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「土浦連続殺傷事件」―7,放置された狂気の中で紡がれた世界観

2013/08/03(Sat) Category : 少年犯罪・家族事件簿
【土浦連続殺傷事件】

★1)シャイニング(狂気)の世界-----------------------------------

高校3年生の時、トイレのカレンダーを破いてその場に放置していただけのことで、父親は真大の部屋に恐らくドカドカと殺気だった勢いでやってきて、そのドアに穴を開けるほど激怒しました。

あきらかに、異常なのは真大ではなく、この父親です。
精神鑑定を受けなければならないのは、真大ではなく、この父親でしょう。

けれど、家の中をきちんと保つことで不安を見ないようにしている人間にとっては、少しの乱れでも許されざることなのです。なりふり構っていられない、この父親の抱える不安の巨大さを思います。(←逃げ続けるから巨大になるんですが)


更に加えれば、普通、子宮の中に赤ちゃんは一人です。“その中”で自分がナンバー1、または意志を持つのは自分だけと思えるからこそ安心できるのであって、“その中”に違う意志や価値観が入り込んできたら不安になります。

つまり、「人工子宮」たる家の中に自分以外の意志や価値観を感じたくないのです。ましてや人工子宮の子宮壁であるべき子ども達が意志を持ってはいけません。自分のルールに反する行為の痕跡は、それだけで不安を呼び覚ます反逆行為だったわけです。


部屋にいた真大は、木刀を持って殺気立っていた父親の姿を思い出したでしょう。近づいてくる足音を聞いただけでも命に関わる緊張が走ったでしょう。その上、ドアを破られたのです! 映画「シャイニング」そのままの狂気の世界がそこにありました。

安全基地であるはずの家の中ではあり得ないから「ホラー」なのです。真大は既に父親という狂気の世界に棲んでいました。

「感情の墓場」である家の中を怒りで暴走する凶人が歩き回り、そして、もろくも部屋のドア(=心の境界)を破られたのです。この家の中(世界)では、自分を守る術がないことを思い知ったのではないでしょうか。




★2)『なるようにしかならない』-------------------------------------

子どもは親と自分の関係から世界観を作っていきます。
本来は、自然、地域社会、子ども社会と複数の次元の中に身を置きますから豊かに育つはずなのですが、残念ながら核家族が隔離されている現代社会では、親の影響力が圧倒的に大きいのです。

さて、酒鬼薔薇のあの独特に見える世界観も母親との関係から形成されたように、真大の思想も、これまでの父親との関係を見れば見えてくるものがあります。


裁判官「『なるようにしかならない』というのは『人生なるようにならない』という程度の意味ですか?」
金川被告「何かしらの結果が起きたとき、文句を言っても仕方ないという感じですね」

真大は正確に答えていますね。
『6-1)真大の語った父親の姿』のどのエピソードでも、大けがをしたり、死んでいてもおかしくない出来事でした。上記「7-1)」の出来事も、もしドアが開いていたとしたら、ドアではなく自分に穴が空いていたかもしれないのです。キレている父親を止めようがありません。

だから、たとえ障害を負ったとしても、死んでしまっても、キレている父親に『文句を言っても仕方ない』のです。




★3)『蚊を殺すことと同じ』-----------------------------------------

弁護人「人を殺すことはどういうことだと考えていますか?」
金川被告「蚊を殺すことと同じことです」
弁護人「蚊? 蚊とは虫のあの蚊ですか」
金川被告「はい。蚊を殺すのも、この机を壊すのも同じです」
《金川被告は右手で『ドン』と大きく証言台を叩いた》

『ドン』と大きく証言台を叩いた―父親が木刀で畳を叩いたり、ドアをぶち破ったことと同じことをしていますね。彼は自分がされたことをして見せました。

蚊が飛んできた。かゆいと思った瞬間に、何も考えずにバチンとつぶしています。父親が真大にしたことは、それと同じでした。カッとなった瞬間に、『ドン』と破壊しています。その時に命を失っても『仕方ない』ことなのです。




★4)ライオンとシマウマ--------------------------------------------

真大は『常識に照らせば』『常識的に考えて』『常識を通して考えれば』『常識を考えれば』・・・と口癖のように言います。自分の言葉を持たなかった無機質な父親とよく似ていますね。感情ではなく、思考で育ったことが分かります。

弁護人「あなたは常識とさっきから話しているが、常識を取っ払えば、罪の意識とかは感じるの」
金川被告「感じません。ライオンがシマウマを食べるとき、シマウマに悪いと感じるのでしょうか」
弁護人「ライオンと同じ?」
金川被告「そうです」
弁護人「殺される人はシマウマ?」
金川被告「そうです」

まず分かるのは、常識で気持ちを推測しているのであって、実感はないということです。思考のみで感情のない父親と同じに育っています。

上記1)に見るとおり、家という檻の中を野放しにうろつき回っているライオンは父親です。いつどこで怒りに火がつき襲いかかってくるか分かりません。

一方、弟と無邪気に遊んでいた小学校の真大はシマウマです。そして、ただ遊んでいただけなのに、いきなりライオンは凄まじい殺気を放って襲いかかってきたのです。

「6-3)刻まれた破壊のトラウマ」で見たように、このときシマウマはライオンに殺されたのです。が、襲ってくるライオンは怒りに満ちていて、罪の意識など感じてはいません。


いかがでしょうか。
弁護人が言ったように『ひたすら1人で考えて人格が形成』されたのではなく、父親との関係から、真大がこのような世界観を作ったことが分かると思います。




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なるようにしかならない。


>なるようにしかならない。仕方がない。
>なにかあるごとに、そう思っていました。
>今は「本当にそれは仕方がないのか?」と諦めそうになるたび自分に聴いています。
>家は木刀ではなかったけど、幼い頃から、父の思う通りに私たち子供が動かないと怒り出し、固い棒状のモノ(掃除用具のハタキ、孫の手、布団たたき…等々)で床を叩き、折檻し、ズボンのベルトを鞭のように扱っていました。
>今考えると明らかに危険な場所でした。
>本当によく生きてきたなぁ、私。


 

父と母の狂気

>金川被告「何かしらの結果が起きたとき、文句>を言っても仕方ないという感じですね」

ウツとは「怒りの抑圧」だとよくいわれますが、私もなかなか怒ることができません。

怒るということは、「よって立つところ」、足元になにかふんばる場所と力が要るような気がして、「私にはそれがない」とずっと感じてきました。

小さい時に父に、お風呂で溺れさせられた記憶があります。
私はもの凄く苦しいのに、父の顔は笑っていた。
その記憶がずっと残っていました。

家の中でもチンピラのように、事あるごとに私を脅かしつづける父。

私が泣いても泣いても、ずっとクドクドと怒り続ける母。

私にはよって立つところがない...だから、怒れない...ずっとそう思ってきました。

少し前、あの時のお風呂の中の父親には、イメージの中で蹴りを入れることが出来ました。

海に向かって、あの時の母親に向けて「ばかやろう」と言ってやりました。

でもまだ、頭が締め付けられます。
頭と体の戦争が終わっていないみたいです。

 
    
 
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