ>




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