プロフィール
 

中尾英司

Author: 中尾英司
Doing(させる,働きかける)ではなく、Being(共にある,見守る)―半歩あとから


カウンセリング申込み要領

中尾真智子ブログ

ホ・オポノポノ to IC―
「ごめんね」「ゆるしてね」
「ありがとう」「愛している」

 
ピックアップ目次
最近の記事+コメント
 
 
カレンダー(月別)
 
04 ≪│2017/05│≫ 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
 
カテゴリ
 
 
全ての記事を表示する
RSSフィード
 
 

「土浦連続殺傷事件」―5,感情なきロボットから学んだ世界観

2013/08/01(Thu) Category : 少年犯罪・家族事件簿
【土浦連続殺傷事件】

★1)無責任な父親---------------------------------------------------

父親が、息子がなぜこのようになったか問われるところがあります。

弁護人「どうして狂ってしまったのか。原因はありますか?」
父「原因はたった一つではないと思います。私の考えでは、子供のころの哲学、考え方、思想の影響を受けているのではないかと思います」

まるで、どこかの模範解答でしょうか。
こんなに空しい言葉を聞いたことがありません。

(蛇足ですが、答案さえかければ中央官僚になれる―このシステムは改めるべきです。心なき人に人を幸せにする仕事はできません。官僚の師弟が通うとある学校の心理情況は酷いものです) 


言葉は自分の中から出てきます。
↑この意味をよくお考え下さい。

人のことを語っているようでいて、語っている中身は自分の体験から形成されたものを語るわけですから、実は自分の中身をさらけ出しています。

上記答弁でまず分かることは、この父親が「自分と子どもの関係」を語っていないと言うことです。まるで他人事のように、自分の子どもへの影響に全く考えが及んでいません。このこと自体が、彼が父親ではなかったことを証明していますし、家族と「“関係がない”という関係性」が現れています。

親は子どもの“環境”です。その環境によって子どもはいかようにも育つのですが、子に問題が起きたとき、親は「子の問題行動」だけを見て、それを引き起こした“自分という環境”の問題に目が向きません。

子が問題行動を起こすようになったのは、その親という環境に問題があったからであって、その環境自らが変わらなければ、問題行動は変わらないのです。親自らの姿を省みる鏡として子どもはそこにいるのです。


子育て心理学:第3部 4)登校拒否の理由-「子は親の心の鏡」
環境としての親
環境としての父親
太平洋戦争開戦月の「主婦之友」6-石川武美氏の子育て



(蛇足2)-----------
環境から切り離して考える「考え方の枠組み(パラダイム)」が人間の傲慢を生み出し、環境破壊を進めたり、原発を作ったりしました。なぜ、傲慢になるか? それは、そこに「責任」という概念が発生しないからです。

けれど、ニュートンの絶対空間はアインシュタインの相対空間に変わり、客観性の神話は観察者の影響があることが証明されて崩れ、私達は相対的に相互作用しながら生きていることが科学的に証明されています。つまり、私達一人一人の行動に責任があるのです。




★2)父親の棲む世界------------------------------------------------

“父親”である限り否応なく家族との関係があり、家族の環境として存在しているのに、家族と関係ないという“認識”を持っている父親。そのことが、次のことに現れていました。弁護人が「被告の生まれてからの人生を家族としてみてきたわけですよね」という質問に、父親は沈黙してしまったのです。

息子は子宮の壁の一つですから、“人の生”として見てきたわけでもなく、また父親自身が現家族の一員としてそこに居たわけでもありません。この質問に答えられるはずもありませんでした。


では、人はどう育つのか―このことについて、彼は次のように述べています。

父「本人は真っ白な状態でそういう考えを身に着けた。例えて言えば、アヒルが卵からかえった際に見たものを親と思う。例えがおかしいかもしれませんが、真っ白な状態で、思想や考え方を吸収してしまった」
「それを直すにはほかにもいろいろな思想があることを見せないといけない。いろいろな世界のことを体験、経験してもらわないと考えは変わらないと思います」

父親が暗に責任を回避していることがおわかりでしょうか。生まれたアヒルの子が本当の親ではないものを親と信じ込む例を出して、真大が信じている思想や考え方は私のものではないよ、と暗示していますね。

自分と息子を完全に切り離してしまっていますが、家族と全く関わってこなかった父親にしてみれば、自分以外のどこかからその『思想や考え方』を吸収したと思っているのでしょう。

さて、上記の答弁の中に登場するのは「本能」と「思考」です。「感情」は出てきません。つまり、それが父親の棲んでいる世界なのです。(→蛇足3)

その世界に退化はあっても成長はありません(蛇足4)。人は自分の気持ちで行動して初めて背骨ができ、成長していくものだからです。自分の気持ちを感じられない人間が、人の気持ちが分かるはずもありません。肉体としては居るんですが、個性としては存在しない人間―それが父親なのです。

父親の世界にあるのは、右から左に至る思考の海。(子ども達の世界同様、カウンセリング(感情)の世界にも右も左もありません)

そこからは何も生まれません。
すべての言葉が、空しい“借りてきた言葉”です。
子ども達がこの父親を当てにしないのも無理からぬことでした。



(蛇足3)-----------
フロイト及び西洋が提示した世界観が、本能の強調と、それを抑えるための思考優位感情劣位の世界です。←これがまぁ、嘘っぱちですが・・・長年にわたって人類(特に西洋)は、支配されやすくなるように布石を打たれ続けていますね。

(蛇足4)-----------
気持ちとつながらない人間がいかに退化し、いかに支配されやすくなるのかは下記をご覧下さい。
『TPPがなぜダメなのか』-体験国からの警告1
TPPの心理学的本質-人間が「情況の囚人」であることを利用する米国





★3)プログラムを組み込まれたロボット-----------------------------

薄っぺらい思考の世界に棲む父親は、息子を更生させるに当たって本を与えます。

弁護人「なぜ道元なのですか?」
父「たまたま書店で、何がいいかしらみつぶしに探していたところ、ある棚にその本があったのを手にとって、これはいいかなとぱらぱらめくって決めました」

父親は“しらみつぶしに探して”、“ぱらぱらめくって”決めています。
この父親の「内」には、我が子に与える言葉がないことを証明していますね。自分の中に探しようがないから、自分の「外」に求めるわけです。“しらみつぶしに探して”いる姿は、悲しい姿です。

しかも、心で生きていないということは、自分の中に背骨がない=判断基準を持たないということです。ですから、その本が本当にいいのか悪いのかも分からない。それが、“ぱらぱらめくって”という表現に表れている気がします。


私は、息子を殺した父親(仮面の家)を思い出しました。
やはり自分の言葉を持たず、自分の生き方モデルを本から採用した父親は、窮地に立っている息子に本を読めというアドバイスしかできなかったのでした・・・。
第6部-6、なぜセックスができなかったのか

『直すにはほかにもいろいろな思想があることを見せないといけない』と、いみじくも語っているように、この父親は、本によって別の言葉(思想)で脳みそを「書き換える」ことによって「正常」になると“考えて”いたのでしょう。まるでパソコンですね。次のようなやりとりがあります―

弁護人「お父さんが『罪の重さを知った上で、死んでほしい』という趣旨のことを言ったが、どう思った?」
金川被告「常識に洗脳されているだけです」
弁護人「どの部分が?」
金川被告「考え方すべてですね」

考え方すべてが常識に洗脳されている―金川被告は、父親が感情なきプログラムロボットであることを見抜いていたんだなぁと思います。




★4)父親の背中から学んだ決定論的世界観-----------------------------

息子が見た父親の姿―プログラムを組み込まれたロボット人間―それが人間だとすれば、人間の行動はすべて決まりきっています。

『人の未来は決まっている』
『現実世界に魅力は感じない!』
『どこに行っても、決まっているからです』

真大の言ったこれらの言葉をおかしいと思っていらっしゃった方も、この父親の姿を見た今であれば、“実感”をもってわかるのではないでしょうか。

つまり、真大の決定論的な特異な世界観は、どこか外から持ってきたのではなく、紛れもなく父親の姿から学んだものなのです(詳しくは後述します)。

子は親の言葉から学ぶのではなく、
親の背中(生きている立ち姿)から学んでいるのです。





関連記事
 
Comment0  |  Trackback0
 
 

Trackback

 

Trackback URL :
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 
 

Comment

 
    
 
Home | Top ▲
 
はじめにお読み下さい
 

読まれる上での留意点
自分を取り戻す方法総目次
*全記事リンクフリーです

 
ブログ内検索
 
Google

Web このブログ
 
会場でお会いしましょう(^^)
風化させまいカレンダー
 
 
著作
記事・インタビュー他
わが子を守るために
写真/動画集はこちら↓
 
 
お問い合わせなどあれば↓
 

名前:
メール:
件名:
本文:

 
ブックマークに追加
 
 
月齢
 
Today's Moon phase
 
↓このパーツを設置すると14本の苗木を植えられます
QRコード
 
QRコード