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「土浦連続殺傷事件」―11,気持ちが現れた一瞬と人生脚本の逆襲

2013/08/08(Thu) Category : 少年犯罪・家族事件簿
【土浦連続殺傷事件】

★1)気持ちが現れた一瞬------------------------------------------

「感情の墓場」である親の世界から抜け出すことができていれば救われたであろう真大。

けれど、子どもは母親が大好きで、母親に認められたいと思っています。また、母親(安全基地)が心配な間は自分の人生に踏み出すことはできません。その母親から来るメッセージは、「気持ちを言うな、人とつながるな」という禁止令―それが脳内親(IP:インナーペアレンツ)となって子どもをコントロールします。

『同級生の一人は「おとなしくて友人がほとんどおらず、誰かと話しているところを見たことがない」と語った』―これは、真大が脳内親にその姿を見せつつ生きていたことを示しています。

「気持ちを言わず、人とつながらず、子宮の壁として生きる」ことが、真大の人生脚本でした。けれど、一度だけ揺れたことがありました。


(1)---------------------------------------
弁護人「高校時代、先生に『課題を出さないと卒業できない』と言われたことがありましたね? なぜ言うことを聞かなかったのですか」
金川被告「卒業する必要も就職する必要もなく、高卒という肩書を取る必要がなかったからです」


(2)---------------------------------------
弁護人「でも、あなたは結局課題を出しましたね。なぜですか」
金川被告「3~4時間にわたり、部活の仲間に説得されたからです」
弁護人「あなたが『死にたい』と打ち明けたのは、その人たちだけのようです。なぜ、その人たちにはいえたの?」
金川被告「特に他意はないが、こっちとしてはそういう言い訳を使ったということです」


--------------------------------------------
上記(1)は、「子宮の壁として生きる」ことを決めている人生脚本の言葉ですね。

(2)で『死にたい』と打ち明けたのはインナーチャイルドが出てきたのかもしれません。(その時死にたいと言った真大と、この時証言で理屈をつけている真大とは別のように思います)死にたいほどの狂しい気持ちを、彼は初めて表現できたのです。

なぜ強固な監獄から気持ちが出てくることができたのでしょうか。




★2)気持ちが出てきた理由(時間と仲間)------------------------------

それは、『3~4時間』という時間と『仲間』にあるのではないかと思います。

カウンセリングにおいても、IPは話題を変えたり、記憶を飛ばしたり、すりかえたり、聞き返されたときに表現を変えたり、核心に関わりそうなことは思考停止したり、意識を外に向けたり(急に外のことなどが気になる)、早く終わらせようと時間を気にしたり・・・いろいろやらかしてくれます。

脚本ちゃんは、脚本人生劇場でやってきたことや悲喜こもごもを語りつくし、カウンセラーを無意識に代理親とみなして脚本人生を認めてもらおうとします。あるいは、洗脳されたストーリーを語って同意を得て、脚本を固めようとします。

つまり、カウンセリングの場であっても最初に出てくるのは「脚本&IP連合」なのです(まぁ当然ですが)。その間、ICは出てこないのですが、本人にはそれがわかりません(これも気持ちを封印して生きてきたので当然なのですが)。

けれど、ICはその間もずっと自分とカウンセラーのやりとりを聴いています。まずきちんと受け止めてくれるかどうか。脚本人生を聴くだけでも4、5時間はあっという間です。「ここまで向き合ってくれる」と喜ぶのは、まず脚本ちゃんです。

ここで本人の語るストーリーに共感して終わると、脚本ちゃんは大喜びしてその後も脚本人生を語り続けようとします。一方、ICは落胆して出てきません。長期間カウンセリングに通っても事態が変わらないときは、この構造になっている場合があります。つまり、脚本がカウンセラー(イネイブラー)によって維持されているわけです。

当相談室の場合は、語られた事実を下に世代間連鎖と人生脚本を見ていくわけですが、その時に本人は自分の“常識”がことごとく覆されていくことになり、事実否定の防衛機制も働きます。この時に脳内親は理屈で抵抗し、脚本ちゃんは自分の世界が消されると思って反発するわけです。

しかし、その間もICは聴き続けているわけで、上記のようなカオスの中にあって、本人が気づかないうちに涙がツーと流れていたりします。自分でも、「あれ、なんで泣いているんだろ」と言いつつ。

本人もそれが何の涙か分かっていないのですが(分かるのは後になってからですが)、これがICの安堵と喜びの涙だったりします―「やっと分かってくれる人がいた」・・“自分”にさえもわかってもらえない暗く長い孤独にやっと日が射しこんだような、そういう感じでしょうか。

本人も脳が反発していても、体が流す涙は信用します。そこから、自分とICの統合、そして人生脚本書き換えの道のりが始まるのです。

上記は一例ですが、このようなスタートにたどり着くために何より大事なのは自分の意志です。自分が何のためにここにいるのか、自分がどうなりたくてカウンセリングを受けようとしているのか―そこに意志があります。そして、その人は相手(カウンセラー)がどうであろうとも、その意志の向かうところに進んでいくのです。

ですから、何よりその人の意志が大切なのですが、他に次のような条件が必要です。
1.一定の時間自分と向き合うこと
2.事実を再構成できる鏡があること

1→決意して望んだカウンセリングであっても、限られた時間であれば「脚本&IP連合」が切り抜けてしまいます。一方、気づきはスパイラルを描くようにゆっくりと深まっていきますから、時間の経過とともに深いところにある感情に手が届いていきます。私どものカウンセリングで初回に8時間ほどかかるのは経験的にそうなっているのですが、この初回がとても大事だと思います。

2→相手の枠組みで共感的に受け止めるのがカウンセリングの基本ですが、その枠組みは脚本人生劇場の枠組みです。共感だけで終わってしまえば、その人は脚本から抜け出すことはできません。カウンセラーの側には、相談者の表層意識の裏にあるもの―捨象している事実、偏った思い方、隠されている感情(IC)―それらのものにフォーカスする視点を持っている鏡であることが大切です。


真大の意志は脚本を全うする方向にありましたが、仲間に説得されました。安心できる友達はICにフォーカスしてくれる鏡でした。その仲間が複数いた中で、『3~4時間』自分と向き合ったわけです。その結果、真大のICが出てきたのではないでしょうか。仲間の力は素晴らしいなと思います。




★3)人生脚本の逆襲----------------------------------------------

しかし、気持ちを言ったことは、人生脚本にとっての最大の裏切りでした。これだけ「脚本&IP連合」の強い人間の場合、すぐに連合軍の逆襲がやってきます。
IP(インナーペアレンツ)の逆襲


(3)---------------------------------------
弁護人「結局、なんで課題を出したんですか」
金川被告「さっさと切り上げたかったからです」
弁護人「別に、その人たちの目の前で課題をやったわけじゃないですよね。無視すりゃいいじゃない」
金川被告「別に」
弁護人「その日の夜、自分の部屋の壁をぶち破りましたね。なぜですか」
金川被告「ムカついたんで。『何で課題をやってるんだ』と」
弁護人「それは課題をやってる最中ですか」
金川被告「はい」
弁護人「なんで?」
金川被告「一度(課題を出さないと)決心したのに、それを翻したからです」
弁護人「その後、どうしましたか」
金川被告「父からもらった日本刀を持って、外に出ました。模造刀ですけど」
弁護人「それで何をしたんですか」
金川被告「振り回しました」
弁護人「家に戻ってから、どうしましたか」
金川被告「課題をやりました」


--------------------------------------------
「気持ちを言わず、人とつながらず、子宮の壁として生きる」はずなのに『何で課題をやってるんだ』と自分を責めてきたのは、「脚本&IP連合」でしょう。

そして、彼は外界と自分を断ち切ることをします。
彼を社会に出られなくした恐怖のトラウマは何だったでしょうか。そう、木刀を振り回す父親でした。

そこで、彼は自分を再び閉じ込めるために模造刀を振り回したわけです。模造刀を振り下ろす度に、彼は出てきたインナーチャイルド(感情)を断ち切り封じ込めたのでしょう。父親と全く同じことをやっていますね(しかも、父親からもらった刀で)。

このように子どもは、かつてはイヤな思いをしても、感情を封印するやり方を親から学んでいます。
そして、課題をやることで、自分を思ってくれた友人に借りを返しました。いわばこれが、つながっていく世界への決別だったのでしょう。


こうしてインナーチャイルドを封じた真大は、「気持ちを言わず、人とつながらず、子宮の壁として生きる」脚本に邁進します。卒業後は、一戸建ての二階を一人で使ってひきこもり、『6年間も、ゲームざんまいの生活』にのめり込んでいったのです。






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