モラハラの心理-3.モラ夫に洗脳されるメカニズム
2006/06/09(Fri) Category : モラハラ(モラルハラスメント)
【モラルハラスメントの心理】
私も、かなり強烈なパワハラを受けたことがあるので、この再現ドラマのモラハラの状況はよくわかる。私の体験に絡めて、モラ夫に洗脳されるメカニズムを分析してみたい。
「パワハラ管理職の実態―こうして部下は潰される」に書いたが、なんの脈絡もない怒声や罵詈雑言から、“それ”は始まる。それ、とは「支配」だ。
一話目:『ある日突然の夫の罵倒』
二話目:『スイッチが入ったようにいきなりわめいて怒り出した』
これが、開幕の合図だ。
そして、必ず「こんな(そんな)こともできないのか」という曖昧な条件がつく。この曖昧さが、相手を身動きさせなくしていくダブルバインド(二重拘束)の第一の罠である。(参照:「パワハラにおけるダブルバインド(二重拘束)の構造」)
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さて、妻にとっていきなり発生した強いストレス状況。
ストレスに対して人は、コーピング(攻め)と防衛機制(守り)で対応する。
「コーピング」とは、次はこうしよう、気をつけよう、と“意識的”にとる対処行動のことである。
「防衛機制」とは、破局から逃れるために“無意識”にとる心の動きのことである。
機嫌が悪い時の夫は意識から打ち消そうとしたり、嫌な目にあったことを我慢してなかったことにしてしまおうとするのは、「抑圧」という防衛機制。
「嫁姑のよくある話」と思おうとしたり、子や孫が生まれれば態度が変わるはずと思いこむのは、「合理化」と言えるだろう。
そのような防衛機制で自我を守りつつ、一方、行動の面では、試みれば試みるほど、あらゆるコーピングが無効であることを思い知らされていく。 それどころか、必ず新たなストレスが付加され、ストレスの高原状態が続く。
ストレス理論に照らして言えば、『自分が何か悪かったかな、という軽い思い』で、次はこうしようと考えて一時回復する時期を「警告反応期」という。
次いで、ストレスの高原状態の中であれこれコーピングを試みているときは「抵抗期」である。
しかし、やがてあらゆるコーピングが無効だと判明し、あきらめ疲労困憊した心身をショック症状が襲う「疲弊期」にいたる。
夫が帰ってくると考えただけで、手足が震えたり息苦しくなったりするのがそれだ。
(詳しくは、「パワハラのストレスメカニズム→ストレス理論で知的防衛せよ!」)
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加えて、相手は「100%自分が悪くないという顔」をしており、あるいは不妊の原因は100%妻にあるかのような顔をしているから、つい「自分に原因がある」と考えてしまう。
やがて、何かよくないことがあると「自分に原因がある」と考えるようになってしまう。これを「自己関連づけ」の「自動思考」という。
この「自己関連づけ」は、圧倒的支配環境下にあるため、簡単に「私はダメな人間だ」という「レッテル貼り」に移行する。自分に自分でつけたレッテルのことを「自己概念」というが、一度自己概念ができてしまうと、すべてをその枠組みの中で解釈するから、ますますその概念が強化されるという悪循環に陥る。何があってもなくても、「私がダメ」に落ち着くのだ。
ここまでくると、洗脳はほぼ完成する。
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いかがだろうか。
「ダブルバインド理論」
「ストレス理論」
「防衛機制」
「自動思考」
「人生脚本」
ざっと見ただけで、これだけの多様な理論が適用できる環境を作り出しているのがモラ夫及びその家族(ストレッサー、ハラッサー)なのである。
こういう環境に人が置かれたとき、身動きのとれない無力な状況に落とし込まれてしまうことは私が身をもって経験した。
性格の問題ではない。誰もが陥ってしまうと言っていいだろう。
だからこそ、このメカニズムを知り、気づいて欲しい。
<「モラハラの構造(4):なぜ、結婚すると突然モラ夫になるのか?」へ続く>
・偽装自分と脱洗脳
私も、かなり強烈なパワハラを受けたことがあるので、この再現ドラマのモラハラの状況はよくわかる。私の体験に絡めて、モラ夫に洗脳されるメカニズムを分析してみたい。
「パワハラ管理職の実態―こうして部下は潰される」に書いたが、なんの脈絡もない怒声や罵詈雑言から、“それ”は始まる。それ、とは「支配」だ。
一話目:『ある日突然の夫の罵倒』
二話目:『スイッチが入ったようにいきなりわめいて怒り出した』
これが、開幕の合図だ。
そして、必ず「こんな(そんな)こともできないのか」という曖昧な条件がつく。この曖昧さが、相手を身動きさせなくしていくダブルバインド(二重拘束)の第一の罠である。(参照:「パワハラにおけるダブルバインド(二重拘束)の構造」)
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さて、妻にとっていきなり発生した強いストレス状況。
ストレスに対して人は、コーピング(攻め)と防衛機制(守り)で対応する。
「コーピング」とは、次はこうしよう、気をつけよう、と“意識的”にとる対処行動のことである。
「防衛機制」とは、破局から逃れるために“無意識”にとる心の動きのことである。
機嫌が悪い時の夫は意識から打ち消そうとしたり、嫌な目にあったことを我慢してなかったことにしてしまおうとするのは、「抑圧」という防衛機制。
「嫁姑のよくある話」と思おうとしたり、子や孫が生まれれば態度が変わるはずと思いこむのは、「合理化」と言えるだろう。
そのような防衛機制で自我を守りつつ、一方、行動の面では、試みれば試みるほど、あらゆるコーピングが無効であることを思い知らされていく。 それどころか、必ず新たなストレスが付加され、ストレスの高原状態が続く。
ストレス理論に照らして言えば、『自分が何か悪かったかな、という軽い思い』で、次はこうしようと考えて一時回復する時期を「警告反応期」という。
次いで、ストレスの高原状態の中であれこれコーピングを試みているときは「抵抗期」である。
しかし、やがてあらゆるコーピングが無効だと判明し、あきらめ疲労困憊した心身をショック症状が襲う「疲弊期」にいたる。
夫が帰ってくると考えただけで、手足が震えたり息苦しくなったりするのがそれだ。
(詳しくは、「パワハラのストレスメカニズム→ストレス理論で知的防衛せよ!」)
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加えて、相手は「100%自分が悪くないという顔」をしており、あるいは不妊の原因は100%妻にあるかのような顔をしているから、つい「自分に原因がある」と考えてしまう。
やがて、何かよくないことがあると「自分に原因がある」と考えるようになってしまう。これを「自己関連づけ」の「自動思考」という。
この「自己関連づけ」は、圧倒的支配環境下にあるため、簡単に「私はダメな人間だ」という「レッテル貼り」に移行する。自分に自分でつけたレッテルのことを「自己概念」というが、一度自己概念ができてしまうと、すべてをその枠組みの中で解釈するから、ますますその概念が強化されるという悪循環に陥る。何があってもなくても、「私がダメ」に落ち着くのだ。
ここまでくると、洗脳はほぼ完成する。
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いかがだろうか。
「ダブルバインド理論」
「ストレス理論」
「防衛機制」
「自動思考」
「人生脚本」
ざっと見ただけで、これだけの多様な理論が適用できる環境を作り出しているのがモラ夫及びその家族(ストレッサー、ハラッサー)なのである。
こういう環境に人が置かれたとき、身動きのとれない無力な状況に落とし込まれてしまうことは私が身をもって経験した。
性格の問題ではない。誰もが陥ってしまうと言っていいだろう。
だからこそ、このメカニズムを知り、気づいて欲しい。
<「モラハラの構造(4):なぜ、結婚すると突然モラ夫になるのか?」へ続く>
・偽装自分と脱洗脳
朝から興奮気味
昨日、ワイドショー(関西では放送されていない)で、モラルハラスメントの特集があったらしい。 その中で、カウンセラーと名乗る人が「もちろん加害者が一番悪いのですが、被 ...